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写真家・川内倫子の大規模個展が開催。「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」@東京オペラシティ アートギャラリーOctober 07, 2022
アイスランドや北海道、そして日常を切り取った〈M/E〉シリーズをメインとした展覧会。
柔らかい光をはらんだ淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命が持つ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けている写真家・川内倫子。国内の美術館で約6年ぶりとなる大規模個展が2022年10月8日(土)から12月18日(日)まで開催される。
この10年の活動に焦点を当て、未発表や国内であまり紹介されてこなかった作品を織り交ぜながら、写真にとどまらない表現も含めて発表する今回の展覧会。展覧会タイトルでもある〈M/E〉は、本展のメインとなる新作シリーズ。〈M/E〉とは、「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」でもある。アイスランドや北海道の氷河や雪景色と、コロナ禍に自宅周辺で撮影した家族や生き物の姿などの身近な風景など、ミクロとマクロの視点から自然の姿を写しとっている。
この〈M/E〉シリーズのほか、〈4%〉、〈An interlinking〉、〈光と影〉、〈あめつち〉、2011 年に発行された写真集『Illuminance』の映像作品として発表されて以来、展示のたびに更新されていく〈Illuminance〉シリーズを展示する。
日本初公開の〈4%〉シリーズ。
ロサンゼルスのアーティストインレジデンス「THE LAPIS PRESS」でのコミッションとして、2011 年にサンフランシスコ、2012 年にロサンゼルスにそれぞれ滞在して制作された〈4%〉シリーズ。日本では初公開となり、球体や水平線など、宇宙をイメージさせる被写体が多く登場。
6×6の正方形フォーマットで撮影された〈An interlinking〉シリーズ。
日常にあるイメージや小さな命の姿を、ローライフレックスの6×6フィルムで捉えたシリーズ〈An interlinking〉。過去20年以上にわたって撮影されたアーカイブから、今回の展示のために構成した未発表を含む作品群を紹介。
2011年4月、震災後に生まれたシリーズ〈光と影〉。
2011年4月、友人の写真家の案内兼通訳として訪れた宮城県石巻、女川、気仙沼、陸前高田で白と黒のつがいの鳩と出会ったことで生まれた作品シリーズ〈光と影〉。生と死、相反するものが同時に存在する世界を象徴するかのような2羽の鳩の姿を写している。本展ではスライドショーで展示予定。
阿蘇で行われる野焼きの写真を中心にした〈あめつち〉シリーズ。
熊本県阿蘇で古くから行われてきた野焼きを、4×5のフィルムカメラを用いて撮影したシリーズ〈あめつち〉。 野焼きに加え、イスラエルの嘆きの壁など、自然への畏怖と人間の祈りや「捧げる」という行為に焦点を当てた作品も含まれている。
これらの写真シリーズだけでなく、映像作品や2018年に出版した写真絵本『はじまりのひ』を朗読したサウンドを取り入れるなど、展覧会全体がひとつの体験になるよう構成されている。会場デザインを手がけるのは建築家・中山英之。「自分が作品を制作する際に感じた感覚や経験を、展示空間において鑑賞者と共有したい」という川内の想いに応えた空間を作り上げている。
写真や映像、そしてサウンドと五感で体感できるこの展覧会。きっと人間の命の営みや自然との関係を問い直す機会になるはず。
INFORMATION
会期: 2022年10月8日(土)〜12月18日(日)
時間: 11:00〜19:00(入場は18:30まで) 月休(祝日の場合は火休)
会場: 東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティ アートギャラリー)
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
関連イベント
日時:11月3日(木・祝)19:30〜/11月4日(金)9:00〜
会場:東京オペラシティ アートギャラリー 展示室内
定員:30 名(事前申込)
参加費:無料(展覧会の入場料要)
予約方法の詳細およびその他の関連イベントについては、会場及びウェブサイトで案内