たった1点の絵画が展示される空間で、多角的にその魅力に迫る。
ボッティチェリの《美しきシモネッタ》が『丸紅ギャラリー』に。December 26, 2022 /〔PR〕
丸紅が53年大切に所蔵してきた、
国内でただひとつのボッティチェリのテンペラ画に向き合う。
昨年11月に丸紅東京本社内にオープンした『丸紅ギャラリー』。その開館記念第3回展として、「ボッティチェリ特別展《美しきシモネッタ》」が開催中だ。サンドロ・ボッティチェリによる《美しきシモネッタ》は、《ヴィーナスの誕生》《プリマヴェーラ(春)》などボッティチェリの代表的な作品のモデルともいわれるシモネッタ・ヴェスプッチの横顔を描いた作品。古典技法である“テンペラ絵具”で描かれており、国内で唯一所蔵されているボッティチェリのテンペラ画だ。イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、そしてイギリスと、のべ5カ国を経て1969年に総合商社・丸紅が輸入した作品で、以来同社に53年間大切に所蔵されてきたものだ。
フィレンツェ一の美女と讃えられたシモネッタは、会期中の2023年1月28日に生誕570周年を迎える。記念すべきタイミングで公開されるこの貴重な絵画だが、展示はこの一作品のみ。様々に魅力が語られてきたシモネッタ自身の生い立ちや、絵の来歴、他のシモネッタの肖像画との比較による新たな推論など、この作品を深く堪能するための資料とともに楽しめる構成となっている。
イタリア・ルネサンスの詩人、アンジェロ・ポリツィアーノはシモネッタのことをこう謳っている。
彼女の眼にきらめくのは蜜のごとき静謐、
そこに潜むはキューピッドの松明、
愛に満ちたその目を振り向けると、
辺りの空気は清らかに澄みわたる。
(アンジェロ・ポリツィアーノ『スタンツェ(詩)第1編 第44節』)
数々の芸術家たちを虜にしてきたシモネッタに会いに、ぜひ足を運んでほしい。
ENENT INFORMATION
開催期間:開催中~2023年1月31日(火)
開館時間:10時~17時(入館は16時半まで)
休館日:日祝・年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:一般(大学生以上)500円
*現金不可。ICカード、クレジットカード決済のみ。
*障がい者手帳をお持ちの方と介助者の方1名は無料。
*きもの、浴衣など和装でのご来館の方は無料。
*入館料は全て社会福祉法人丸紅基金に寄付されます。
1858年の創業以来、丸紅は事業を通して蒐集した江戸期を中心とする染織品と染織図案や、1960年~70年代にアートビジネスに携わる中で入手した西洋絵画、そして染織図案の接点などから画家本人や画商を通じて蒐集された近代日本絵画などを「丸紅コレクション」として保有。2021年、東京・大手町に完成した新社屋に設けられたこの『丸紅ギャラリー』では、「古今東西の美が共鳴する空間」をコンセプトに様々なテーマで企画展を開催している。