TRAVEL あの町で。

新しい風と懐かしさが共存する温泉街へ。ー 長門・山口県 ーStrolling Around The SpaJune 20, 2024 / 〔PR〕

山口県北部の山あいにある、約600年もの歴史を持つ長門ながと湯本温泉。
食、うつわ、アートとあらゆる角度から散策できる町の魅力に惹かれて移住した
『cafe&pottery 音』店主・横山和代さんが案内する、暮らすように巡る長門への旅。
長門市の仙崎方面と日本海を見下ろせる、千畳敷。案内人の横山和代さんが移住するきっかけになったというカフェ『カントリーキッチン』がある。
長門市の仙崎方面と日本海を見下ろせる、千畳敷。案内人の横山和代さんが移住するきっかけになったというカフェ『カントリーキッチン』がある。
1657年から続く深川萩。2024年5月に16代坂倉新兵衛を襲名したばかりの坂倉正紘さんによる、美しい器。
1657年から続く深川萩。2024年5月に16代坂倉新兵衛を襲名したばかりの坂倉正紘さんによる、美しい器。
茶陶のほか、普段使いしやすい器やオブジェなども作陶する坂倉正紘さん。工房がある『坂倉新兵衛窯』(長門市深川湯本三ノ瀬1487)は要予約。
茶陶のほか、普段使いしやすい器やオブジェなども作陶する坂倉正紘さん。工房がある『坂倉新兵衛窯』(長門市深川湯本三ノ瀬1487)は要予約。
長門湯本温泉のランドマークでもある『恩湯』(深川湯本2265)。仏像の前の岩盤から湧き出る湯に入ることができる。
長門湯本温泉のランドマークでもある『恩湯』(深川湯本2265)。仏像の前の岩盤から湧き出る湯に入ることができる。
『麺宗祐気』(西深川板持3277−1)の地どりラーメン(¥890)は地元産の長州かしわを出汁とチャーシューに使用。
『麺宗祐気』(西深川板持3277−1)の地どりラーメン(¥890)は地元産の長州かしわを出汁とチャーシューに使用。
自家焙煎豆も販売する『カフェ ストラグル』(仙崎1410−1)は地元の人たちの憩いの場に。
自家焙煎豆も販売する『カフェ ストラグル』(仙崎1410−1)は地元の人たちの憩いの場に。

歴史ある温泉を中心に広がる、新しい長門。

 山口県の北部に位置する長門湯本温泉。約600年続く『恩湯(おんとう)』が2020年にリニューアルしたのを機に、新たな店が立ち並び、観光客も年々増加している。温泉街の近く、三ノ瀬(そうのせ)には深川(ふかわ)萩の窯元集落があり、茶陶の産地としても有名だ。この地で作陶に励む坂倉正紘、田原崇雄、坂倉善右衛門のうつわを展示販売するギャラリーカフェ『cafe&pottery 音』の店主・横山和代さんは、長門に魅了されて、移住してきたひとり。「まだ岡山に住んでいた頃、千畳敷のカフェ『カントリーキッチン』に初めて行き、そこから望む風景に感動しました。この店を目的に長門へ通うようになったのが、移住の大きなきっかけです」
 今回、横山さんが案内してくれた『365+1 BEER』『喫茶福永』『THE BAR NAGATO』『ひものや食堂ひだまり』『麺宗祐気』も、長門に惹かれてやってきた移住者の店主たちが立ち上げた店。「長門は海も山もあるので、食材が豊富。それらをアレンジして、ここでしか食べられない長門ならではの味を生み出しているのも魅力です。例えば『365+1 BEER』では、俵山の『津田農園』で採れたブラックベリーや『coffee & roaster YAMA』のコーヒー豆を使ったビールを造っていて、これがおいしいんです」
 温泉街から車で15分ほどの日本海に面する仙崎には、お気に入りのカフェも。「『金子みすゞ記念館』があるみすゞ通り沿いにある『喫茶福永』でひと息ついたり、『カフェ ストラグル』にコーヒー豆を買いに立ち寄ったりします。『大和蒲鉾』のかまぼこもお気に入りのひとつ。さらに足を延ばせば、長門出身の香月泰男の作品が並ぶ『香月泰男美術館』もあります。彼が描いたシベリアシリーズをオマージュした坂倉善右衛門さんのうつわを店で展示したこともあり、長門の作家に影響を与えている画家です」
 四季折々の景色が楽しめる長門湯本温泉。町の中心にある『恩湯』は、深川萩のイベントや、この春から自由に本を閲覧できる恩湯文庫も始まり、地元の子どもたちから観光客までが集う場に。訪れるたびに新しい風景が待ち受ける、懐が深い町で、心身ともにリフレッシュできる旅を。

