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風光明媚な山間に佇む長門湯本温泉を巡る。ー 長門・山口県 ーStaying at Beautiful SpasJune 20, 2023 / 〔PR〕

本州最西端の山口県にある長門湯本温泉。山に囲まれた小さな町の中心には川が流れ、
約600年もの歴史がある温泉は、今も地元の人、そして観光客にも愛されている。
日本ならではの懐かしい風景と新しいカルチャーが共存する温泉街へ訪れてみた。
萩焼のひとつ、深川萩の作家、坂倉正紘、田原崇雄、坂倉善右衛門の器を紹介する『cafe&pottery 音』(長門市深川湯本1261−12)。テラスもあり、彼らの器を使った抹茶も楽しめる。
萩焼のひとつ、深川萩の作家、坂倉正紘、田原崇雄、坂倉善右衛門の器を紹介する『cafe&pottery 音』(長門市深川湯本1261−12)。テラスもあり、彼らの器を使った抹茶も楽しめる。
温泉街からすぐの三ノ瀬で約360年続く坂倉新兵衛窯。坂倉正紘さんは15代目の父の下、伝統を踏襲し、新しい器作りにも挑戦している。
温泉街からすぐの三ノ瀬で約360年続く坂倉新兵衛窯。坂倉正紘さんは15代目の父の下、伝統を踏襲し、新しい器作りにも挑戦している。
音信川のせせらぎを間近に感じられる星野リゾートの温泉旅館『界 長門』の川床テラス。春には川沿いの桜が咲き、夏には川遊びをする子どもたちも訪れて賑やかに。
音信川のせせらぎを間近に感じられる星野リゾートの温泉旅館『界 長門』の川床テラス。春には川沿いの桜が咲き、夏には川遊びをする子どもたちも訪れて賑やかに。
築約70年の校舎を移築し、柱や梁を残して改装した『cafe and shop Tre』
(長門市深川湯本1325−1)。オーナーが選ぶ生活雑貨は土産にも。日中のみ営業。
築約70年の校舎を移築し、柱や梁を残して改装した『cafe and shop Tre』 (長門市深川湯本1325−1)。オーナーが選ぶ生活雑貨は土産にも。日中のみ営業。
岩盤からお湯が湧き出る『恩湯(おんとう)』(長門市深川湯本2265)。美肌の湯で知られ、湯船では空気に触れていない新鮮な源泉に直接浸かることができる。入湯料¥900。
岩盤からお湯が湧き出る『恩湯(おんとう)』(長門市深川湯本2265)。美肌の湯で知られ、湯船では空気に触れていない新鮮な源泉に直接浸かることができる。入湯料¥900。
音信川を間近に見下ろす『cafe and shop Tre』のカウンターは特等席。季節のシロップのソーダ(¥715)のほか、カレープレートランチ(¥1,200)も人気。
音信川を間近に見下ろす『cafe and shop Tre』のカウンターは特等席。季節のシロップのソーダ(¥715)のほか、カレープレートランチ(¥1,200)も人気。
ライトアップされて艶っぽく光る夜の音信川。昼間とはまた違う風景を堪能できる。
ライトアップされて艶っぽく光る夜の音信川。昼間とはまた違う風景を堪能できる。
長門湯本温泉から車で20分ほどの俵山温泉。白猿がシンボル。
長門湯本温泉から車で20分ほどの俵山温泉。白猿がシンボル。

新旧が混在し、新しい魅力を得た温泉街へ。

 山口県北部の長門(ながと)市。ここに約600年の歴史を持つ、県内最古の温泉街がある。谷間を流れる音信(おとずれ)川に沿って、旅館や個人商店が並ぶ、長門湯本温泉。数年前から町を愛する人たちが集結して、懐かしい昭和の面影を残したまま、地域の人も観光客も喜ぶ再生プロジェクトが進められ、町並みはより美しくなり、移住者が開く店も増えてきた。
 まず訪れたいのは、長年この地で親しまれてきた町のシンボルである立ち寄り湯『恩湯(おんとう)』。2020年春に新設した建物の真下には泉源があり、住吉大明神より授けられたといわれる温泉のありのままの泉源を湯船に浸かって眺めることができる。岩盤から湧き出る湯は"神授の湯"と呼ばれ、約1mの深さのお湯で体を温めるのは、なんとも神々しくありがたい。地元民が一番風呂を目指してやってくるのもよくわかる。向かいのレストラン『恩湯食(おんとうしょく)』では、名産の長州どりや地元野菜など、素材の味を生かした料理があり、お風呂上がりの体にすっと優しく入ってくる。
 お湯と食の恵みに触れた後は、ギャラリー&カフェ『cafe&pottery 音』へ。長門は江戸時代から続く萩焼の産地でもあり、地元の深川窯を紹介する店では、代々、伝統的な技法を継承しながら、現代的なものづくりに挑戦する人たちの作品にも出合える。また最近では、『cafe and shop Tre(トゥレ)』やブリュワリー『365+1(サンロクロク) BEER』のように、移住して空き家を活用した店を開く人も多く、彼らの店も地元の人たちの暮らしになじみ、土地の魅力を高めている。さらに車でほんの少し足を延ばせば、湯治場で知られる俵山温泉もあり、ここにも焼き菓子の『ユーカリとタイヨウ』などができ、新しい息吹を感じられる。
 恵みの湯に浸かり、周囲の店を散策しながら、四季折々に変わる木々の色が美しい川沿いを歩く。川床で光と風を感じ、カフェでひと休みして……。そんなふうに暮れゆく一日を思い思いにのんびり過ごしていると、町の人の笑顔や風景から包み込むようなやさしさを受け取ることができる。温泉、器、食、その伝統と新しさが心地よく融合する町のおおらかさに、誰もが再びこの地を訪れたくなるのだ。

