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ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編March 01, 2026

韓国・ソウルの昔ながらの風景が残る街に、センス溢れる個人店が増えている城北洞(ソンブクドン)を紹介。この地でライフスタイルショップ『GOOD MORNING GENERAL STORE』を営むシン・ヒョナさんに案内してもらった。この記事は前編です。後編はこちらから。

城北洞 성 북 동/ソンブクドン

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 漢陽都城(朝鮮王朝の城壁)を眺めつつ、のんびり散歩するのもいい。
漢陽都城(朝鮮王朝の城壁)を眺めつつ、のんびり散歩するのもいい。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 山の麓に位置するエリアなので、坂道も多め。街の景観も美しい。
山の麓に位置するエリアなので、坂道も多め。街の景観も美しい。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 案内人シン・ヒョナさんの店『『GOOD MORNING GENERAL STORE』で扱う日用品は、店主夫妻が実際に愛用しているものばかり。
案内人シン・ヒョナさんの店『『GOOD MORNING GENERAL STORE』で扱う日用品は、店主夫妻が実際に愛用しているものばかり。

1.澗松美術館 간송미술관/カンソンミスルグァン

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | モダニズム様式の建物は国家登録文化遺産に指定され、補修と復元を経て現在の姿に。内観もクラシカルな美しさ。
モダニズム様式の建物は国家登録文化遺産に指定され、補修と復元を経て現在の姿に。内観もクラシカルな美しさ。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 1446年公布のハングル創
製の目的や使用法をまとめた「訓民正音解例本(フンミンジョンウムヘレボン)」の原本や、巨匠による風俗画や書画も多数所蔵。
1446年公布のハングル創 製の目的や使用法をまとめた「訓民正音解例本(フンミンジョンウムヘレボン)」の原本や、巨匠による風俗画や書画も多数所蔵。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 1446年公布のハングル創
製の目的や使用法をまとめた「訓民正音解例本(フンミンジョンウムヘレボン)」の原本や、巨匠による風俗画や書画も多数所蔵。
1446年公布のハングル創 製の目的や使用法をまとめた「訓民正音解例本(フンミンジョンウムヘレボン)」の原本や、巨匠による風俗画や書画も多数所蔵。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 鴨が蓮の茎をくわえる姿を表した「青磁鴨形硯滴
」。
鴨が蓮の茎をくわえる姿を表した「青磁鴨形硯滴 」。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 高麗青磁も、量と質ともに韓国有数。
高麗青磁も、量と質ともに韓国有数。

Shop Data ▷성북구 성북로 102‒11/102‒11, Seongbuk‒ro, Seongbuk‒gu 10:00~18:00 月休 Instagram@kansongart 定期展示は春と秋の年2 回。

2.チェ・スヌ旧宅 최순우 옛집/ チェスヌ イエッチッ

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 1930年代の近代韓屋。地域開発による取り壊しの危機にあったが「ナショナルトラスト市民文化遺産」となり回避された。
1930年代の近代韓屋。地域開発による取り壊しの危機にあったが「ナショナルトラスト市民文化遺産」となり回避された。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 窓枠や韓紙を張った床など、伝統的な意匠や木製家具、白磁の壺なども見どころ。陶磁器、工芸品や民芸品にも関心を寄せ、国立中央博物館の館長を務めたチェ・スヌの審美眼が感じられる。
窓枠や韓紙を張った床など、伝統的な意匠や木製家具、白磁の壺なども見どころ。陶磁器、工芸品や民芸品にも関心を寄せ、国立中央博物館の館長を務めたチェ・スヌの審美眼が感じられる。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 窓枠や韓紙を張った床など、伝統的な意匠や木製家具、白磁の壺なども見どころ。陶磁器、工芸品や民芸品にも関心を寄せ、国立中央博物館の館長を務めたチェ・スヌの審美眼が感じられる。
窓枠や韓紙を張った床など、伝統的な意匠や木製家具、白磁の壺なども見どころ。陶磁器、工芸品や民芸品にも関心を寄せ、国立中央博物館の館長を務めたチェ・スヌの審美眼が感じられる。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 木や花が植えられた庭を囲むように、ロの字に建てられているのが特徴的。
木や花が植えられた庭を囲むように、ロの字に建てられているのが特徴的。

Shop Data ▷성북구 성북로 15길 9/9, Seongbuk‒ro 15‒gil, Seongbuk‒gu 10:00~17:00 日月休 Instagram@choisunu_house 12~3月休館。

3.寿硯山房 수연산방/スヨンサンバン

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 五味子茶やナツメ茶のような伝統茶と、それに合う餅菓子や薬菓(ヤックァ)、ピンスなどが楽しめる。国産の良質な材料を使い、甘さ控えめ。
五味子茶やナツメ茶のような伝統茶と、それに合う餅菓子や薬菓(ヤックァ)、ピンスなどが楽しめる。国産の良質な材料を使い、甘さ控えめ。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 庭に設けられた席も人気。
庭に設けられた席も人気。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 建物はほぼ改修されておらず、当時に限りなく近い形で残されている。ここで執筆活動をしていた小説家イ・テジュンが残した本や写真などの調度品も飾られている。
建物はほぼ改修されておらず、当時に限りなく近い形で残されている。ここで執筆活動をしていた小説家イ・テジュンが残した本や写真などの調度品も飾られている。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 瓦屋根と格調高い木の扉の門をくぐり入店する。
瓦屋根と格調高い木の扉の門をくぐり入店する。

Shop Data ▷성북구 성북로 26길 8/8, Seongbuk‒ro 26‒gil, Seongbuk‒gu 11:30~18:00(土日~22:00) 月火休 Instagram@sooyeonsanbang

