森本千絵さん×坂本美雨さんがコラボしたオブジェのあるサードプレイス〈マチニワ〉。青森に“世界一大きな水飲み場”が誕生。 / September 07, 2018
森本千絵さんデザイン監修の多目的スペース。
1時間ごとに、坂本美雨さんの歌声に包まれる。
青森県八戸市に、中心街の回遊性を高めることを目的としたサードプレイス〈八戸まちなか広場 マチニワ〉がオープンした。プロジェクトのデザイン監修に携わったのは、《goen°》を主宰するアートディレクター、森本千絵さん。同県三沢市出身で、2011年に出版された写真集『八戸レビュウ』の装丁を手がけた縁もあり、今回のプロジェクトが実現した。
7月21日に開催されたオープニングイベントでは、森本さんも登壇。2015年に長女を出産した森本さんが、妊娠中に進行した唯一のプロジェクトだという。
「お腹が大きい時期に企画がスタートし、他の仕事をストップして、〈マチニワ〉のプロジェクトだけをやっていました。産まれてくる子どもと一緒に、この広場に来ることを夢見ていたので、娘とともにオープンを迎えられて嬉しい」と話した。
広場のシンボルとなる「水の樹」は、“樹”をモチーフにした大きな水飲み場。パイプの枝と、皿状の葉をつたって水が流れ、床面からは噴水やミストも出る仕組み。1時間ごとに、水と光と音による演出も行われる。このとき流れる音楽を手がけたのは、いずれも青森にゆかりのあるミュージシャン、坂本美雨さんとharuka nakamuraさん。坂本美雨さんの起用については、親交の深い森本千絵さんが発案したものだ。
「坂本美雨さんは故郷が青森で、私は三沢。私たちは、いつもそんな故郷の話をしながら親交を深めてきました。今回の企画は、坂本美雨さんの歌声を聴きながら考えたので、『水の樹』をつくるための葉脈のようなものは、坂本美雨さんの“声水”によるものだと思っています」
〈マチニワ〉は、区分けされた3つの広場とステージ、2階デッキからなり、出入りは自由。森本さんは、「これからイベントをはじめ、楽しいことがたくさん待っている場所。水の波紋を花のように広げて、みなさんでつくっていってほしい」と締めた。今後は、フードイベントやライブパフォーマンス、ワークショップなど、さまざまなかたちで活用されていく予定だ。
photo&text:Chihiro Kurimoto