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12歳の息子と、ヨーロッパでの新しい暮らし。写真と文:壱岐ゆかり (フローリスト) #1July 01, 2025
2025年3月に小学校を卒業した息子。その3〜4年前。
その頃から少しずつ、「ヨーロッパ移住」を考えては試してみて……を繰り返してきた。
隣が当たり前に外国、というヨーロッパの人たちにとって、「国内外で活躍」なんて言葉は当たり前。
小さいと思い込んでいたこの島国・日本は、オランダから見ればはるかに大きな国だし、為替の影響で苦しい部分もあるけれど、「日本ほど、美しくておいしい国は他にないな」と再認識するいい機会をもらっている。

今年の4月からオランダ・アムステルダムに移住して、まだたったの3か月! 嬉しいことも、キツいことも、たくさん!

「教育移住だからオランダ」というわけではなくて、私自身、15歳の時から数年、父の転勤でアメリカで過ごしたこともあり、「他を知る、外から日本を見る」ことは、どれほどプライスレスな経験か、身をもって知っている。そして、自分がもし親になったら、アメリカに行った時の自分よりももっと早い年齢で「外に行かせたい」と未来の自分に約束したのも覚えている。
私は、日本を好きな日本人であってほしい、それを願っている。
どこにいても、自分の国を大切に思っていれば、きっと未来はある。

花屋『THE LITTLE SHOP OF FLOWERS』のオープンとほぼ同じ時期に生まれて、私の都合で、なにかと急がせてきた12歳の息子へ。
今さらだけど、私を“親”にしてくれた恩返しを。
それは、「いろんな初めてを一緒にをすること」。
私自身も、住んだことのない国。知らない言葉、慣れない習慣、まったく新しい学校……。
何もかも初めて。でも、やってみて、どう動くか? を、一緒にもがいてみたい。

「俺、オランダ行ってみたい!」と素直に言ってくれた息子にぜひ、もがいている母を見て、笑ってほしい(笑)。きっと面白い。
フローリスト 壱岐 ゆかり
