FOOD 食の楽しみ。
唐津の恵みと器で、
毎日の食卓をもっと豊かに。November 04, 2022 /〔PR〕
料理家の渡辺有子さんが
豊かで新鮮な唐津の食材で作り出す、
シンプルでとびきりおいしい3つのおかず。
3人の唐津焼作家の器とともにご紹介します。
おいしいものと、窯元めぐり。
渡辺有子さんが旅した唐津の記憶と、
秋を味わう3品。
「街中には昔懐かしい風情も残っていて、少し車を走らせれば海や山も。美しく豊かな自然が身近に感じられる唐津は、訪れるたびにほっとします」
料理家としての活動の傍ら、器をはじめ、食にまつわるアイテムを選りすぐった店『FOOD FOR THOUGHT』のディレクターも務める渡辺有子さん。焼き物の産地として知られる佐賀県の唐津市は、何度か訪れたことのある町で、窯元めぐりを楽しんだという。唐津焼の窯元は、唐津駅から歩いて訪れることができる窯から山間部の窯まで、広い地域に点在している。
「いくつかの工房を訪ね、作陶の現場を見学したことも。唐津焼にはいろんな作風の器があるので、窯元をめぐる際はいつもわくわくします」
また、気候風土に恵まれた唐津は、魚や肉、野菜、果物などの産物もじつに豊富。渡辺さんも滞在中、存分に満喫したのだとか。
「〈隆太窯〉の器などで提供される『洋々閣』のように、唐津焼で食事が楽しめるお店も少なくないですし、〈川島豆腐店〉のざる豆腐など、おいしいものをたくさんいただきました。とくに忘れられないのは魚介類。地元で人気の寿司店で食べたお寿司は、ネタがどれも新鮮で感動しました。仕事で訪れた際には、地元の食材を使って即興で料理をしたこともあるのですが、その買い出しで訪れた道の駅には、イキイキとした野菜や果物がたくさん並んでいて。夢中になってあれこれと買い込みました」
今回渡辺さんが作ってくれたのは、秋の味覚を中心にした唐津の新鮮な食材を使った、シンプルな3つの料理。それを盛り付けたのは、個性もさまざまな唐津焼作家の器だ。
「梨や白いきくらげ、黒いちじく、自然薯…。今回のレシピで使った唐津の食材は、旨味がしっかりしているものばかり。だから、手を加えすぎず、できるだけ素材の味を最大限に生かしました。器はそれぞれのメニューに合わせて、キャラクターが全く違う3枚を。豊かな食材や多種多様で包容力のある唐津焼を食卓に取り入れて、唐津をぜひ感じてほしいですね」
「梨と白きくらげの和え物」
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材料(作りやすい量 2〜3人分)
- 梨…1/2個
- 白きくらげ…120g
- 昆布…3cm角
- 水…400cc
- 米酢…大さじ1
- 塩…小さじ1
- 青レモン…適量
- ポットなどに水を入れて昆布を浸し、冷蔵庫で半日以上置いてから、酢と塩を加える。
- 白きくらげは石突きのかたい部分を取り除き、沸騰したお湯で1分半ほど茹でる。ザルにあげて水気をしっかりきったら、食べやすい大きさに切る。
- 梨は半分に切り、芯を取り除き、皮を剥く。さらに、横半分に切り、それぞれを5、6等分に薄切りする。
- バットなどに2と3を入れ、1を流し入れ、冷蔵庫で1時間〜半日程度漬けて、味を染み込ませる。
- 冷蔵庫から取り出し、器に盛り付けたら、その上に青レモン(かぼすやすだちでも可)の皮を削ってちらす。
「いちじくとフレッシュチーズのサラダ」
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材料(2人分)
- 黒いちじく…4個
- カッテージチーズ…60g
- セロリ(葉付きの柔らかくて細い茎の部分)…1/6本
- 粗塩…適量
- 紫黒米酢(なければ普通の黒酢でも)…小さじ2
- オリーブオイル…小さじ4
- 黒いちじくの皮を剥き、横半分に切る。
- セロリの筋を取り、茎の部分は薄切り、葉は細切りにする。
- ボウルにカッテージチーズと2のセロリを入れ、さっと合わせる。
- 1の上に3をのせ、紫黒米酢、オリーブオイルをかけて、粗塩をひとつまみふる。
「自然薯あげ」
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材料(2〜3人分)
- 自然薯…約1/4本(約300g)
- 米油…適量
- 塩…適量
- からすみパウダー(好みで)…適量
