BOOK 本と言葉。
お正月のお供に。画家・内田有美さんが文と絵を手がけた絵本『おせち』が刊行。December 13, 2024
お重に詰まったひとつひとつの料理、その意味を楽しく学ぶ。
家族の健康と幸せを祈り、正月に食するおせち料理。数の子、黒豆、かまぼこ⋯⋯などなど、昔から変わらずお重に詰められる料理には、古より込められてきた願いや由来がある。今年11月に刊行された絵本『おせち』(福音館書店)は、そんな料理の意味を丁寧に紐解く一冊だ。絵と文を手がけたのは、本誌の表紙やトビラ絵も担当する画家・イラストレーターの内田有美さん。料理研究家の満留邦子さんがこの本のために作ったおせちを描き起こしたという絵は、写真のように精緻なタッチで、色とりどりで規則的に並ぶお重の魅力を美しく表現している。文章は読み聞かせたくなるリズミカルな内容。監修は和文化研究家の三浦康子さんが担当した。
慣れ親しんだ料理の意味を改めて知り、日本の伝統食の魅力を目で味わう。大人でも学びになる内容は、年の初めに親子で読むのにぴったりの一冊だ。家族でおせち料理を囲む幸せな時間のお供に、ぜひ手に取ってほしい。
BOOK INFORMATIONおせち
著者:文・絵 内田有美、料理 満留邦子、監修 三浦康子
版元:福音館書店
定価:1,100円 (税込)
仕様:20×27cm、32ページ、ハードカバー
内田有美画家、イラストレーター
神奈川県生まれ。デザイン事務所勤務後、フリーランスで活動。雑誌や書籍、広告などのほか個展での作品発表も行う。本誌での直近の仕事は、2025年1月号「カフェと音楽」特集のトビラ絵。