&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート。

“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目2月February 14, 2026

料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。3年目2月のテーマは、「"香のもの"を生かした冬の中華」。3つのレシピを紹介します。

"香のもの"を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2
甘味をしっかり蓄えた白菜は香り漬けに。万能ネギをたっぷり入れた薄餅、ショウガと干し椎茸で作る滋味深いスープで元気に。

"香のもの"を生かした冬の中華。

先生:お節料理を食べていたと思ったら、あっという間に2月になりましたね。

生徒:食い倒れていたお正月が、遠い昔のことのようです……。

先生:今、仕事と家事に奮闘する女性たちが食べたいものって何でしょう。

生徒:1月から突っ走ってきましたから、食べることでホッとしたいです。ついでに健康維持もしたいです。

先生:あらぁ欲張ってる。そんな気持ちにぴったりであろう、香りのいい中華のレシピを考えてきましたよ。

生徒:さっそく教えてください!

先生:ではまず「白菜の香り漬け」からいきましょう。白菜は葉と芯に分けて切り、それぞれボウルに入れ、塩を半量ずつふってなじませて、30分ほど置いたら水気をきりましょう。次に酢、きび砂糖、醤油を合わせたものをかけて再びなじませます。

生徒:葉と芯を分けるんですか?

先生:食感の違いを楽しんでもらいたくて。時間のないときは、分けずにまとめて作ってもいいの。さて、小さなフライパンか小鍋に、胡麻油、花椒、赤唐辛子を入れて弱火にかけましょう。弱火でゆっくり香りと辛味をうつすのが大切です。花椒の周りの油がホワホワしてきたら火を止め、熱いうちに半量ずつ油をまわしかけて、全体を和えましょう。

生徒:熱々の油をジャーッとする瞬間がたまりませんね。食欲をそそるいい香り。

先生:出来たてを食べてもいいですが、保存袋に入れて、冷蔵庫で半日以上寝かせるとさらにおいしくなりますよ。さあ、つづいて「シラスとネギの薄餅」を作りましょう。

生徒:ぐうう。レシピ名でお腹が鳴りました。

先生:今日は粉の扱い方を覚えて帰ってね。

生徒:(麺棒を片手に)はいっ。

先生:ボウルに強力粉ときび砂糖を入れ、水を加えてひとつにまとめ、生地の入ったボウルにふわりとラップをかけ、冷蔵庫で休ませます。万能ネギは小口切り。麺棒と台に打ち粉をして、生地を麺棒で薄くのばしてラードを全体に塗ります。万能ネギ、シラス、白胡麻を散らして粗塩をふりましょう。生地は細く巻き、いったん筒状に。それを渦巻きにして、麺棒で押さえて薄くのばします。

生徒:(麺棒を両手に)ぐいぐい。

先生:直子さん、麺棒は必ず両サイドを押さえて使ってね。生地がちぎれるので、端っこまでのばさないのがコツよ。フライパンは、生地がつかないようによく熱して。胡麻油をひいたら、生地をのせて強火で焼き目をつけて裏返し、フタをして弱火で6分30秒焼きましょう。フタを取って、さらに返して、パリッとなるように中火で2分焼きますよ。

生徒:これで両面いい焼き色に〜。

先生:最後は「細切り野菜と豆腐のスープ」よ。干し椎茸とキクラゲはお湯で10分ほど戻します。干し椎茸は薄切り、絹豆腐は4等分にしてから薄切り、ほかの具は細切りに。鍋に胡麻油を熱したら、ショウガ、豚バラ肉、干し椎茸を中火強で炒め、長ネギ、筍、キクラゲも入れて炒めお湯を注ぎます。フツフツしてきたら、3〜4分煮て、酒、醤油、塩を加え、水溶き片栗粉でとろみをつけて、崩れやすい豆腐を最後に入れます。豆腐で味が薄まるので、塩で味を調えて仕上げてくださいね。

生徒:ショウガと長ネギ、切らしません!

