LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。

伊藤まさこさんと〈パナソニック〉のデザイナーが交わす、これからのくらしの豊かさの話。Vol.04Talking About Better Life by Panasonic DesignJanuary 20, 2025 /〔PR〕

Vol.04 あかりとくらし


生活の形が多様化するいまこそ考えたい”くらしの豊かさ”について、
伊藤まさこさんと〈パナソニック〉のデザイナーが対談する連載企画。
第4回は東京・汐留のオフィスにて川廷玲子さんとあかりについての話を。

川廷玲子 Reiko Kawatei 伊藤まさこ Masako Ito

川廷玲子 Reiko Kawatei

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 デザインセンター シニアデザイナー。住宅照明器具のプロダクトデザインを手がけた後、2020年よりBtoB向けの空間デザインを担当。多岐にわたる自社技術を統合したデザインを目指す。

伊藤まさこ Masako Ito

スタイリスト。料理や雑貨など、暮らしまわりのスタイリン グで活躍。自らプロデュースした衣食住にまつわる商品を販 売する〈weeksdays〉を〈ほぼ日〉と一緒に運営する。最新刊の『する、しない。』( PHP研究所)ほか、 著書多数。

自分らしいライフスタイルを構築する、ガイドとしてのあかり。

パナソニック〉のデザイナー川廷玲子さんは、照明のプロダクトデザインを皮切りにキャリアをスタート、現在はインテリアデザインも手がける。小さな山荘を改装し終えたばかりの伊藤まさこさんと語り合ったのは、あかりがもたらすくらしとの関係について。

伊藤まさこ(以下伊藤) この場所は川廷さんがデザインされた空間と伺いました。街灯のような照明もかわいく、温かみがあってオフィスだとは思えませんね。
川廷玲子(以下川廷) ありがとうございます。ここは社員のためのシェアフロア。止まり木を意味する「パーチラウンジ」と名付けていて、オフィスとくらしの中間を目指してデザインした空間です。
伊藤 どうして川廷さんが手がけることに?
川廷 入社後はずっと照明デザインを手がけてきましたが、次第にインテリア全体にも興味が湧いてきて。改めて学んだ後に、ロンドンへ短期留学。帰国後に空間デザインの部署へ配属となり、任されることになりました。この空間は設計から施工まで私がデザイナーとして関与した初めての事例です。ここに照明部門の営業拠点があることや、このビル自体が汐留の街の行燈として設計されたことなどを踏まえ、行き着いたコンセプトが光でした。
伊藤 ひと口に光といっても、場所によって雰囲気が全然違って見えます。
川廷 いま座っているパブリック空間は新橋側で、街の延長線上にあるシティがテーマ。照明も整然と並べ、スーツ姿の人がいても違和感がないようにしつつ、柔らかなトーンで居心地のよさも演出しました。奥の社員のための空間は海のある汐留側なので、自然やくつろぎがテーマ。植栽を多くして自然を感じられるようにしたり、大小大きさの異なる照明をランダムに吊るしたりすることで、カジュアルな雰囲気の空間にして。
伊藤 やっぱり照明って大切ですね。私は自宅でも山荘で過ごすときも、フロアスタンドやウォールライト、キャンドルでそのときの気分に合わせて明るさを調整しています。とりわけ山荘を作ってから、家具を揃える以上に照明って大事だなと思うことが多くて。照明がその場所での過ごし方に与える影響って、すごく大きいですよね。誰かを招いたときに、明るさに慣れている人からは第一印象で「暗いね」と言われても、その場にいるとだんだん馴染んできて、その暗さが「居心地いい」と感じてもらえることもあって。レストランなども、料理や雰囲気とともに、「明るさが自分に合っているか」も選ぶポイントの一つにしています。明るすぎると落ち着きませんから。
川廷 空間をデザインするにあたっても、どのような照明を取り入れるかと同時に、明るさのコントロールも大切な要素なんですよね。
伊藤 あかりに対しては敏感でいたいと思いますね。
川廷 お話を伺って、伊藤さんはご自身の心身が発する内なる声に、きちんと耳を傾けて生活していると感じました。近頃はオフィスの設計をすることも多いのですが、そのなかで意識するのは、朝の太陽の光を浴びて日中活動し、夜は眠るという人間のサーカディアンリズム。伊藤さんが明るすぎても落ち着かないというのは、人間そのものの素直な感覚ですよね。
伊藤 昔から日の出とともに起きるくらし。夜はあかりを一つずつ消して、闇に馴染む感じで過ごします。
川廷 とても健やかなくらしですね。
伊藤 省エネにもなっているなって。でも私が光に敏感になったのは、撮影のときに光を意識するからかもしれません。スタイリングの大事な要素の一つなので。
川廷 SNSで山荘の写真を拝見すると、空間の光のレイヤーがとてもきれいで、陰影の境目とグラデーションを大事にされていると伝わってきます。
伊藤 山荘は最初に照明とコンセントの位置が大事だと思って、ばっちり決めました。
川廷 やはりそうなんですね。空間における光の骨格を決めるのはとても重要なことで、印象がぐっと変わります。
伊藤 窓も大きさや位置を決めるため、季節や時間を変えては何度も考え、陽の入り方を確かめて。だから、今の時間はこの窓からの光、夕方はここ、と陽の入り方によってお気に入りの場所が変わるんです。
川廷 選ぶ家具も変わってくるかもしれませんね。
伊藤 そうだと思います。それに光がきれいでも、コンセントやスイッチがちらちら目に入って気になることってありますよね。山荘ではどこからも目に入らないように、スイッチを1か所に集め、離れたところに収まるように設計して。
川廷 なるほど。普段は見過ごすようなものでも、自分らしいくらしや世界観を意識して、細かなところまで配慮されているのが伊藤さんならではですね。私もそんなふうに繊細に空間を感じ取って、ライフスタイルを導くような設計ができたらいいなと思います。
伊藤 ここの空間も、とても落ち着きますよ。
川廷 安心感と抜け感のバランスを大切にしました。柱に設置した丸い照明は、ここは人が集う場所であることをアイコンとしてやさしく伝えてくれます。このソファの配置は、打ち合わせ場所として話しやすいL字形にしているだけでなく、美しい街の景色を眺められつつ、直射日光が当たらないように、自然光の変化をシミュレーションしながら決めました。
伊藤 光を意識することで、空間って本当に豊かになりますね。ますます照明に興味が湧いています。

シェードの奥には丸い照明、その奥には壁面を照らしたリチャージエリアが続き、光のレイヤーを作りあげている。
シェードの奥には丸い照明、その奥には壁面を照らしたリチャージエリアが続き、光のレイヤーを作りあげている。
パブリックスペースと同じデザインの丸い照明も、大きさや高さをランダムにすることでカジュアルな雰囲気に。
パブリックスペースと同じデザインの丸い照明も、大きさや高さをランダムにすることでカジュアルな雰囲気に。
「パーチラウンジ」の社員用エリア。シェード付きの照明を低い位置に吊るして籠もり感を出し、家のようなくつろぎを。
「パーチラウンジ」の社員用エリア。シェード付きの照明を低い位置に吊るして籠もり感を出し、家のようなくつろぎを。

PR ●問合せ/Panasonic Design 公式サイト https://panasonic.co.jp/design/
photo : Masanori Kaneshita text : Mako Yamato

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