ここでしか出合えない風景や味を目指して、長門をそぞろ歩き。

長門湯本温泉街の真ん中に流れる音信(おとずれ)川。テラスが数か所に設置され、散歩途中の休憩スポットに。
長門湯本温泉街の真ん中に流れる音信(おとずれ)川。テラスが数か所に設置され、散歩途中の休憩スポットに。
『cafe and shop Tre』(長門市深川湯本1325−1−2F)は、築約70年の校舎を移築して、改装した建物の2階に。福岡のセレクトショップ『TERCEIRO』のオリジナルブランド〈YAA!!〉の服や、生活雑貨などが並ぶ。
『cafe and shop Tre』(長門市深川湯本1325−1−2F)は、築約70年の校舎を移築して、改装した建物の2階に。福岡のセレクトショップ『TERCEIRO』のオリジナルブランド〈YAA!!〉の服や、生活雑貨などが並ぶ。
南インドカレー(¥1,200)は毎月第3土日月の11:00〜14:00のみ。爽やかなクミン茶(¥350)と相性抜群。
南インドカレー(¥1,200)は毎月第3土日月の11:00〜14:00のみ。爽やかなクミン茶(¥350)と相性抜群。
長門湯本温泉街や記念館がある仙崎では長門出身の詩人、金子みすゞの詩が書かれた壁面が点在している。
長門湯本温泉街や記念館がある仙崎では長門出身の詩人、金子みすゞの詩が書かれた壁面が点在している。
フルーツやコーヒー豆など、地元の食材とコラボした個性的なクラフトビールも造る『365+1(サンロクロク)BEER』(深川湯本1247−2)。店内には定番のペールエールをはじめ、タップが5~6種ほど。
フルーツやコーヒー豆など、地元の食材とコラボした個性的なクラフトビールも造る『365+1(サンロクロク)BEER』(深川湯本1247−2)。店内には定番のペールエールをはじめ、タップが5~6種ほど。
2024年4月にオープンしたばかりの『ひものや食堂ひだまり 長門湯本温泉店』(深川湯本2270−5)。
2024年4月にオープンしたばかりの『ひものや食堂ひだまり 長門湯本温泉店』(深川湯本2270−5)。
仙崎近郊で水揚げされた魚に惚れ込み移住してきたオーナーが作った干物を提供。山口県北浦産あじ一夜干しとサワラメンチカツの定食、あさなぎ¥1,280。
仙崎近郊で水揚げされた魚に惚れ込み移住してきたオーナーが作った干物を提供。山口県北浦産あじ一夜干しとサワラメンチカツの定食、あさなぎ¥1,280。
長門の山で採取している〈孫農園〉の天然ハチミツ各¥2,160。近隣のカフェや宿、みやげもの店で販売。
長門の山で採取している〈孫農園〉の天然ハチミツ各¥2,160。近隣のカフェや宿、みやげもの店で販売。
窓の外に広がる緑が美しい、温泉宿『玉仙閣』(深川湯本1234)の和室。他に萩の旧家を移築した1日1組限定の「玉仙の間」や、ワーケーション向けの客室も。
窓の外に広がる緑が美しい、温泉宿『玉仙閣』(深川湯本1234)の和室。他に萩の旧家を移築した1日1組限定の「玉仙の間」や、ワーケーション向けの客室も。
『玉仙閣』にある「楊貴妃の湯」。玉座に座って南面を向きながら、大理石のお風呂に浸かっていたという楊貴妃の浴槽を再現したという。中央は水深が120㎝あり、立った状態で肩までお湯に浸かることができる。
『玉仙閣』にある「楊貴妃の湯」。玉座に座って南面を向きながら、大理石のお風呂に浸かっていたという楊貴妃の浴槽を再現したという。中央は水深が120㎝あり、立った状態で肩までお湯に浸かることができる。
曽祖父の代から使われている窯で作陶に励む『坂倉新兵衛窯』の坂倉正紘さん。
曽祖父の代から使われている窯で作陶に励む『坂倉新兵衛窯』の坂倉正紘さん。
刷毛目模様が美しい花瓶も。
刷毛目模様が美しい花瓶も。
千畳敷で絶景を望めるカフェ『カントリーキッチン』(日置中1138−1)。カレーやハンバーグなども人気。
千畳敷で絶景を望めるカフェ『カントリーキッチン』(日置中1138−1)。カレーやハンバーグなども人気。
添加物を一切使わず、自家製麺と自然素材の出汁でラーメンを作る『麺宗祐気』。カウンター9席のみ。
添加物を一切使わず、自家製麺と自然素材の出汁でラーメンを作る『麺宗祐気』。カウンター9席のみ。
仙崎のみすゞ通り沿いにある『喫茶福永』(仙崎1315−1)で卵感が濃厚な自家製プリン(¥550)を。
仙崎のみすゞ通り沿いにある『喫茶福永』(仙崎1315−1)で卵感が濃厚な自家製プリン(¥550)を。
蔦に覆われた『カフェ ストラグル』の外観。90年ほど前に建てられた元農協を改装した建物だという。
蔦に覆われた『カフェ ストラグル』の外観。90年ほど前に建てられた元農協を改装した建物だという。
もっちりした食感がやみつきになる、『大和蒲鉾』(仙崎錦町1267)の蒲鉾「浜千鳥」。生エソの身質と鮮度にこだわり抜き、併設の自社工場で製造している。
もっちりした食感がやみつきになる、『大和蒲鉾』(仙崎錦町1267)の蒲鉾「浜千鳥」。生エソの身質と鮮度にこだわり抜き、併設の自社工場で製造している。
長門出身の画家、香月泰男の作品を展示する『香月泰男美術館』(三隅中226)。油絵約400点、デッサン約1000点を所蔵し、企画展ごとに展示。7月30日〜9月30日、『没後50年香月泰男展 第二期1955−1965』を開催。
長門出身の画家、香月泰男の作品を展示する『香月泰男美術館』(三隅中226)。油絵約400点、デッサン約1000点を所蔵し、企画展ごとに展示。7月30日〜9月30日、『没後50年香月泰男展 第二期1955−1965』を開催。
エントランスや中庭にはレプリカのオブジェなども。
エントランスや中庭にはレプリカのオブジェなども。
音信川を望む『THE BAR NAGATO』(深川湯本1325−1−2F)。地元の果物を使ったカクテルもおいしい。
音信川を望む『THE BAR NAGATO』(深川湯本1325−1−2F)。地元の果物を使ったカクテルもおいしい。

