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会社員、アシスタント・野村陶子さんのおうちの話。写真と文:服部恭平 (写真家)December 24, 2025
「いつからアクセサリーをつけないようになったんだっけ」
どうでもいいことを考えながら、今日も車を走らせる。奥山由之さんが編集者の長畑宏明さんと一緒にやっているポッドキャスト「穴」を聞いていたら、すぐ目的地に到着してしまった。今日は、野村陶子さんのおうちに遊びに来た。
陶子さんはアートブックの仕事をしながら、たまに僕の撮影アシスタントをしてくれている。仲良しの友達が紹介してくれて、彼女の醸し出す雰囲気に惹かれて、アシスタントをお願いした。”放つ”というよりかは”醸し出す”。写真を撮るときはとても集中していて、そういうときに隣にいてほしい人だ。
引っ越したばかりで確かに物は少ないけれど、なんだか陶子さんらしい部屋だなと思った。彼女が大好きだという『スター・ウォーズ』にでてくる大型輸送船の形をしたドリンクケースを、楽しそうにセットしていた。

着いたのは夜遅く。仕事終わりなのに、温かい豆乳鍋を作ってくれた。冬で寒いから、とかじゃなくて、心が温まった。僕の大好きなマロニーも入っていた。愛しのマロニーちゃん。
鍋を食べながら、昨日まで開催されていた『TOKYO ART BOOK FAIR』で購入した本を見せてくれた。10冊もある。今日も一日、本の話をたくさんしていただろうに、帰ってからもずっと本の話をしている。「好き」ってこういうことだよなと思った。好きなことについて話している人は、とてもいい顔をしている。こちらまで嬉しくなった。
食後には、いつも寝る前に飲んでいるという、日本茶専門店の『金子園』のほうじ茶を入れてもらった。ほんのり甘みがあっておいしい。僕は、『ヨックモック』のシガールを買ってきた。外装から個装まで、クリスマス仕様のパッケージになっているのがすごく愛おしくて、彼女にプレゼントしたくなった。「きっと飛び跳ねて喜んでくれるだろう」と、お会計のときにニヤニヤしていたと思う。
「ゆっくり話してもいいんだ」と、陶子さんが言っていたのが印象深かった。僕は、人と話すことで、自分では考えもしなかったことに気づけるのが好きだ。考え込み、言葉を探し、ときどき立ち止まりながら、話している。
下手くそなのはそのままでいいから、隠さず精一杯やろう。僕の気持ちが、陶子さんにも伝わった気がした。
寝室の先に広めのバルコニーがあって、そこでパーティーを計画中らしい。次は『スター・ウォーズ』の話をたくさん聞かせてください。
写真家 服部恭平




























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