4.チェクボニャン 책보냥

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 主に猫にまつわる本を扱う独立系書店。リトルプレスを扱う独立系書店のなかでも、2020年にオープンした草分け的存在。座って読める席もある。
主に猫にまつわる本を扱う独立系書店。リトルプレスを扱う独立系書店のなかでも、2020年にオープンした草分け的存在。座って読める席もある。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 入店する際はチャイムを押して、風雅な門が開くのを待つ。
入店する際はチャイムを押して、風雅な門が開くのを待つ。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 世界中から集めた猫の本や雑貨が所狭しと並び、リトルプレスも豊富に揃う。
世界中から集めた猫の本や雑貨が所狭しと並び、リトルプレスも豊富に揃う。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | 店主の愛猫2匹も在店している。
店主の愛猫2匹も在店している。

Shop Data ▷성북구 성북로 10가길 21/21, Seongbuk‒ro 10ga‒gil,Seongbuk‒gu 13:00~19:00 月火水休 Instagram@chaekbonyang

5.EN CE MOMENT 앙스모멍/アンスモモン

ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | シックなファサードにレンガ造りの古い建物がよく合う。
シックなファサードにレンガ造りの古い建物がよく合う。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | ジュエリーは自然の生命体
にインスピレーションを得ているそう。固有の非対称性、個性的なラインと質感、ストーリーを探求したデザイン。
ジュエリーは自然の生命体 にインスピレーションを得ているそう。固有の非対称性、個性的なラインと質感、ストーリーを探求したデザイン。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | ジュエリーは自然の生命体
にインスピレーションを得ているそう。固有の非対称性、個性的なラインと質感、ストーリーを探求したデザイン。
ジュエリーは自然の生命体 にインスピレーションを得ているそう。固有の非対称性、個性的なラインと質感、ストーリーを探求したデザイン。
ソウルの古い街並みが残る地、城北洞 (ソンブクドン) で路地に佇む小さな店巡り。前編 | かつて文人たちが耳を傾け、詩や散文を生み出した精神を受け継ぎ、耳を澄ま
す道具である耳かきをオープン時の記念品に。
かつて文人たちが耳を傾け、詩や散文を生み出した精神を受け継ぎ、耳を澄ま す道具である耳かきをオープン時の記念品に。

Shop Data ▷성북구 성북로 16길 4‒13/4‒13, Seongbuk‒ro 16‒gil,Seongbuk‒gu 13:00~19:00 月休 Instagram@encemoment.jewelry

歴史的建築物の数々を、楽しみながら散策。

 まず紹介したいのは、古美術蒐集家のチョン・ヒョンピルが1938年に設立した韓国初の私設美術館『澗松美術館』。日本が統治していた時代に、朝鮮美術の国外流出を防ごうと個人で収集した美術品や工芸品、古書の数々は、今では国宝や文化財に。移り変わりが早い時代に、こうして古い建物を補修して残してくれて、感謝しています。
  もう一軒、このエリアらしい美しい古い建物といえば、『チェ・スヌ旧宅』。国民的美術史学者の旧宅が、今では彼の美学と生活感覚を感じられる博物館となっています。簡潔なデザインの木製家具や白磁など、韓国の神髄である抑制された素朴な美を堪能できる場所。かつて住んでいた人の息遣いが感じられるのもいい。一人で訪れて、外の景色をぼんやり眺めていると、心が穏やかになります。『寿硯山房』も、『チェ・スヌ旧宅』と同じく1930年代の住宅を改装した伝統茶屋。もとは韓国近代文学史を代表する作家、イ・テジュンの生家で、店名は「文人が集う山中の家」という意味。ここで当時の文化人たちが交流を重ねていたのだろうと想像できます。いつも頼むのは、卵を落とした雙和(サンファ)茶か五味子(オミジャ)茶に、かぼちゃのピンス(かき氷)。ピンスは、かぼちゃやあずきが温かいまま氷にのっているのがユニークで、混ぜて食べる人が多いけれど、私は混ぜないで食べるのが好き。
 伝統的な韓屋(ハノク)で営業する店は他にもあり、『チェクボニャン』は猫をテーマにした独立系書店。猫モチーフの雑貨もたくさんあり、店主が描いた猫のイラストがあちこちに飾られている。本を買うとその絵のカバーをつけてくれるのが嬉しい。作家を招いてのブックトークなどのイベントも頻繁に開催されています。
 2025年の夏に移転オープンしたばかりの『ENCE MOMENT』も韓屋を活用している店。伝統と現代を調和させたリノベーションセンスが洗練されていて素晴らしいんです。展示、販売、デザイン相談のための部屋が自然に続くように構成された優雅な空間の中には、中庭や景色を眺めるスペースも設けられている。有機的でタイムレスなスタイルを謳うクラフトジュエリーも魅力。

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朝鮮王朝時代、漢陽(現在のソウル)の北側に築かれた城壁からその名がついた城北洞。ソウル市の北東部に位置し、北漢(プッカン)山や北岳(プガク)山、城北川が近くにあり、自然も豊か。伝統的な韓屋(ハノク)が残る地域もあり、高級住宅街としても知られている。今回紹介するエリアの最寄り駅は、地下鉄4号線の漢城大入口(ハンソンデイック)駅。

Photo 2024-05-31 10 54 53 AM

案内人シン・ヒョナさん

『GOOD MORNING GENERAL STORE』店主。城北で夫とともに、洋服から食器、文具まで、暮らしを豊かに彩る日用品を販売する傍ら、さまざまなイベントも開催している。Instagram@goodmorning_generalstore

text : Shiori Fujii coordination : Hanae Koike cooperation : Jinon Kim & Hyejin Kim (TOKYO DABANSA), Sachiko Kumagai

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