BOOK 本と言葉。
「金継ぎ部」を主宰する漫画家・堀道広さんの最新単行本『金継ぎおじさん』が発売。February 05, 2024
当サイトで大人気の連載作品がついに単行本に。 金継ぎおじさんとの出会いが、人生の綻びを修復してくれる。
漆作家としても活躍する漫画家・堀道広さんの連載「金継ぎおじさん」が単行本として刊行された。金継ぎ師の繕井継男(つくろい つぎお)が自らの生業である「金継ぎ」を通して、いろんな「欠け」を抱いた人たちと出会うさまを描いている本作は、当サイト、及びマガジンハウスのweb漫画サイト『SHURO』で同時連載中。単行本の装丁は名久井直子さんが担当。白磁をスキャンしてデザインしたという艶やかな白色に、金がアクセントとなった手触りのある一冊となっている。
「金継ぎ」は、割れや欠け、ヒビなど、陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で仕上げる日本の伝統的な修理技法である。一口に「金継ぎ」と言っても、器の形や欠け方に合わせて、その継ぎ方は様々。金継ぎおじさんこと繕井継男は、こだわりと信念を持って、器と人に寄り添いながら金を継ぐ。筆者の堀さんは「読んでほっこりしてもらいたい作品です。大らかな目で見てください。」と語る。日常のほつれをも繕ってくれる、素朴で滋味に溢れた「金継ぎ」をめぐる物語の詰まった一冊を、ぜひ手に取ってほしい。