BEAUTY 明日のキレイのために。
キレイの理屈食で健康にという信念で、いち早く”飲む油”に着目。『&Premium』No. 92 2021年8月号「&Beauty」より / June 30, 2021
健康な食をテーマに、自然なおいしさを大切にするという理念のもと、地域に密着した食品事業を展開している〈勝山ネクステージ〉。母体は、仙台を代表する銘酒醸造元の「勝山酒造」。そのグループ企業の一員である〈勝山ネクステージ〉が、食で人々を健康にしたいという思いで着眼したのが、アメリカで話題だったMCTオイル。2014年のその当時、日本ではまだ2社しか取り扱いがなく、そもそも”油を飲む”という習慣もなかった。だが、もともと医療の分野で使われていたこのオイルに強く可能性を感じ、世界中をリサーチ。ココナッツ由来のMCTオイルの存在がわかり、2015年に販売を開始。ちなみにMCTオイルの「MCT」とは、Medium Chain Triglycerideの略で、中鎖脂肪酸という、分子の長さが一般的な油脂の約半分の脂肪酸のことで、ココナッツなど、ヤシ科の植物から抽出される。
脳や体のエネルギー源として知られているブドウ糖だが、体内に蓄えられている脂肪酸が分解される過程で発生する中間代謝物ケトン体が、ブドウ糖に代わるエネルギー源として注目されている。MCTオイルは、まさにこのケトン体の生成を促進してくれるのだ。ブドウ糖は、エネルギーになるまでの分解経路が細かく、時間がかかるが、ケトン体はそのステップが少なくエネルギーになりやすい。それだけでなく、代謝アップや、脂肪蓄積を抑制するなどの作用から、ダイエットにも効果を発揮するというのだ。MCTオイル発売のタイミングで、モデルのミランダ・カーがココナッツオイルをオススメするなど、美容にもダイエットにも使えることからブームの兆しが見え始める。その年の全米ベストセラーとなった書籍『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』では、MCTオイルを入れて飲む「バターコーヒー」が大注目。一気にMCTオイルの知名度が急上昇し、人気を後押しした。
その後もMCTオイルを基本に活用しながら、食事で体を整えていくという商品設計で、MCTオイルの小分けタイプやプロテインパウダー、コーヒークリーマーなど商品を次々と発売。体の機能だけでなくメンタルへの研究も進み、MCTオイルの活用は、スポーツ、医療、介護へと様々な分野へも広がりを見せている。