LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
不調の“根っこ”と対話する、東京・渋谷の漢方薬店『LAOSI』。August 27, 2025
&Premium138号(2025年6月号)の「新しい暮らしに出合える、店ともの」は、まだ見ぬアイテムや、新鮮な暮らしのスタイルに出合える13軒が登場。ここでは、東京・渋谷の漢方薬店『LAOSI』をwebで特別に公開します。

東京・渋谷の“奥渋”エリア。メインストリートから一歩入った裏道にからだとこころの不調や悩みを相談できる漢方薬店『LAOSI』がある。街の薬局という風情ではなく、お茶を飲みながらリラックスできる空間だ。店主は管理薬剤師の松浦尚子さん。両親が漢方薬局を営んでいることもあり、日常的に漢方に触れ、養生の知見を深めてきたスペシャリストだ。彼女のカウンセリングは「診断」というよりも「対話」という言葉が似合う。
「『ここが不調です。では、この漢方を処方します』ということはしたくなくて。不調は生活習慣や食事、思考の癖によるものなので、問題と深く向き合う根本的なサポートが大事。問診はからだの悩みを伺って、舌診もします。舌は体調の答え合わせのようなもの。『胃腸は元気です』と言うお客様の舌を診ると、実際はすごく疲れていたりすることも。ご自身が感じている不調とからだの状態が異なっていることはよくあることです」
店内の什器には植物由来の生薬と動物由来の生薬がずらりと並ぶ。それだけではなく、「養生」をサポートするお茶、日々の食事に取り入れたい栄養価が高い発酵食品、入浴剤やワイルドフラワーエッセンスなどのセルフケアアイテムも揃う。
「すべての方に漢方を処方するわけではありません。人間は基本的に自然治癒力を備えていて、その力を最大限に引き出す作業が大切だから」
今は情報が溢れているせいで、大事にすべきことが見えなくなっている、と松浦さんは続ける。
「からだにいい食べ物を足し算的に取り入れる人が多いですが、かえって逆効果になることも。からだの状態は人によって異なるので、よかれと思ってやったことが、合わないこともあります。まずは、不調の原因を知ることが第一歩。少しの不調なら食事や生活習慣を変えてケアするだけで良くなります。自分の力で季節に合ったケアができるようにお手伝いをすることが、私の使命です」
Shop DataLAOSI

東京都渋谷区神山町42−9 ☎なし 営業の詳細はInstagram(@laosi.ph)にて。店内ではよもぎ蒸しの体験もできる。
photo : Mitsugu Uehara edit & text : Seika Yajima