『cafe and pottery 音』店主の横山和代さん。地元の果物を使った季節のタルトや、焼き菓子などのスイーツも人気。
『cafe and pottery 音』店主の横山和代さん。地元の果物を使った季節のタルトや、焼き菓子などのスイーツも人気。
『恩湯食』(長門市深川湯本2270−5)の長門たまご鶏飯。ランチはマリネとフリットが付くセットで¥1,628。
『恩湯食』(長門市深川湯本2270−5)の長門たまご鶏飯。ランチはマリネとフリットが付くセットで¥1,628。
昔懐かしい商店『吉冨幸進堂』(深川湯本1031−2)のクリーム、つぶあん入りのワッフル(各¥140)は、ふんわりとやさしい味わい。
昔懐かしい商店『吉冨幸進堂』(深川湯本1031−2)のクリーム、つぶあん入りのワッフル(各¥140)は、ふんわりとやさしい味わい。
薬屋を改装し、タップルームを併設した、クラフトビールのブリュワリー『365+ 1 BEER』(深川湯本1247−2)。昔の『恩湯』から移設したネオンが目印。
薬屋を改装し、タップルームを併設した、クラフトビールのブリュワリー『365+ 1 BEER』(深川湯本1247−2)。昔の『恩湯』から移設したネオンが目印。
2階に『cafe and shop Tre』、1階に『瓦そば柳屋』(深川湯本1325−1)。情緒たっぷりの長屋で山口名物の瓦そば(¥1,342、写真は2人前)を。
2階に『cafe and shop Tre』、1階に『瓦そば柳屋』(深川湯本1325−1)。情緒たっぷりの長屋で山口名物の瓦そば(¥1,342、写真は2人前)を。
2階に『cafe and shop Tre』、1階に『瓦そば柳屋』(深川湯本1325−1)。情緒たっぷりの長屋で山口名物の瓦そば(¥1,342、写真は2人前)を。
2階に『cafe and shop Tre』、1階に『瓦そば柳屋』(深川湯本1325−1)。情緒たっぷりの長屋で山口名物の瓦そば(¥1,342、写真は2人前)を。
化学農薬を使用しない果物を作る『津田農園』(俵山1569)。
化学農薬を使用しない果物を作る『津田農園』(俵山1569)。
農園の栗畑で採れた百花はちみつ(¥1,500)。摘みたてのベリーで作るアイスも必食。
農園の栗畑で採れた百花はちみつ(¥1,500)。摘みたてのベリーで作るアイスも必食。
小坂ゆかりさんによる体にやさしいビーガンとバターの焼き菓子が並ぶ俵山の『ユーカリとタイヨウ』(俵山5042−2)。隣は夫・保成さんが営む自家焙煎コーヒー『COFFEE&ROASTER YAMA』。
小坂ゆかりさんによる体にやさしいビーガンとバターの焼き菓子が並ぶ俵山の『ユーカリとタイヨウ』(俵山5042−2)。隣は夫・保成さんが営む自家焙煎コーヒー『COFFEE&ROASTER YAMA』。
小坂ゆかりさんによる体にやさしいビーガンとバターの焼き菓子が並ぶ俵山の『ユーカリとタイヨウ』(俵山5042−2)。隣は夫・保成さんが営む自家焙煎コーヒー『COFFEE&ROASTER YAMA』。
小坂ゆかりさんによる体にやさしいビーガンとバターの焼き菓子が並ぶ俵山の『ユーカリとタイヨウ』(俵山5042−2)。隣は夫・保成さんが営む自家焙煎コーヒー『COFFEE&ROASTER YAMA』。
露天風呂のある部屋でゆったり過ごせる『別邸音信』(深川湯本2208)。ホームシアターが付いたメゾネットの部屋も。中庭を望むロビーの緑も美しい。
露天風呂のある部屋でゆったり過ごせる『別邸音信』(深川湯本2208)。ホームシアターが付いたメゾネットの部屋も。中庭を望むロビーの緑も美しい。
露天風呂のある部屋でゆったり過ごせる『別邸音信』(深川湯本2208)。ホームシアターが付いたメゾネットの部屋も。中庭を望むロビーの緑も美しい。
露天風呂のある部屋でゆったり過ごせる『別邸音信』(深川湯本2208)。ホームシアターが付いたメゾネットの部屋も。中庭を望むロビーの緑も美しい。
 
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Nagato Access Map

車で長門湯本温泉までは山口宇部空港から約1時間半、山陽新幹線の新山口駅からは約1時間。公営駐車場に停めて徒歩で主要エリアを散策できる。電車では、新山口駅からJR山陽本線の厚狭(あさ)駅へ約30分、JR美祢(みね)線に乗り換えて長門湯本駅まで約1時間。そこから中心部は歩いて10分ほど。福岡の博多・天神からのバスも、片道約2時間45分で毎日運行している。長門湯本温泉から俵山温泉へは車で約20分。

photo : Yayoi Arimoto illustration : naohiga text : Asuka Ochi

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