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好きな映画がたくさんありすぎて……。編集後記「明日を生きるための映画」December 20, 2024
好きな映画がたくさんありすぎて……。
ここ数年、もっぱらドラマ派だったのですが、元々は大の映画好き。学生時代は、毎日1本観ることを目標にしていて、ゼミではアメリカ映画研究を専攻し、レンタルビデオショップでアルバイトしていたこともあるほど。表紙になっている、ジム・ジャームッシュ作品と出合ったのもその頃。最初に観たのは『ナイト・オン・ザ・プラネット』で、その会話の面白さに夢中になって、当時、何度も観たものです。
今回の取材では、「好きな映画は何ですか?」と逆質問されることが多かったのですが、学生の時に観た作品が多く、ビクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』、ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』を挙げたうえで、ここ数年で観たものだとインド映画『きっと、うまくいく』、監督だとウェス・アンダーソンやアキ・カウリスマキ、グザヴィエ・ドランなどと答えていました。そういえば、キューブリックもヴェンダースもカラックスもコーエン兄弟もマイク・ミルズもグレタ・ガーウィグも好きだった! と、後からどんどん思い出したり……。演出が心に残った作品なら、西川美和監督の『ゆれる』、長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』、川島雄三監督の『しとやかな獣』なども。ちなみに、今年映画館で観た映画の中では、ビクトル・エリセの『瞳をとじて』が最も心に響いた作品。“うまく老いるには、期待と不安を抱かないこと”といったような台詞を心に刻みました。
今号で紹介する映画には、過去の名作もたくさん入っています。改めて観ると、まったく違う印象を抱いたり、登場人物それぞれに感情移入できる面白さがありました。これまでは仕事以外で一度観た映画を観返すことはあまりしていなかったのですが、この冬は、この号に出てきた作品を観返そうかと思っています。BinB企画に出てきた、まだ観ていない韓国ドラマも! エンタメって、やっぱり楽しい! そして、明日も楽しく生きるための原動力にもなりますよね。
(本誌編集部/川端寿子)