&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート。

春野菜にハーブを合わせて、軽やかな洋食を。渡辺有子の料理教室3年目3月March 14, 2026

料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。3年目3月のテーマは、「春野菜とハーブの洋食」。3つのレシピを紹介します。

春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月
新ジャガ、新玉ネギ、グリーンピースなどの春野菜にハーブを合わせて、軽やかな洋食を作りましょう。卵には山盛りのスナップエンドウを。

春野菜とハーブの洋食。

先生:3月になって、マーケットでも春野菜をたくさん見かけるようになりましたね。

生徒:新ジャガに新玉ネギ。見つけるとすぐに買っちゃいます

先生:今日はスペシャルな卵料理もあるの。

生徒:ワオ。それは一体なんですか?

先生:その名も「濃厚スクランブルエッグ」。スクランブルエッグって、本来は湯煎して作るものなのだけど、今日はフライパンで。味の深さやコクを再現しようと思います。

生徒:熱々のフライパンに卵液を流し入れてひと混ぜ……じゃないんですね!

先生:それもおいしい。でも今日は、とっておきバージョンでいきますよ〜。

生徒:まずはスナップエンドウの下準備を。筋を取ってから2分茹で、ザルに広げて冷まします。粗熱が取れたらサヤを開きましょう。次にボウルに卵を割りほぐし、塩を加えてよく溶きます。作り方は、トロッとした卵ソースを作るようなイメージです。フライパンにバターを溶かして卵を流し入れ、ゴムベラでゆっくり混ぜながら、30〜35分かけて煮詰めていくように火を入れましょう。高温になると固まってしまうので、時々濡れ布巾にフライパンの底をあてて温度調節してください。

先生:なんと! 30分も!?

生徒:その時間をかける意味があるから、出来上がりを楽しみにしていてね。

-30分経過-

先生:さあ、とろみがついて、卵がまとまってきたら完成よ。お皿に卵とスナップエンドウをのせて、上からオリーブオイルをかけて、レモンの皮とディルを散らします。

生徒:今もう食べたいですっ。

先生:もちろん。出来たてを食べてほしい料理ですので。

生徒:むむむ。これは滋養のひと皿ですね。卵の旨味が詰まった元気になる味。

先生:いいでしょう?

生徒:卵3個がご馳走に変身しました!

先生:味見が終わったら「ハニーマスタードポテト」を作りますよ。小ジャガイモは皮付きのまま蒸し器で20分ほど蒸します。軟らかく蒸し上がったらボウルに入れて、木ベラなどで軽く押します。粒マスタード、ディジョンマスタード、ハチミツ、赤ワインビネガー、粗塩を加えて和えて、黒胡椒を挽き、チャービルの葉を加えて混ぜたら完成です。

生徒:なんて簡単なのだ〜。あら、マスタードは2種類使うんですか?

先生:オイルを使わない分、粒とは別にディジョンマスタードのクリーム感が欲しいの。

生徒:全体をまとめる役割なんですね。

先生:まさに。最後は「鯛のムニエル グリーンピースミントバター」のソースから。新玉ネギは1㎝角に切って、グリーンピースはサヤから出します。小鍋にバターを溶かし、新玉ネギを弱火で炒めてグリーンピースを加えます。粗塩をふって混ぜ、白ワイン、水を加えたらフタをし、弱火で10分蒸し煮にします。鯛は塩をふって5分おき、ペーパーで水気を拭き取ります。塩、白胡椒をふって薄力粉を薄くはたき、フライパンにオリーブオイルを熱して鯛を中火で両面焼き、皮にナムプラーをかけてお皿にのせます。温めたソースにミントの葉を加え、鯛にかけて召し上がれ。

生徒:春は鯛までひと味違う〜。

1.鯛のムニエル グリンピースミントバター

春野菜にハーブを合わせて、軽やかな洋食を。渡辺有子の料理教室3年目3月
春野菜にハーブを合わせて、軽やかな洋食を。渡辺有子の料理教室3年目3月新玉ネギを炒め、透き通ってきたらグリ ーンピースを加えるタイミング。 | 新玉ネギを炒め、透き通ってきたらグリーンピースを加えるタイミング。
新玉ネギを炒め、透き通ってきたらグリーンピースを加えるタイミング。
春野菜にハーブを合わせて、軽やかな洋食を。渡辺有子の料理教室3年目3月。薄力粉を薄くはたいた鯛をカリッと焼き、皮にナムプラーをかけて仕上げる。 | 薄力粉を薄くはたいた鯛をカリッと焼き、皮にナムプラーをかけて仕上げる。
薄力粉を薄くはたいた鯛をカリッと焼き、皮にナムプラーをかけて仕上げる。

