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「25歳の冒険心と舞台への挑戦」。 俳優・河合優実さんが語る、3年半ぶりの舞台作品『私を探さないで』。August 29, 2025

「25歳の冒険心と舞台への挑戦」。 俳優・河合優実さんが語る、3年半ぶりの舞台作品『私を探さないで』。

みずみずしく鮮烈な印象を残す演技と佇まいで大ブレイク中の俳優・河合優実さん。数々の話題作に引っ張りだこの彼女が、2025年10月、約3年半ぶりの舞台作品に出演する。M&Oplaysプロデュース『私を探さないで』(岩松了作・演出)は、今年25歳を迎える河合さんにとって念願であり、さまざまな縁を感じさせる作品なのだそう。

生の舞台は、表現することの原点でありライフワーク。

自分の表現の原点に、ダンスや演劇などのパフォーミングアーツがあると語る河合さん。

「子どもの頃からダンスを習っていて、その体験が表現する世界への入口になりました。ステージで生の姿を見てもらうことは、私が感じた最初の憧れ。そしてずっと続けていきたいことでもあります。全員で一緒にひとつひとつのシーンを磨く稽古の時間が好きなんです」

特に本作で演出を手がける岩松了さんは憧れの存在。観客として作品に触れ、いつか絶対岩松さんの舞台を経験したいと数年前の日記に綴っていたほど。

「座組の一員になれるだけですごく嬉しくて、稽古と本番で得たものは全部持って帰りたい! という気持ちで自然と力が入ります。岩松さんの作品は難解だといわれることもあるけれど、客席にいて“一斉に意識が共有される感覚”がある。鳥肌が立つところ、笑うところ、岩松さんが狙うポイントは的確に伝わってくるのだと思います。言葉だけで綴られた戯曲だけでも強度があるんですよね。謎を解き明かすように、能動的な感覚で楽しんでいただきたいです」

「25歳の冒険心と舞台への挑戦」。 俳優・河合優実さんが語る、3年半ぶりの舞台作品『私を探さないで』。

舞台のベースは、ミステリアスなミルハウザーの短編。

舞台『私を探さないで』のストーリーは、スティーブン・ミルハウザーの『イレーン・コールマンの失踪』(柴田元幸訳『十三の物語』(白水社)所収)という短編から発想されたもの。読書家の河合さんは、すぐにピンと来たのだそう。

「舞台のお話をいただいたとき、ちょうど翻訳者の柴田元幸さんと村上春樹さんの対談集『本当の翻訳の話をしよう』(新潮社)を読んでいました。すごく興味深い内容で、物語を語る側に立つ自分の愛読書になったので、柴田元幸さんの表現される『イレーン・コールマンの失踪』をこれから読むのが楽しみです。また、岩松さんが小説などの既存の作品を原案にして執筆されることもあまりないことかなと思うので、その点も台本を待ちながらワクワクしています」

河合さんが本作で演じる役は、失踪した少女・三沢晶。彼女の“不在”と“実在”が、高校時代の同級生である主人公・古賀アキオ(勝地涼)と、当時の担任教師・大城ユイ子(小泉今日子)のふたりの過去と現在に影を落とす、ミステリアスな役回りだ。岩松氏は「河合優実という女優が、この失踪者であると思った時、私の中でドラマが動き始めたのは、ふと姿を消し我々を不安に陥れる何かを彼女の中に見たからでしょう」とコメントしている。これに応えて河合さんは言う。

「思いもよらないお言葉でプレッシャーも感じていますが、期待に応えたいと思っています。苦い経験や負の感情、自分で見つめたくない嫌なところって、誰にでもあるでしょうし、私にもある。失踪者・三上晶とその周辺の人間関係を描くにあたり、役者としては、そんなネガティブな部分と向き合うことになるかもしれないなと思っています」

「25歳の冒険心と舞台への挑戦」。 俳優・河合優実さんが語る、3年半ぶりの舞台作品『私を探さないで』。

25歳を迎える今。多面的な魅力の秘密。

さまざまなクリエイターにインスピレーションを抱かせ、多岐にわたる作品でオファーが殺到中の河合さん。そのさなかで彼女自身が感じていることを尋ねた。

「表現者として、ずっと根っこにあるのは“好き”という感情。根本的に、人に笑ってもらうとか、驚いてもらうとか、そういうことが楽しいんです。自然と好奇心の幅も広く持っているし、自分が見せる側面というものも1個に定まらない方が楽しいな、と感じています。この先ずっと1人でいるかわからないし、家族を持ちたいと思うかもしれない、そう考えると、25歳を迎える今は自分1人のために冒険できる時間。今回の舞台もそうですし、朝ドラのような長い現場や、海外での経験など、自由に自分が吸収できるものを、今のうちにたっぷり実行していきたいと思っています」

For Better Life
「ベターライフのために大切にしていることはありますか?」

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&Premiumが大切にしている「Better Life(より良き日々)」。それを叶えるためのヒントを河合優実さんに聞いてみました。

「読書」:表現をする仕事をするうえで、私の感性に日々欠かせない栄養を与えてくれるものです。川上未映子さんの小説『夏物語』(文藝春秋)は何度も読み返すとても大切な物語。ベランダで気持ちのいい風に吹かれながらの読書の時間が、理想のシチュエーションです。

Stage InformationM&Oplaysプロデュース『私を探さないで』

作・演出/岩松了
出演/勝地 涼、河合優実、小泉今日子、他。

東京公演
期間:2025年10月11日(土)〜11月3日(月)
会場:本多劇場(東京都)

大阪公演
期間:2025年11月6日(木)〜11月10日(月)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

その他、富山、愛知、広島、岡山公演あり。

詳しくはこちらから

河合優実 Yuumi Kawai俳優

2000年生まれ、東京都出身。2019年デビュー。2024年、主演映画『あんのこと』『ナミビアの砂漠』で各映画賞を受賞。ドラマ『不適切にもほどがある!』『連続テレビ小説 あんぱん』への出演でも注目を集める。最新出演映画『旅と日々』(三宅唱監督)は11月7日公開。

photo : Kazuho Maruo styling:Mayu Takahashi hair & make up:Aya Murakami text : Azumi Kubota

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