BEAUTY 明日のキレイのために。
キレイの理屈 世界一のものづくりを目指し、NYから新たなステージへ。『&Premium』No. 71 2019年11月号「&Beauty」より / September 27, 2019
医療の世界で出合った「エンドミネラル」という天然の鉱石に興味を引かれ、自らそのミネラルを石臼ですりつぶしクリームに混ぜて肌に塗る、というところから〈フローフシ〉の物語は始まる。
この研究により、むくみがスッキリしたことを体感した創業者の今村洋士さんは、「これで人を驚かせたい!」と中学校の同級生、桑島正幸さんと組んで、2010年に会社を設立。
エンドミネラルの効果を考えると、スキンケア製品にこそ生かしやすいのではないかと思われるが、一番発想から遠いマスカラづくりに着手する。目もと印象をリフトアップし、ブラシなど細部にも日本の技術を取り入れた唯一無二のマスカラは、「モテマスカラ」として発売され、大ヒット。
だが、創業者の2人はこれを成功とは捉えず、ブランドの行き先を考える中で、デザイン性や機能性にもっともっとこだわりたいという思いが溢れた。時に、大ヒットした〈フローフシ〉の世界観が邪魔に感じることもあったという。ここまで成功したブランドを転換させて、新しいブランドをつくるのには相当なリスクがあったはずだ。でも、ブランドは自分たちのためではなく世の中の人のためのもの。世界一のブランドを目指し、もっと自由な発想で機能的なプロダクトをつくり、もっと喜ばせたい、メッセージを伝えたい……そんな思いを込めて〈UZU〉が誕生する。
〈フローフシ〉時代から「お客様は開発チームの一員」と考えていた〈UZU〉は、ユーザーとの密なコミュニケーションにより、苦労してつくり上げたというアイライナーからローンチ。全14色という豊富なカラーレンジで、ボディペイントに使ったり、イラストを描いたりしているユーザーもいるようで、使い方は枠にとらわれない。ビューティを超えて、それぞれが好きなように楽しみ、商品を通して新しい気づきを与えたり、既成概念を超えたものづくりをすることを、〈UZU〉では“UNFRAME THE BEAUTY”と表現しているが、これこそが〈UZU〉の世界観だ。
世界の流行の最先端であるNYへと進出したブランドの勢いは増すばかり。「ブランドの思想をプロダクトに込めたい」という〈UZU〉のチャレンジは、今後、プロダクトを通し、様々な形で私たちをあっと驚かせてくれるだろう。