information

長門湯本温泉街では、2024年9月14日(土)から10月14日(月)まで『うつわの秋 vol.5』が開催される。メイン会場の『恩湯』では、深川萩の8作家による特別展示が9月14日(土)から23日(月)の期間限定で行われる。サテライト会場となる『おとずれ堂』、『cafe&pottery 音』、『大谷山荘』、『玉仙閣』でも、会場ごとに深川萩の異なる魅力を発信。坂倉新兵衛窯、坂倉善右衛門窯、坂田泥華窯、新庄助右衛門窯、田原陶兵衛窯の5つの窯元、8人のうつわが一堂に会する機会をお見逃しなく。

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ACCESS

長門湯本温泉

長門湯本温泉まで、車で山口宇部空港から約1時間半、山陽新幹線の新山口駅からは約1時間。公営駐車場に停めて、徒歩で温泉街エリアを散策できる。福岡の博多天神方面からはバス「福岡~長門湯本温泉 おとずれ号」が運行して、約2時間50分ほどで到着する。1日1往復で毎日運行中。長門湯本温泉から、仙崎本面へは車で約15分、千畳敷方面へは車で約20分。現在、JR美祢線は代行バスで運行している。

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guide 横山和代≪AINONE≫主宰・『cafe&pottery 音』店主

静岡県出身。2020年にカフェで働き始めた頃は、山口市から通っていたが、’21年に長門に移住。フィッシュパニーノと天然酵母を使った焼き菓子ブランド〈AINONE〉としても活動中。カフェでは地元のフルーツを使ったケーキやタルトも評判。▷『cafe&pottery 音』長門市深川湯本1261−12

●問合せ/長門湯本温泉 https://yumotoonsen.com/

photo : Akira Yamaguchi illustration : Shinji Abe (karera)

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