    〈材料〉2人分

    真鯛(切り身)… 2切 
    新玉ネギ…1/2個 
    グリーンピース…200g(正味100g) 
    ミント…1/2パック 
    バター…15g 
    粗塩…ふたつまみ 
    白ワイン…20㎖ 
    オリーブオイル…大さじ1
    水…20㎖ 
    塩…適量
    白胡椒…適量
    薄力粉…適量 
    ナムプラー…小さじ1/4

    〈作り方〉
    1.ソースを作る。新玉ネギは1㎝角に切り、グリーンピースはサヤから出す。

    2.小鍋にバターを溶かし、新玉ネギを弱火で炒めて透き通ってきたらグリーンピースを加えて粗塩をふり、ざっと混ぜて白ワイン、水を加えてフタをし、弱火で10分、蒸し煮にする。

    3.鯛は塩をふって5分ほどおいて、水気をペーパーで拭く。さらに軽く塩、白胡椒をふり、薄力粉を薄くはたく。

    4.フライパンにオリーブオイルを熱し、鯛を中火で両面焼く。皮にナムプラーをかけて皿にのせる。

    5.2のソースを温め、ミントの葉を加え、4の上にたっぷりかける。

2.ハニーマスタードポテト

春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月
春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月。蒸した小ジャガイモは木ベラで軽く潰し、熱いうちに調味料を加えて和える。 | 蒸した小ジャガイモは木ベラで軽く潰し、熱いうちに調味料を加えて和える。
蒸した小ジャガイモは木ベラで軽く潰し、熱いうちに調味料を加えて和える。
春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月。小ジャガイモは、十分に蒸気の上がった蒸し器でふっくらと軟らかく蒸す。 | 小ジャガイモは、十分に蒸気の上がった蒸し器でふっくらと軟らかく蒸す。
小ジャガイモは、十分に蒸気の上がった蒸し器でふっくらと軟らかく蒸す。

    〈材料〉2~3人分

    新ジャガ(小ジャガイモ…12個 
    ハチミツ…大さじ1  
    粒マスタード…大さじ1
    ディジョンマスタード…大さじ1  
    赤ワインビネガー…小さじ1  
    粗塩…適量 
    黒胡椒…適量 
    チャービル…3本

    〈作り方〉
    1.小ジャガイモは洗い、皮付きのまま、蒸気の上がった蒸し器で20分ほど軟らかめに蒸す。ボウルに入れて木ベラやスプーンの背で軽く押して割れ目を作っておく。

    2.粒マスタード、ディジョンマスタード、ハチミツ、赤ワインビネガー、粗塩を加えて全体を和え、黒胡椒をたっぷりと挽き、チャービルの葉を加えてさっと混ぜる。

3.濃厚スクランブルエッグ

春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月
春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月。濡れ布巾で冷まし、ゆっくり火を通してソース状のスクランブルエッグを作る。 | 濡れ布巾で冷まし、ゆっくり火を通してソース状のスクランブルエッグを作る。
濡れ布巾で冷まし、ゆっくり火を通してソース状のスクランブルエッグを作る。
春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月。スナップエンドウは食感を残すために茹で時間は2分。水気をきり、サヤを開く。 | スナップエンドウは食感を残すために茹で時間は2分。水気をきり、サヤを開く。
スナップエンドウは食感を残すために茹で時間は2分。水気をきり、サヤを開く。

    〈材料〉2人分

    卵… 3個 
    スナップエンドウ… 8本 
    バター… 5g 
    オリーブオイル…少々 
    ディル… 1~2本 
    レモンの皮…少々 
    塩…ひとつまみ

    〈作り方〉
    1.スナップエンドウは筋を取り、2分茹でてザルに広げて手早く冷まし、サヤを開いておく。

    2.ボウルに卵を割りほぐし、塩を加えてさらによく溶く。フライパンにバターを弱火で溶かし、卵を流し入れる。ゴムベラでゆっくり全体を混ぜながら、30~35分かけて煮詰めていくように火を入れる。途中、濡れ布巾にフライパンの底をあてながら、一気に火が入らないようにする。卵にとろみがつき、まとまってきたら火を止める。

    3.皿に2を盛り、スナップエンドウをのせる。スナップエンドウの上にオリーブオイルをかけ、レモンの皮とディルを散らす。

春野菜とハーブの洋食。渡辺有子の料理教室3年目3月。バターと相性のいいミントの葉を温かいソースに加え、カリッと焼いた鯛の上にたっぷりかけたら出来上がり。
バターと相性のいいミントの葉を温かいソースに加え、カリッと焼いた鯛の上にたっぷりかけたら出来上がり。
渡辺有子

渡辺有子先生

わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

吉田直子

吉田直子生徒

よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。

photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida

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