1.白菜の香り漬け

“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 白菜は葉と芯に分けてそれぞれ切り、塩をなじませ食感の違いを出す。
白菜は葉と芯に分けてそれぞれ切り、塩をなじませ食感の違いを出す。
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 熱々の胡麻油をまわしかけると、味のなじみがよくなる。
熱々の胡麻油をまわしかけると、味のなじみがよくなる。

    〈材料〉作りやすい分量

    白菜…小1/4個 
    塩…大さじ1  
    酢…90㎖ 
    きび砂糖…大さじ2  
    醤油…大さじ2  
    胡麻油…大さじ3  
    花椒…小さじ2  
    赤唐辛子… 2本

    〈作り方〉
    1.白菜は葉と芯に分けて、それぞれ2~3等分の長さに切り、葉はざく切り、芯は縦1㎝幅に切る。それぞれボウルに入れ、塩を分量の半量ずつふり、30分ほど置いてなじませる。

    2.酢、きび砂糖、醤油を合わせておく。

    3.ザルで1の水分をきり、それぞれボウルに戻し、2の合わせ酢を半量ずつ加えて和え、なじませる。

    4.小さなフライパンか小鍋に、胡麻油、花椒、種を取った赤唐辛子を入れて弱火にかけ、小さな泡が出て香りがたってきたら火を止めて、熱いうちに3に半量ずつまわしかけ、全体を和える。

    5.保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫で半日以上なじませる。

2.シラスとネギの薄餅

“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 具をのせて細い筒状にした生地を渦巻き状にしたら端を生地にしっかりつける。
具をのせて細い筒状にした生地を渦巻き状にしたら端を生地にしっかりつける。
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 渦巻き状にした生地を麺棒で押さえて、直径22㎝の円形になるよう薄くのばす。
渦巻き状にした生地を麺棒で押さえて、直径22㎝の円形になるよう薄くのばす。

    〈材料〉作りやすい分量(直径22㎝ 1枚分)

    シラス…30g 
    万能ネギ… 5本 
    強力粉…100g 
    きび砂糖…小さじ2  
    水…60㎖ 
    ラード…20g 
    白胡麻…10g 
    粗塩…適量 
    胡麻油…小さじ2

    〈作り方〉
    1.ボウルに強力粉ときび砂糖を入れ、水を加えて生地をひとまとめにし、ラップをして冷蔵庫で20~30分休ませる。万能ネギは小口切りにする。

    2.打ち粉をして生地を麺棒で薄くのばし、ラードを全体に塗る。万能ネギ、シラス、白胡麻を散らして粗塩をふる。具をのせた生地を手前からクルクル巻いて細い筒状に。これを上から見て渦巻きになるよう、端から巻いて円形に。麺棒で押さえ、フライパン大にのばす。

    3.フライパンをよく熱して胡麻油をひき、2をのせて強火で焼き目をつけて裏返し、フタをして弱火で6分30秒焼く。フタを取り、さらに返して、パリッとなるように中火で2分焼く。

    ※お好みで甜麺醤を添えて。

3.細切り野菜と豆腐のスープ

“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 具材をしっかり炒めた後に湯を注ぐことで、それぞれの旨味を十分に引き出す。
具材をしっかり炒めた後に湯を注ぐことで、それぞれの旨味を十分に引き出す。
“香のもの”を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2 | 薄切りにした絹豆腐は崩れやすいので、最後に加えてさっと温める。
薄切りにした絹豆腐は崩れやすいので、最後に加えてさっと温める。

    〈材料〉2〜3人分

    豚バラ肉…60g 
    干し椎茸… 3枚 
    長ネギ…1/2本 
    筍…50g 
    キクラゲ(乾燥)… 3g 
    絹豆腐… 1丁(250g) 
    ショウガ… 1かけ 
    湯…700㎖ 
    酒…大さじ1  
    醤油…小さじ2  
    塩…小さじ1/4強 
    胡麻油…適量 
    片栗粉…小さじ2

    〈作り方〉
    1.干し椎茸とキクラゲは湯(分量外)に10分ほど浸して戻し、水気をきる。干し椎茸は石づきを取って薄切りにする。豚バラ肉、キクラゲ、ショウガは細切りに。長ネギ、筍は長さ5 ㎝の細切りにする。

    2.絹豆腐はペーパーで水気をきって4等分に切り、1㎝幅の薄切りにする。

    3.鍋に胡麻油を熱して、ショウガ、豚肉、干し椎茸を中火強で炒め、長ネギ、筍、キクラゲも加えてしんなりするまでよく炒め、湯を注ぐ。フツフツしてきたらそのまま3~4分煮て、酒、醤油、塩を加える。

    4.片栗粉を倍量の水で溶いたものでとろみをつけ、2の絹豆腐を加え、豆腐を崩さないように1分ほど温める。味を見て足りなければ塩で調える。

"香のもの"を生かした冬の中華。渡辺有子の料理教室3年目vol.2
薄餅は生地を薄くのばし、スープは具材を切り揃えることがコツ。「白菜は芯より葉がよく漬かるので、ご飯のお供、おつまみと分けて楽しんでも」
渡辺有子

渡辺有子先生

わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

吉田直子

吉田直子生徒

よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。

photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida

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