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京都の商店から始まった美肌の味方、あぶらとり紙。&Beauty キレイの理屈 〈よーじや〉October 26, 2022

Yojiya | Aburatorigami
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右から、あぶらとり紙 20枚入り¥400、あぶらとり紙BATON 50枚入り¥1,320、あぶらとり紙HAKO 200枚入り¥3,500(よーじや ☎︎0120−00−4893)

〈よーじや〉といえば、あぶらとり紙がまず頭に浮かぶはずだ。そのストーリーは今から118年前、明治37(1904)年、創業者である國枝茂夫氏が、京都で舞台化粧道具を販売する『國枝商店』を開業したところから始まった。そして大正初期、口腔衛生が注目されてくると、歯ブラシを取り扱い始め、その歯ブラシが「楊枝」と呼ばれていたことから、人々に「楊枝やさん」と親しまれ、その後ブランドネームとなったそう。
 あぶらとり紙が生まれたのは、1920年代。映画関係者から「ライトを当てるとドーランを塗った肌がテカる」という相談を受け、作ったのがきっかけ。もともと御所の女性たちが、金箔作りに使われる裏打ち紙「ふるや紙」を、あぶら浮きの肌に使っていたことをヒントに茂夫氏が開発。最初は、現在の4倍サイズのものから販売し、舞妓、芸妓の間で評判となり、一般販売へと広がる。
〈よーじや〉の初代マークは、2代目の信夫氏がピエロをモチーフに手描きしたものをベースにデザイン。後に身だしなみに欠かせない手鏡に美しい京女性が映り込んだ印象的なイラストをもとに、1965年に現在のマークに進化した。
 その〈よーじや〉が一気に全国区になったのは、1990年代に放送されたテレビドラマのワンシーン。作中で女性たちがあぶらとり紙を使っており、それが大評判となったとか。その後は修学旅行の学生をはじめ、多くの旅行者が京都のお土産にあぶらとり紙を手に取るようになり、大ヒット。
 このあぶらとり紙の特徴は、なんといっても使い心地のよさ。現在はフィリピン原産の多年草、マニラ麻を原料とし、長い繊維を繰り返し叩くことで繊維同士を絡ませるという箔打製法を採用。こうすることで、必要な皮脂は残しつつ、肌トラブルのもととなる余分な皮脂のみを瞬時にオフすることが可能に。肌あたりのなめらかさにこだわり、現在に至るまで改良を重ね続けている。
 ブランドのフィロソフィーとして、あぶらとり紙以外の他製品も、肌に優しい素材を厳選して開発。カフェの出店など、精力的にイベント周知も行うほか、近年は、若い世代が使いやすいよう、筒型や箱型のあぶらとり紙も開発し、好評。世代を超えた名品として、これからも愛され続けるに違いない。

文/久保直子
くぼ・なおこ/ウェルネス&ビューティジャーナリスト。植物療法(フィトテラピー)をツールに、ココロカラダハダケアについて独自発信。

※この記事は、No. 108 2022年12月号「&Beauty」に掲載されたものです。

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