Event

ジュエリーと宝飾芸術の学校『レコール』が日本でも開講。
L’ÉCOLE supported by Van Cleef & Arpels
2023.2.24〜3.10 @東京・京都芸術大学 外苑キャンパスJanuary 20, 2023 / 〔PR〕

ヴァンクリーフ&アーペル レコール L’ÉCOLE Van Cleef & Arpels

2012年、パリに創設されたジュエリーと宝飾芸術の学校『レコール』。4年ぶりに日本に上陸し、2月24日から3月10日まで開校する。ジュエリーの歴史と文化、職人の技を学ぶことができるパリ本校を訪ねてみた。

ヴァンクリーフ&アーペル レコール L’ÉCOLE Van Cleef & Arpels
ヴァンドーム広場の裏通りに佇む『レコール』本校。地下1階にジュエリー にまつわる展示を行うギャラリーがあり、多くの人が出入りする。

ジュエリーの世界を学ぶことで、観察眼も磨かれていく。

フランス・パリのヴァンドーム広場からすぐの場所にある、ジュエリーと宝飾芸術の学校『レコール』。ヴァン クリーフ&アーペルの支援のもと、宝飾芸術の世界を一般に向けて紹介する世界初のジュエリーの学校として、2012年に創設された。以来、老若男女問わず、ジュエリーに興味がある人々が熱心に講座を受けている。ここでは、ジュエリーの芸術史、原石の世界、 サヴォアフェール〈匠の技〉の3つの カテゴリー内にいくつかの講座があり、単発で自由に選ぶことができる。

まず受講した講座は、サヴォアフェール〈匠の技〉を学ぶ「デザインから模型制作まで」。まずは蝶のデッサンやトレース、ダイヤモンドのグワッシュ画を描くことからスタート。線と絵の具の濃淡でジュエリーの立体感や輝きをどう表現するかを教えてくれる。実際の現場で蝶のジュエリーをデザインするときは、実物や絵などの資料をたくさん見てインスピレーションを受けた後にデザインを描き、形や色を決めていくという。デッサン後は、10分ほどのコーヒーブレイク。休憩室にはドリンクや軽食が並び、講師と雑談しながら楽しい時間を過ごすことができる。そして、いよいよ模型制作へ。糸鋸が設置された作業台へ移動して、一枚の錫の板を蝶の形に切り抜いていく。 実際の職人でもある講師が丁寧に教えてくれるので、初心者でもすぐにコツを掴める。切り抜いたら、形を整え、ストーンを付け、模型が完成。あっという間に全4時間のクラスが終了した。

「デザインから模型制作まで」の講座では、グワッシュ(不透明な水彩絵の具)でダイヤモ ンドを描く練習も。細かい線や点で立体感や輝きを出し、ジュエリーを二次元で表現。
「デザインから模型制作まで」の講座では、グワッシュ(不透明な水彩絵の具)でダイヤモ ンドを描く練習も。細かい線や点で立体感や輝きを出し、ジュエリーを二次元で表現。
デッサンをする部屋には、ジュエリーのデザイン画がたくさん飾られている。
デッサンをする部屋には、ジュエリーのデザイン画がたくさん飾られている。
糸鋸を使って蝶の形に切り抜く。この後、立体感を出し、ポリッシュし、 ストーンを付けて、模型が完成。
糸鋸を使って蝶の形に切り抜く。この後、立体感を出し、ポリッシュし、 ストーンを付けて、模型が完成。
完成形はこちら。糸鋸で切った後、形を整え、やすりで表面を磨き、ストーンを配置する。
完成形はこちら。糸鋸で切った後、形を整え、やすりで表面を磨き、ストーンを配置する。

原石の世界やジュエリーの芸術史についても。

次に受けたのは、原石の世界から「原石を知る」コース。サファイア、トルマリン、アメジストなどの石が各2つずつ出てきて、ルーペを使い、形や色の透明度をじっくり観察する。ハイジュエリーの世界では、透明度が高く、形がきれいで、色が強いほうが好まれる。ただ、形が良くても透明度がければ、一般的に価値は下がるが、、不揃いな形や色を個性と捉えれば価値が上がることもある、などといった宝石を選ぶ際に参考になる情報をインプットできる。鉱石がどのように誕生し、どう採掘されるか、ダイヤモンドや石の評価制度についても教えてくれる。

