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いい映画、観てますか? 編集後記「明日を生きるための映画」December 24, 2024

いい映画、観てますか? 編集後記「明日を生きるための映画」
先日『ヒューマントラストシネマ渋谷』で見た「HAPPYEND」。近未来の高校に通う男子高校生二人を取り巻く世界を描いた青春映画。久々にパンフレットまで購入してしまいました。アメリカを拠点に活躍されている映画監督・空音央さんによる長編デビュー作。これが長編第一作目ってまじか、と衝撃を受け、今から次回作が待ち遠しいです。

いい映画、観てますか?

 残っている仕事はさておき、今日の夜は、映画館に映画を観に行こう。映画特集のリサーチ&取材まっただなか、ふと思いついてチケットを取り、向かったのは渋谷の映画館。平日の夜に映画館行くのっていつぶりだっけ。大学生の頃は、授業の空きコマに『早稲田松竹』へ1本観に行って、また大学に戻って、帰りにナイトショーで2本目を、とかやっていたなあ。渋谷の交差点の人混みを、早歩きで抜けながらそんなことを考えていると、映画館に辿り着く。平日の夜の映画館は、休日のそれとはやっぱりちょっと違う。同じく仕事を終えてきた「同志」みたいな大人たちが、ひとりでふらりと来ている、この感じ。


 選んだ映画は知人たちからも薦められていた『HAPPYEND』。未来都市の景色を切り取った、その構図がとても美しかった。主人公の男子高校生二人が高速道路みたいな橋を歩いている姿を、ぐっと引いて捉えた画。行ったこともないはずなのに、懐かしさを感じて、「あぁ、渋谷の高速が走っているあそこの坂に似ているんだ」とハッとする。
たびたび出てくるDJシーンは、とにかく音楽が素晴らしかった。遠くで頭を振りながら、そのシーンをノリノリで堪能している人影が見えて、こっちまでワクワクしてくる。映画館ってやっぱりちょっと変。まったく知らない人たちと、同じ映像を2時間も一緒に見ているってよくよく考えたら面白い。でもそれが好き。帰り道、仕事が全然終わってないことを思い出して、明日も頑張らねば、と落ち込んだけど、「いい映画」を観られたから、それだけで十分だわ〜と思いながら帰宅したのでした。


 今回の特集は、『明日を生きるための映画』。人生を変えた3本の映画、好きな映画監督に教えてもらった人生で大切なことなどを各界で活躍する人に聞きました。いい映画に、出合えるガイドになっているはずです。


 みなさん、最近いい映画、見てますか?


(本誌編集部/H)

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