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おしゃべりみたいな打ち合わせで、気づいたこと。編集後記「使い続けたくなる、愛しいもの」September 21, 2024

使い続けたいものってなんだろう。編集後記「使い続けたくなる、愛しいもの」
私はむかーし台北に住んでいたことがあり、小さい頃から異国情緒あふれる、エキゾチックなものに惹かれます。たぶん魂が半分くらいそっちのほうにあるんですよね。ブランドものでもない、なんてことのないこのお盆は、暑くて賑やかで、楽しい、大好きな台北を思い出させてくれます(台北のものでは、ないのですが)。できるだけ長くいい場所に飾っておきたいと思う今日この頃です。

おしゃべりみたいな打ち合わせで、気づいたこと。

今回の特集は、「使い続けたくなる、愛しいもの」。スタイリストさん、ライターさんと企画を始めるにあたって「ずっと大切にしたいものってなんだろう?」という最初の打ち合わせをしたときのこと。みんなで頭を悩ませました。
だって、私もあなたも、毎日気分は変わるし、今日と明日で着たい服も、纏いたい香りも違う。10年後同じ考えでいられるとは限らない。使い続けたい、という気持ちを時間で捉えるのは難しくないですか。
確かに。そのまま、会話は続きます。
一生使い続けることができたら、それはとても素敵なことだけど、でも、たとえば、手放すときが来ても、ときめいて手に取った記憶はきっと心に残るはずで。「使い続けたい」という言葉が、自分の考えを縛りつけるのではなく、日々変わり続けていく自分を肯定してくれるものなら、いいですよね。使い続ける、というある意味矛盾のある行為の謎が、すとんと解けた気がして、みんなで頷きあいました。

さて、話に出てきたスタイリストさんは、井伊百合子さん。もう何年も&Premiumのファッション号で、もの選びの企画を担当してくれています。ただ素敵なものをずらりと並べて紹介しているだけではなく、彼女の視点と言葉で紡がれるこの企画は、いつも新鮮な気づきを与えてくれます。
編集部やスタッフさんとの、こんなおしゃべりみたいな打ち合わせから、いつも企画は動き出します。写真と、井伊さんの言葉で完成される企画、ぜひ、じっくり読んでいただきたいです。

(本誌編集部/H)

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