料理家・麻生要一郎さんが選ぶ、本当に使いやすいキッチン周りの消耗品。December 17, 2025

工夫とアイデアに溢れた台所を訪ねた&Premium145号（2026年1月号）「料理好きの台所」より、料理家・麻生要一郎さんが台所のストックスペースに常備している愛用品を教えてもらいました。

麻生要一郎さんが求める消耗品は、適切なプライスで日常的に買いに行ける身近な場所にあるもの。「これがいい、と満足のいくものに出合うまでいろいろと試します。それでようやく見つけたのに遠くまで出かけないと買えない、みたいな状況になるのがすごく嫌なんです」。だからこそ、近所にあるもの、もしくはオンラインで手に入るものに絞っている。「量を使うものでもあるので、散歩がてら出かけて、ふと買って帰れるのがいい。日常をともにするものなので、気負わないものであってほしいと思います」

家から歩いていけるところに『紀ノ国屋』があって、いつもそこで買っています。サイズ違いで揃えていて、丈夫でマチがあるのが気に入っています。肉の下処理にはLLかLサイズが扱いやすい。友人がこのジッパーバッグに煮た豆などを入れて持たせてくれて、自分も真似してみようかなって。人が使っているのを見て良さそうだと取り入れることも多いです。

スポンジっていろいろ謳い文句があるけれど、使い比べても自分にはそれほど違いがわからなくて。その点、このあざらし形は愛らしいし、細長くて持ちやすい。尻尾の先で細かい部分も洗えるし、けっこう機能的でもあるんです。それに急いでいるとつい、ガチャガチャ洗ってしまいそうになるけれど、あざらしと目が合うと優しく扱おうという気になります。

これは100円均一ショップ『Seria』で購入しているもの。意外なことにメイド・イン・ジャパンなんです。野田琺瑯の保存容器に入れることも多いのですが、こちらはカットしたフルーツを入れておいたりなど、もっと手軽に使っています。また、例えば佃煮を作ったときなど、ちょっとしたものを人に差し上げるときも気楽に渡せるので助かります。

食器を拭くふきんも手拭いだったり、タオルだったりといろいろ使ってみましたが、これが一番吸水が良くて、洗濯しても形崩れをしないので、今はこれに落ち着いています。ケバ立ちもしないですね。ふきんも消耗品なのでそれほど高価なものは使っていられない。これは洗っても洗っても丈夫だし、手に届きやすい価格で、とても気に入っています。

調理の後、残った食材を入れた袋を留めるのに使っているクリップで、最近はこれがいいな、と思っています。パッとやりたいときにきちんと留められないと残念な気持ちになるけれど、こちらだとうまくいくんです。けっこう厚みのある袋でも失敗することがないので、心穏やかに過ごせます。片手でもパチッと簡単にツメに引っ掛けることができます。

薬草としても使われる月桃から抽出した成分を使った、抗菌作用のあるスプレーです。友人でもある青山有紀さんの運営している『青家』が提携している、自然栽培の月桃畑で育ったもので作ったそう。自然素材なのでキッチンまわりやテーブル拭きに使っても安心だし、匂いも爽やかです。パッケージに余計な文言がなくシンプルだから、落ち着いて使えます。

生ゴミ入れは、まず穴が開いていてちゃんと水が切れること、そして自立することが大事で、いろいろと探した結果、これになりました。作業をしていてもふにゃっと倒れることもないし、ポリエチレン製で破れない。口も広めなので使いやすいです。すべて終わったら口を閉じて、袋状に折ってストックしてある新聞紙に入れて捨てます。

photo : Kenya Abe edit & text : Wakako Miyake