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インテリアスタイリストの石井佳苗さんが選んだ、新しい日常を彩るスピーカー。Timeless Essentials 02 / October 08, 2021
ファッションやインテリア、気配りやマナー、習慣や嗜み……。本誌95号の特集「暮らしの中の、大人のスタンダード」では、生活様式や価値観が大きく変わる今、改めて知っておきたいスタンダードなアイデアを取り上げました。インテリアスタイリイストの石井佳苗さんと考えた「新しい日常を彩る、ニュースタンダードアイテム」から、デザインの美しい2点のスピーカーを紹介します。
SPEAKER_オブジェのように、置いておくだけでも美しいデザインを。
1.〈トランスペアレント〉スモール トランスペアレント スピーカー
パーツ交換もできる、薄くて小さいスケルトンボディ。
「好きな音楽を流しながら、家事をしたり、仕事をしたりするのは、家時間の醍醐味。スピーカーは音質の良いものを選びたいのですが、次から次へと技術が更新されるので、これ!と決めるのも難しい。そこで、パーツを交換しつつ長く愛用できるものを探しました」。
〈トランスペアレント〉はスウェーデンのデザイ ンスタジオが立ち上げたオーディオブランド。環境意識が高く、すべてのパーツが交換・修理、またはアップグレードが可能で、例えばワイヤレス規格が更新されたときは、ワイヤレスチップを交換することで、最新型のスピーカーと同じレベルの機能に。もちろん、ボディはそのまま愛用できる。
「薄型なので本棚にも収まりやすく、スケルトンだから軽やかさもある。日々、眺めるものなので、見た目の清潔感も重要です」
2.〈スガハラ〉エクスポネンシャル ガラススピーカー
電源がいらない、ガラスのアートピースのようなスピーカー。
二重構造になったガラスの中に、スマートフォンを入れて音楽を再生。すると、音質が一変。聞こえてくる音幅がぐっと広がり、柔らかな印象になる。
「まるで工芸品のようなスピーカーです。部屋になじませるというよりは、インテリアのポイントとして飾る感覚。窓辺など光がきれいな場所に置くのもおすすめです」。
作ったのはプロダクトデザイナーの鈴木啓太と、ハンドメイドガラスメーカーの〈スガハラ〉。複雑な吹きガラスを成形できるのは、工房でもたった一人の熟練職人だけで、蓄音機のホーンと同じ原理で音を拡張させている。
「アートピースのような美しさに目が行きますが、電源が不要で、コンセントとの距離を考えなくていいのも大きなメリット。リビングの中央にポンと置くなど、音楽の楽しみ方が自由になります」
石井佳苗 Kanae Ishii
インテリアメーカー〈カッシーナ・イクスシー〉に10年間勤務後、独立。雑誌、書籍、広告を中心に暮らしまわりのスタイリングを手がける。昨年立ち上げたオンラインレッスン「Heima Home Design Lesson」も好評。
photo : Isao Hashinoki styling : Kanae Ishii text : Yuka Uchida
※『&Premium』No. 95 2021年11月号「暮らしの中の、大人のスタンダード」より