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石田ゆり子さんが大切にしている、ひとりの時間。ME TIME 私だけの、ひとりの時間。October 26, 2022

趣味や好きなことに没頭したり、心の奥にある内なる声と向き合ったり。自分のための「ひとりの時間」をしっかりとつくり、楽しむことは、ベターライフを送るために大切なこと。2022年10月20日発売の特集「私だけの、ひとりの時間」から、俳優・石田ゆり子さんの自分だけの時間の過ごし方を紹介します。

石田ゆり子 ひとりの時間_1
広々とした夢の島熱帯植物館の芝生広場。好きな植物というオリーブの木陰で過ごす石田さん。「深呼吸して、このまま上を向いて空を感じながら昼寝したいですね」

植物園を散歩する。

 まるでジャングルのように多種多様な植物が生い茂る、巨大なガラスドームの温室。わさわさと大きな葉を広げた木々に驚いたり、たわわに実った果物を仰ぎ見たり。エネルギーに満ちた植物を前に、思いのままに歩く石田ゆり子さん。ひとりの時間は、大木の下へ散歩に行きたくなるそう。
「昔から自然の中で過ごすのが好きですね。花や実を眺めるのも楽しいですが、心が疲れたときは、無性に大きい木に会いたくなります。人間の想像を遥かに超えて生き続けてきた巨木を見ると、神様のように思えてきて、〝ただ、一緒にいさせてください〞という気持ちになります」
 こういった豊かな緑に囲まれる時間がたくさん取れると理想的なんですけどね、とつぶやいた後で、ふだんは季節の変化が感じられる道をよく散歩するのだと教えてくれた。四季を感じられる場所にいると、緊張感やストレスから解放されるからだろうか、そこでふと、求めていたアイデアに出合えることがあるという。音楽活動をスタートして、初めて作詞を手がけた際もそうだった。
ミニアルバムに収録するオリジナル楽曲の詞を書くことになったのですが、部屋の中で頭を抱えても、なかなかいい言葉が浮かばない。〝もういいや〞と半ば諦めて散歩に出かけたんです。すると、パッとフレーズが降りてくるような感覚がありました。ひとりで歩いていると一定のリズムで景色が通り過ぎ、前へ、前へと移動している感じがして、脳が活性化していくんだと思います」

石田ゆり子 ひとりの時間_2
一番高いところで28mもある天井を覆うように、熱帯植物が林立する温室内。巨大なヤシや象竹など、石田さんも自然と見上げてしまうほどの迫力がある。

人と対等につながるために、ひとりの時間が必要。

 俳優業も音楽活動もチームで行うことがほとんど。多忙を極めると常に周りに人がいる環境だ。だからこそ、ひとりの時間が大事、と石田さん。
「昔からひとりで過ごすのは好きですし、人と対等につながるために、この時間が欠かせないと思っているんです。ひとりで過ごしているといろんなことを考えるし、自分を育てられる。そういう時間を持つことで、精神的に自立できると思います。逆に、たとえたくさんの人と関わり合っていたとしても、自立している者同士じゃないと仲を深められないとも思う。だから、きっと誰しもひとりの時間は必要なんじゃないかな」
 そして、ひとりは決して孤独ではない、とも。
「〈ほぼ日〉の糸井重里さんがよくおっしゃっている“Only is not Lonely”という言葉が好きで、よく思い出します。ひとりの時間は自分の中にいる自分と話しているから、私にとっては結構楽しいというか、にぎやかなことなんです。そう考えると、気が合わない人と無理して一緒にいるほうがずっと孤独で寂しい。嘘なく、取り繕わずに生きていたいですしね。もちろん、仲良くしていた人と疎遠になってしまったりすると悲しいです。ただ、人はそれぞれ個の存在だから、人と深く関わり合うなかでも最後は自分の足で立っていないといけない。たまに、〝どうして結婚しないんですか? 寂しくないですか?〞と聞かれることもありますが、ちっとも孤独ではないし、十分幸せ。マイペースに自分らしく生きられるってとても楽しいことです。そして、そう思えるのは、友達や仕事仲間、大事な人たちときちんとつながれているから。逆説的なようだけれど、ひとりの時間があるから、人と深く付き合える。そう思います」

ドームが連なる巨大な温室は北向きに立ち、地表に光の届きにくい熱帯の環境を再現。なじみのある品種から、マダガスカルや小笠原諸島の希少な植物までが所狭しと群生している。
ドームが連なる巨大な温室は北向きに立ち、地表に光の届きにくい熱帯の環境を再現。なじみのある品種から、マダガスカルや小笠原諸島の希少な植物までが所狭しと群生している。
季節によっては色鮮やかなランと出合える。▷ 『夢の島熱帯植物館』東京都江東区夢の島2‒ 1‒2 ☎03‒3522‒0281 9:30~17:00 月休(祝日の場合、翌日休) 入場料¥250(一般)
季節によっては色鮮やかなランと出合える。▷ 『夢の島熱帯植物館』東京都江東区夢の島2‒ 1‒2 ☎03‒3522‒0281 9:30~17:00 月休(祝日の場合、翌日休) 入場料¥250(一般)

ブラウス¥62,700、パンツ¥75,900(ともにフォルテ フォルテ/コロネット ☎03‒5216‒6518) リング¥114,400、パールピアス(右耳)¥53,900、パールピアス(左耳)¥46,200(以上ヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ ☎03‒3478‒1830) シューズは本人私物

photo:Ayumi Yamamoto styling:Miho Okabe hair & make-up:Tamae Okano text:Mariko Uramoto
※『&Premium』No. 108 2022年12月号「ME TIME / 私だけの、ひとりの時間」より

INFORMATION
ミニアルバム『リトルソング』/lily

 昨年12月、大橋トリオの楽曲「MAGIC」のカバーでスタートした、石田ゆり子の音楽プロジェクト「lily」。その大橋トリオが全曲プロデュースを手がけたミニアルバム「リトルソング」を10月26日にリリースする。「MAGIC」を除く収録楽曲はすべてオリジナルで、作詞はlilyが担当。そのひとつ、「ちいさなうた」はNHK『みんなのうた』10月〜11月の放映楽曲にも選出されている。11月3日には、大橋トリオデビュー15周年記念アニバーサリー公演『TRIO ERA2』にゲスト出演予定。透明感のある歌声と、優しいまなざしが窺える詞にぜひ耳を傾けてほしい。

ミニアルバム「リトルソング」
(スペシャルパッケージ仕様 CD+DVD))

発売日:2022年10月26日(水)
価格:6,600円
収録内容:
【CD】
1.MAGIC
2.うたかた
3.東京の空
4.Moment in the rain
5.ちいさなうた
6.ちいさなうた(instrumental)
【DVD】
1.lily music project making movie
レコーディング、J-WAVE『LILY’ S TONE』収録ゲスト:大橋トリオ(『うたかた』弾き語り含む)、スチール撮影などのメイキング。
2.うたかた〈Music Video〉
3.東京の空〈Music Video〉
(約42分)
【その他】
ミニ写真集(48ページ)、ステーショナリーセット(便箋12枚・封筒6枚)


俳優 石田 ゆり子

昨年末より“lily”名義で音楽活動をスタート。ミニアルバム『リトルソング』が10月26日に発売。11月3日には大橋トリオのライブ「TRIOERA 2」にゲスト出演予定。

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