From Editors

竹富島で触れた、「うつぐみ」の心。編集後記「心を整える、日本の旅」June 20, 2025

竹富島でのファッション撮影で、早朝に訪れた島の西部に位置するコンドイビーチ。青い空と透き通るような海が広がる、心が整う場所。
竹富島でのファッション撮影で、早朝に訪れた島の西部に位置するコンドイビーチ。青い空と透き通るような海が広がる、心が整う場所。

竹富島で触れた、「うつぐみ」の心。

6月20日発売の最新号「心が整う、日本の旅」特集では、巻頭のファッションページもまた旅仕様に。沖縄・八重山諸島に位置する竹富島へ行ってきました。

2014年に「サマーライフ」という特集を作りました。実はこのときも竹富島で撮影をしているので、個人的には2度目の訪問です。石垣港からフェリーで約10分、久しぶりに訪れたそこには、赤瓦の屋根や白砂の道、サンゴの石垣、美しいビーチなど、10年以上前に訪れたのと変わらない景色が広がっていました。竹富島の人々は、一致協力の心を意味する「うつぐみ」という美しい響きの言葉を大切にしています。また、1986年に、島の歴史や伝統の継承と景観保全を目的として地元公民館が制定した「竹富島憲章」を今も大事にしていることで、八重山の原風景が残されているんだなと改めて実感しました。白砂の道に美しい箒目が見られるのは、毎朝、島に暮らす人々が丁寧に掃き清めているから。朝、目覚めたとき、箒で道を掃除する“サッサッ”という小気味いい音と遠くから聞こえる波音が混ざり合う様は、心が整う特別な特別な瞬間でした。

本や音楽に浸る、清らかな水と聖地を訪ねる、手仕事の温もりに触れる、ゆっくりと列車に揺られる…… など、テーマを持って旅する美しい日本を紹介している今号。5年後、10年後にページを捲ってもきっと変わらないだろう、日本の美しい風景に出合える一冊になりました。まずはこの夏の旅先を、この一冊から探してみてください。

(本誌編集部/利根正彦)

展望台「なごみの塔」付近から赤瓦の屋根が並ぶ集落を見渡す。10年以上経ってもほとんど変わらない景色に、なんだかホッとしました。
展望台「なごみの塔」付近から赤瓦の屋根が並ぶ集落を見渡す。10年以上経ってもほとんど変わらない景色に、なんだかホッとしました。
夕方に東集落を歩いて。撮影に訪れたのは5月、すでに日中は30度を超えて夏の様相でしたが、日が傾き、徐々に色合いを変える空も美しかった。
夕方に東集落を歩いて。撮影に訪れたのは5月、すでに日中は30度を超えて夏の様相でしたが、日が傾き、徐々に色合いを変える空も美しかった。

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 140心を整える、日本の旅。2025.06.20 — 960円