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ぼくが犬を迎え入れるまでの話。「シーズーとの出会い」。 写真と文:アボット奥谷 (イラストレーター) #2April 10, 2025
4月になると思い出すことは犬のこと以外にもあって、3月生まれのぼくの免許更新期間でもある(今年もそうだ)。
普段は車に乗らない生活なので、前々回は更新をすっかり忘れて失効し、交通の便の悪い遠くの教習所まで手続きに行った。
前回もタッチの差で営業時間に間に合わず、翌日、免許センターに再度出向くことになった。自分の不注意のせいなのだが、犬を迎えるための準備に忙しい時期で余裕のない中、なんとか時間を作って行ったにもかかわらず、そのようなことになったので、イライラが免許写真にも残ってしまった。
今持っている免許は顔が怖い。元々威圧感のある人相だが、より一層怖い。自分でも。

こんな見た目のぼくでも、犬を連れているといろんな人から話しかけられる。犬が人に与える安心感ってすごいな。
ペットショップに行ったことで、犬を買うことや命を選ぶことに疑問を感じ、いろいろ考えすぎた結果、人間なんて生きているだけで他の生き物を傷つけているんや! 存在自体が罪や! みたいな極論に行きついてしまったのだが、それでも犬と暮らしたいという気持ちは消えなかったので、ちゃんとお世話して犬も人も幸せならいいんじゃないかというようなところに妥協点を見出し、犬を飼うことに決めた。ご都合主義ですみません。
改めて犬を飼うということを決めてから、どんな犬と暮らしてみたいかな~といろいろ動画を見ているうちに、やたらシーズー関連のものをたくさん見ていることに気付く。最初はなんとなく別の犬種をイメージしていたが、次第にシーズーがいいなと思うようになり、飼いたい犬種がシーズーに決まった。
考えてみると、シーズーはぼくが生まれて初めて名前を知った犬種でもあった。子どもの頃、実家の隣の家の山本さんのところのおばあちゃんがシーズーを二匹飼っていて、リボンをつけて散歩しているのをよく目にした。おばあちゃんがおばあちゃんみたいな顔の犬を連れてる!と子どもながらに思ったのをよく覚えている。あれから30年以上が経つが、シーズーを選んだことにその頃の記憶が影響しているのかもしれないな。現在は、おばあちゃんの家には親戚の方が住んでいる。最後におばあちゃんを見たのはいつだっただろうか。
山本さんところのおばあちゃん、ぼくも今シーズーと暮らしてますよ。いつかそっちに行くから、たくさん犬の話をしようね。地獄で待っててね(天国だろ)。

edit : Sayuri Otobe
イラストレーター アボット奥谷