- 自然薯は1/3を8mm角に切り、残りの2/3はすりおろし、ボウルに入れてざっくりと混ぜ合わせる。
- 1をスプーン2本を使って掬い、軽く形を整えてから高温で熱した米油に落とし入れ、片面ずつさっと揚げる。
- 表面に軽く揚げ色がついたら、油をしっかりきりながらバットなどに取り出す。好みの量の塩、からすみパウダーをふる。
唐津の土地が育む、
味わい深い食材の数々。
九州の北西部に位置し、玄界灘に面した佐賀県唐津市。海と山に囲まれた温暖な場所で、魚介類だけでなく、米や野菜、肉牛など農畜産物にも恵まれた食材の宝庫だ。
真砂土(赤土)にこだわり、日本で初めて自然薯の無農薬栽培に成功したという〈ささき農園〉や、きれいな水と昼夜の寒暖差が甘味を育む蕨野エリアの棚田米……。豊かな自然を生かした独自の方法で作物を栽培するこだわりの農家も数多い。また、海に面した山の斜面や、内陸の標高の高い山中などではフルーツの栽培も盛ん。今回の料理に使った梨やいちじくのほか、生産量全国一のハウスみかんをはじめとした柑橘類やイチゴなど、年間を通してさまざまな果物が楽しめる。
「食材が豊富な唐津ですが、フルーツの生産量が多いことは実は知りませんでした。でも今回、農家さんが心を込めて育てた新高梨や黒いちじくを使ってみて、納得がいきました。味がしっかりとしていて、本当においしいんです。次回、唐津へ行くときには、ぜひ生産者のみなさんを訪ねてみたいですね」
おいしさを引き立てる、
唐津焼の器について。
「料理が映え、日常的に使いやすい竹花正弘さんの白磁。存在感のある戸川雅尊さんの絵唐津や中川恭平さんの朝鮮唐津は、食卓に彩りを添えてくれるので一枚持っていると面白い。個性はまったく違うけれど、それぞれがとても魅力的です」
今回の料理の盛り付けに選んだ3人の唐津焼作家の器を手に取り、そう語る渡辺さん。唐津焼は安土桃山時代から続く伝統工芸であり、西日本一帯では焼き物全般を「からつもの」と呼ぶほどその名は広く知られていた。しかし、藩の庇護を失い明治時代に一時衰退。その後、人間国宝の中里無庵が古唐津の技法を復活させたことで、再び息を吹き返したという長い歴史を持つ。そんな唐津焼の特徴は、粗めの土を使った素朴で力強い佇まい。だが、それだけではなく絵唐津、斑唐津、黒唐津、朝鮮唐津、三島、粉引など、土の性質や釉薬、技法によってさまざまな器が作られているのも魅力のひとつだ。最近は若手作家も増えており、バリエーションはさらに多彩になっているという。
「器も洋服と同じように、季節ごとに衣替えをしたり、気分に合わせて大胆にコーディネートしたり、年齢を重ねて大人っぽくしたりと、幅を広げて自由に楽しんでいいと思っています。そういう意味でも、唐津焼はバラエティに富んでいるからこそ、好みの器を探すのにぴったりです。新たな発見も多く、器選びの冒険もしやすいのではないでしょうか」
日々の食卓を、さりげなく引き立てる唐津の器。滋味深い食材の数々。豊かな自然に育まれた“唐津のいいもの”は、自分らしい暮らしに、そっと寄り添ってくれるはず。
渡辺有子 Yuko Watanabe
料理家。旬の素材を生かした滋味深いシンプルな料理が人気。センスある暮らしぶりも注目を集めている。アトリエ〈FOOD FOR THOUGHT〉では料理教室やイベントを開催するほか、食にまつわるアイテムをセレクトする同名のショップも営む。本誌連載をまとめた別冊『私の料理教室ノート。』が発売中。近刊は『渡辺有子のおいしさのもと』(文化出版局)https://foodforthoughttokyo.com
INFORMATION
「唐津の食と器」
開催期間:2022年11月12日(土)11:00〜18:00、13日(日)11:00〜17:00
場所:二子玉川 蔦屋家電 2F E-room(東京都世田谷区玉川1丁目14番1号 二子玉川ライズ S.C.)
渡辺有子さんトークイベント
日時:2022年11月13日(日)14:00〜15:00
場所:二子玉川 蔦屋家電 2Fイベントスペース
参加方法:事前申し込み制、定員20名。二子玉川 蔦屋家電の公式サイトのイベント詳細ページから申し込みを。参加者多数の場合は抽選となります。*ライブ配信はこちらから。
トークイベント応募はこちら
●イベント問合せ/二子玉川 蔦屋家電
photo : Taro Hirano text : Kazuyo Nojiri