ジュエリーの芸術史からは「ゴールドとジュエリー:古代からルネッサンス期の君主まで」を体験。歴史上のあらゆる権力者がどのようにして宝飾品を身に着けてきたかを、様々な資料を通して解説してくれる。古代エジプトの王ファラオの絵や中世の教会画などに描かれている王冠にも、様々な金や銀、宝石が使われていることがわかり、ジュエリーの観点から見ると、興味深い発見がたくさんあることに気づく。

ジュエリーを通して、歴史や芸術、そして生物の形を再現する工芸技巧を学ぶことは、日々の暮らしでの観察眼が磨かれていくことにもつながるはず。日本でもパリ本校と同じ講座を受けられるので、この機会に学んでみては。

宝石学の初歩を身につける「原石を知る」コースでは、同じ石でも微妙に違いがある 2 つの石を、ルーペやライトを使い、あらゆる角度から観察する。
宝石学の初歩を身につける「原石を知る」コースでは、同じ石でも微妙に違いがある 2 つの石を、ルーペやライトを使い、あらゆる角度から観察する。
ルーペを使い、じっくりといろんな原石を観察する。
ルーペを使い、じっくりといろんな原石を観察する。
ジュエリーの芸術史について学ぶ講座では、 世界におけるジュエリーの歴史を解説してくれる。最後にクイズでおさらいも。
ジュエリーの芸術史について学ぶ講座では、 世界におけるジュエリーの歴史を解説してくれる。最後にクイズでおさらいも。
貴重なアンティークのゴールドジュエリーなども見せてくれる。ルーペで隅々まで観察していく。
貴重なアンティークのゴールドジュエリーなども見せてくれる。ルーペで隅々まで観察していく。

パリ本校と同じ講師から学べる、18講座。

パリ本校と香港にも拠点を置くジュエリーと宝飾芸術の学校『レコール』が、2月24日から 3月10日まで東京の京都芸 術大学 外苑キャンパスで開講する。プログラムはすべてパリ本校と同じで、本校で活躍するそれぞれの分野の専門家である講師や職人によって行われる。プログラムは、ジュエリーの芸術史、原石の世界、サヴォアフェール〈匠の技〉と大きく3つに分類され、そのなかに様々な講座がある。今回は、日本初登場の4講座を含む計18講座を受講できる。複数回行われるため、興味に応じて、好きな数、好きな順番で、講義 を組み合わせることができるのも嬉しい限り。ほかに、6~16歳を対象にした「若い世代に向けたワークショップ」や、 ジュエリーに関連する多彩なテーマを語るインタラクティブトーク「イブニング カンバセーション」も行われる。 会場の内装は、建築家・藤本壮介がデザイン。『レコール』 が掲げるサステナブルの理念に基づき、2019年の日本開講時と同じ木材を使用した空間に。休憩スペースやジュエリーに関する書籍を集めたライブラリーもあり、リラックスした場で学ぶことができる。ジュエリーの奥深い歴史や原石に触れる体験、そして職人技を体験できるチャンスをお見逃しなく。

INFORMATION

開講日程:2023年2月24日(金)~3月10日(金)
場所:京都芸術大学 外苑キャンパス(東京都港区北青山1-7-15-2F)

Art History of Jewelry ジュエリーの芸術史
古代から現代に至るまでのジュエリーの変遷を、歴史と美学の両面から探 る。「ジュエリーの歴史:ルイ14世からアールデコまで」「ジュエリーの力:護符、魔除け、幸運のお守り」(ともに 4時間/¥28,000)のほか、日本初登場「ジュエリーで世界一周」( 2時間半/¥14,000)など、全7講座。

The World of Gemstones
原石の世界
観察や実験を通して、宝石の魅力を学ぶ。識別方法、評価手法なども教え てくれる。日本初登場「ルビー:燃えるように妖艶な石」のほか、「原石 を知る」「石を選定する「ダイヤモンドの魅力1:歴史と伝説」「ダイヤモンドの魅力2:科学と宝石学」(すべて4時間/¥28,000)の全5講座。

Savoir-Faire サヴォアフェール〈匠の技〉
デッサンから模型制作、宝石のセッティングやハイジュエリーにおけるグワッシュ画など、ジュエリー制作を支える職人たちの技を実際に体験することができる。「宝飾職人の手仕事を知る」(2時間/¥14,000)、「フランスのジュエリーから日本の漆芸まで」(4時間/¥28,000)など、全6講座。

詳しい講座内容や料金、申し込みは、レコール日本特別講座 公式サイトにて。

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