BOOK 本と言葉。
十勝、伊勢、奄美、沖縄、益子etc。編集者・岡本仁さんによる日本の旅紀行本「また旅2」が発売。March 23, 2025
動機はさまざま。日本各地を旅した記録。
弊誌連載&BOOK「18MILES OF BOOKS 果てしのない本の話」でもおなじみの編集者・岡本仁さん。雑誌『暮しの手帖』で連載中の「また旅。」をまとめた紀行本が発売した。書籍として第2弾となる本書には、番外編含めて、25の旅の話が掲載されている。
取材ではなく、ひとりの旅行者として旅した目線で切り取られた街の風景。建築、ミュージアム、工房、食、さまざまな視点で岡本さんの心に引っかかった旅の記憶を、iphoneで撮影した写真と文章で収められている。
例えば、北海道・十勝の場合。冬にしか手に入らない『六花亭』のお菓子「十三戸(じゅうさんこ)」の話からの流れで興味を持った『帯広百年記念館』、『六花の森』、『中札内美術村』へ。三重・伊勢へは、友人に聞いて泊まってみたかったという旅館『麻吉』を起点に、木版画や博多鋏を見に行ったり。また、幻のスニーカーを求めて、福岡・久留米へ遠征したり……。他につくば、奄美、庄内、沖縄、美瑛と美唄、宮崎、徳島、益子、別府、志布志、房総、函館、琵琶湖半周、萩・山口、多治見・岐阜、オホーツク、仙台、弘前、姫路など、旅の動機が町それぞれに違うのも、岡本さんならではの面白さ。
番外編では、長崎くんち、アントニン&ノエミ・レーモンドの建築巡り、掛井五郎の彫刻などといったテーマ切りでの旅も紹介。
一緒に旅をしているような気分になるだけでなく、自分だったらこの土地に行ったらどういう旅をするだろうと思いを馳せるのも楽しくなる紀行エッセイ。次の旅の計画にも役立つ一冊をぜひ。