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アタッシェ・ドゥ・プレス、鈴木純子さん。「用の美」を感じるガラスの器がある暮らし。ON THEIR TABLES 04 / February 16, 2021

家で食事をすることが増え、料理に合わせて器を選ぶ楽しさを感じている方も多いのではないでしょうか。陶磁器やガラス、漆器、世界各国の器など、17人の器好きたちに使い方を見せていただいた本誌No.67の特集「器と日々の生活」より、アタッシェ・ドゥ・プレス、鈴木純子さんの器使いをご紹介します。

「大きな器から買う性分です(笑)」と鈴木純子さ ん。ガラス作家・辻和美の大皿は、澄んだ湖のよ うな水を感じさせる涼やかな色。定期的に取り寄 せている『ポム・ド・テール』の有機野菜とハー ブ、柑橘を和えたサラダを盛り付けて。
「大きな器から買う性分です(笑)」と鈴木純子さ ん。ガラス作家・辻和美の大皿は、澄んだ湖のよ うな水を感じさせる涼やかな色。定期的に取り寄 せている『ポム・ド・テール』の有機野菜とハー ブ、柑橘を和えたサラダを盛り付けて。

持っていて幸せな気持ちになれる、一期一会の出合い。

 「アンティークの器はフランス。ガラスの器は北欧や作家ものが中心。色はグレイッシュなトーンが、自分のフィーリングに合います」

 アタッシェ・ドゥ・プレスの鈴木純子さんは、自分の〝好き〞をあれこれ悩まずに即答できる、実に好みがはっきりした〝偏愛の人〞だ。作り付けの食器棚と器を収納するためにオーダーメイドした棚には、10年ほどかけて集めたアンティークの器やワイングラス、おもてなしに使う 大皿・小皿、大好きな作家の器が所狭しと並んでいる。物は多いが、そのひとつひとつが自然なムードで調和しているので、ふと器を眺めたときの景色にも目が喜ぶ。

小さな頃から草花とともに暮らす日常を過ごして きた鈴木さんは、野に咲くような花を 1 種類でバ サッと生けるのが好み。フランスの蚤の市で「レ リーフの美しさや繊細な佇まいに惹かれた」とい うアンティークグラスには、大好きなヴィオラを。
小さな頃から草花とともに暮らす日常を過ごして きた鈴木さんは、野に咲くような花を 1 種類でバ サッと生けるのが好み。フランスの蚤の市で「レ リーフの美しさや繊細な佇まいに惹かれた」とい うアンティークグラスには、大好きなヴィオラを。

「浮気することなく、同じテイストのものや好きな作家さんが作るものを追い続ける性質なんです。物としての美しさを追求するだけではなく、料理に使う道具としての使い心地を細部まで徹底的に考えている器に心惹かれます。そういった本質的なアプローチで作られたものを作品をお預かりする気持ちで家に迎え入れています。それらは、私にとってタイムレスなもの。大切に使って、次の世代へ受け継いでいきたいと思うんです。ガラスの器は、辻和美さんとピーター・アイビーさんが特に好き。辻さんの器は手に持ったときのなじみ方や触れたときのなめらかな質感、色の美しさが素敵。グレイッシュなトーンのガラスと真鍮を取り合わせたピーターさんの美意識も大好きで、個展のたびに少しずつ集めています。難易度の高い吹きガラスの技術を用いて丁寧に作られた器は、限りなくアートに近い〝用の美〞 が備わっていると思うんです」

コーヒー豆などを収納したピーター・アイビーのガラスジャー。中身を認識できるように、銘柄が記載されたラベルを同封。
コーヒー豆などを収納したピーター・アイビーのガラスジャー。中身を認識できるように、銘柄が記載されたラベルを同封。
素材を美しく見せるガラスの器には、色鮮やかな野 菜が映える。
素材を美しく見せるガラスの器には、色鮮やかな野 菜が映える。
『HAY hutte』にオーダーした食器棚。オブジェを絡め、楽しげなムードに。
『HAY hutte』にオーダーした食器棚。オブジェを絡め、楽しげなムードに。
食材や米も中身が確認できるジャーを活用。キッチンまわりに統一感が生まれた。
食材や米も中身が確認できるジャーを活用。キッチンまわりに統一感が生まれた。

 作りたい料理に合わせて器を探したりはしないという鈴木さん。「好きな器に出合うと、どんな料理を盛ろうかワクワクします。そんな一期一会の出合いを楽しむことが、自分が豊かになるいちばんの近道だと信じています」

手仕事で作られたカゴや安彦年朗のウッドトレー を配置したキッチンの空きスペース。ティモ・サ ルパネヴァによる〈イッタラ〉のブルーのヴィン テージタンブラーには、サラダに使ったスナップ エンドウの花をラフに生けた。
手仕事で作られたカゴや安彦年朗のウッドトレー を配置したキッチンの空きスペース。ティモ・サ ルパネヴァによる〈イッタラ〉のブルーのヴィン テージタンブラーには、サラダに使ったスナップ エンドウの花をラフに生けた。
鈴木純子

鈴木純子
アタッシェ・ドゥ・プレス

自然派ワインに魅せられて、フランスの造り手を訪ねることがライフワークに。国内外の食を含めたライフスタイルブランドのPRを担当する。

photo : Takeshi Abe edit & text : Seika Yajima
※『&Premium』No. 67 2019年7月号「器と日々の生活」より

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