BEAUTY 明日のキレイのために。
キレイの理屈ワードローブに、体に、南米からのフレグランスコレクション。『&Premium』No. 61 2019年1月号「&Beauty」より / December 13, 2018
パタゴニアをはじめ南米の多様な植物からインスパイアされ、ジェンダーに拘らない香りとして表現をしている〈フエギア 1833〉。調香師であるジュリアン・ベデルは、調香師以外にも3つの顔を持つ異才。そんな彼が創り出す香りたちは、伝統音楽を想起させる香りだったり、詩人から博物学者に転身した著名な生物学者に捧げるコレクションだったりと、文化と紐づけ、現在8つのコレクションとして展開中。その数は全80種に及ぶ。また南米唯一の香料の原料を抽出する施設を構え、環境を害する溶剤を使用せず、低温で蒸留。独自のボタニカルセンターで採取した植物を使用しているため、一度に作る本数にも限りがあり、収穫状況により香りが微妙に違うことなども、フレグランスマニアを唸らせている理由。
そして12月1日より発売を開始するのが、今回ご紹介する2つのコレクション(11月21日よりGINZA SIXにて先行発売)。それが、薬草を五感で楽しむエナジーフレグランス「トニコ コレクション」とワードローブに香らせる「テキスタイル コレクション」である。
「トニコ コレクション」は、南米で伝統療法に使われてきた植物を厳選し、その揮発性アロマ成分の持つ様々な薬効効果をベースに作り上げており、原料が持つパワーを効果的に引き出す、というもの。フレグランスによる効能については薬事的なこともあるため明言ができないけれど、五感で感じる新しい香りのジャンルである。香りもぐっとライトなため、ミストを吹きかけるように肌にのせることを推奨している。
そして、ワードローブに香らせる「テキスタイル コレクション」は、繊維に定着するように設計。アンチバクテリアや抗菌剤としての機能、生地を清潔に保ち、守る効果も。また、布地にプッシュすることで、それぞれの繊維に絡まった香りの分子が少しずつ揮発し、香りが服の一部となるよう計算されているのだ。香りの持続度は3時間が目安で、ウール、シルク、カシミアなど生地に合わせた5種。布にプッシュしたら、繊維になじむよう手で布を押さえるのが使い方のコツだ。
計り知れないエナジーやパワーのある南米の奥深さを感じさせる〈フエギア 1833〉、瓶の中に納まりきれない小宇宙が広がっている。