作家の故郷・宮崎県の土をベースに表現される、”自由な焼きもの”。「荒川真吾展」うつわ祥見 onariNEARこの週末、買いに行きたい器。 vol.2 ／ November 11, 2021

毎週末、日本各地で行われる器の展示のなかから注目の催しを紹介。11月13日（土）〜14日（日）の週末は、鎌倉駅前の商店街に構える『うつわ祥見 onariNEAR』で行われる、「荒川真吾展」（会期は11月13日〜22日）へ。

　地元・宮崎県に工房を構え、その土をベースに作陶を行う荒川真吾さん。野性味と繊細さとが同居した作品たちは、作家自身の豊かな引き出しから生み出される。釉薬の組み合わせのバリエーションはさることながら、近年は絵付や文様を加えた作品も。素材と技法とをこだわりぬいた器たちは、ひとつとして同じもののない、存在感のある表情が魅力だ。技法を重ねてもなお、土そのものの個性を感じる仕上げからは、手に取ってみたい、使ってみたいと思わせる温かみも同居する。
　荒川さんは、岡山県・備前で陶芸家の隠崎隆一に師事したのちに独立。2017年、最初に個展を開いたのが『うつわ祥見 onariNEAR』だった。毎年回を重ねてきたこの場所に、今年も荒川さんの様々なバックグラウンドと技法が詰まった”自由”な作品たちが並ぶ。惚れ惚れする器に出合いに、鎌倉まで足を運びたい。