今、台湾でしたいこと。
料理研究家・フォトエッセイストの口尾麻美さんが教えてくれた、「台湾好きの、2泊3日旅プラン」。March 14, 2025
台湾好きのあの人はどんな旅をしてる? アートや建築、歴史文化を巡ったり、屋台ごはんからスイーツまで豊かな食文化に触れたり。台北以外にも台中、台南へのショートトリップなど、6人の台湾通に、2泊3日を満喫する自分だけの旅プランを教えてもらった。

現地の日用品に出合う、ローカル市場巡り。
台中や台南は食文化や暮らしの中にさまざまな時代や国の要素が残っていて、市場巡りが楽しいエリアです。初日は台北に近い新竹に立ち寄って、名物の米粉100%の極細ビーフンを。新竹は清朝時代に大陸から渡来した漢民族、客家(ハカ)の文化が色濃く残る場所で、新竹中央市場では客家の人々が作る料理や調味料に出合えます。一角にある『新竹都城隍廟(シンズートゥーツェンホワンミアオ)』の周囲は大きな屋台村になっていて、食べ歩きも楽しい。手作りのアイスキャンディを売る『814冰棒大同冰店(パーイースーピンバンダートンピンディエン)』ではアイス作りの工程が見られますが、その様子がレトロで愛らしい。夕方には台中に移動して、翌日も市場巡りへ。ローカル色が強いのは第三市場と東興市場で、ベトナムなど東南アジアからの移民が多く、バインミーなど本場顔負けの料理も食べられます。市場の中には生活用品を扱う店もあって、地元民愛用のステンレス製の保存容器や屋台でおなじみのメラミン食器など、台湾らしいキッチン用品がずらり。東興市場に近い『大台中五金百貨東興店(ダータイツォンウーチンバイフオトンシンディエン)』も日用品の宝庫です。『台中市眷村文物館(タイツォンチュエンツンウェンウーグワン)』はかつて軍人が暮らした村を公開する施設ですが、当時の食器などが販売されていて、掘り出し物も。最終日は日本統治時代の面影を残す嘉義へ移動して、東市場近くの古い商店街でキッチン道具を見て回ります。嘉義名物の七面鳥を使った鶏肉飯をいただいて台北へ。各地のローカル市場からパワーをもらい、たくさんの日用品とともに帰国します。
My Taiwan Trip Plan口尾麻美さんの2泊3日台湾旅プラン。
1日目
12:00
台北松山空港から電車で新竹駅へ。
13:30
新竹中央市場近くにある『邱家鴨肉麵(チョウチア ヤーロウミエン)』(新竹)で新竹名物の鴨肉がのった汁ビーフンを食べる。
13:45
新竹中央市場内にある『老陳家中央市場糯米水餃(ラオツェンチアツオンヤンスーツァンヌオミースェイチアオ)』(新竹)で糯米餃(ヌオミーチアオ)と餛飩綜合湯(フントゥンツォンフータン)を食べる。
14:15
客家の人々が作る自家製の醬や紅麹のおこわなどを買い、市場散策。
16:30
『新竹都城隍廟』(新竹)に移動し、屋台を見て回る。『814冰棒大同冰店』(新竹)でレトロなアイスキャンディを食べる。
18:00
新竹駅に移動し、電車で台中駅へ。
20:30
忠孝路觀光夜市にある『明倫蛋餅(ミンルンタンピン)』(台中)で蛋餅を食べる。余裕があれば黒輪(おれん)(台湾風おでん)も軽く食べる。
22:00
台中のホテル泊。
2日目
09:00
『英才大麺羹(インツァイダーミエンゲン)』(台中)で朝食。太麺をふにゃふにゃになるまで煮込んだ台中のソウルフード・大麺羹を食べる。
10:00
台中第二市場近くにある屋台『天天饅頭(ティエンティエンマントウ)』(台中)で揚げ饅頭を食べる。小豆餡が入ったあんドーナツのようなスイーツで、揚げたて熱々を出してくれる。
11:30
台中第三市場に移動し、ベトナム人が営む屋台でバインミーを食べる。市場内の雑貨店で食器や調理道具を見る。
13:00
東興市場へ移動し、ローカルな日用品を探す。
14:00
『大台中五金百貨東興店』(台中)でキッチン用品を探す。
15:30
豐原廟東夜市(台中)で食べ歩き。『廟東清水排骨麵(ミャオトンチンスェイパイグーミエン)』で排骨麺、『廟東川代菱角酥(ミャオトンリンチアオスー)』でひしの実をふかしたお菓子、菱角酥を食べる。デザートに『金樹冰果室(チンシューピングオスー)』でパイナップルシロップをかけたかき氷やジュースを。
17:00
『臺中市眷村文物館』(台中)で眷村の文化に触れる。ヴィンテージ食器やレトロ雑貨の販売があるのでチェック。
19:00
『洪瑞珍(ホンレイゼン)』(台中)で夕食のサンドイッチをテイクアウト。
21:00
台中のホテル泊。
3日目
06:00
ホテルをチェックアウトし台中駅へ。台湾高速鉄道で嘉義駅へ。
08:00
嘉義市内の東市場内(嘉義)で朝ごはん。『蕭家春捲(サオチアチュンチュエン)』で潤餅(ルンビン)、『袁家筒仔米糕排骨酥(ユエンチアトンツァイミーガオパイグースー)』で米糕(ミーガオ)や排骨湯(パイクータン)を食べる。余裕があれば『嘉義王媽媽牛雑湯(チアイーワンマーマーニョウザータン)』で牛もつスープも食べる。
10:00
東市場近くの古い商店街で日用品を見て回る。
11:30
ランチは『劉里長雞肉飯(リョウリーツァンチーロウファン)』(嘉義)でローカルフードである七面鳥の鶏肉飯と牡蠣のスープを。
13:00
『台灣花磚博物館(タイワンホワツワンポーウーグワン)』(嘉義)でマジョリカタイルを鑑賞。
15:30
嘉義駅から高速鉄道で台北駅着。台北松山空港へ。
口尾麻美 Asami Kuchio料理研究家・フォトエッセイスト
世界を旅しながら各地の食文化をベースにした料理を軸にレシピを提案。東京で各国料理とナチュラルワインの店『HAN』も営む。著書に『飯麺湯 台湾小吃どんぶりレシピ 食堂、屋台、夜市で食べる小腹メシ。』(グラフィック社)など多数。
illustration : Harper Ouk(vision track) text : Yuriko Kobayashi edit : Chizuru Atsuta cooperation : Fumi Yoshida,Mari Katakura