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フードコーディネーター・長尾智子さんが選ぶ、本当に使いやすいキッチン周りの消耗品。December 15, 2025

工夫とアイデアに溢れた台所を訪ねた&Premium145号(2026年1月号)「料理好きの台所」より、フードコーディネーター・長尾智子さんが台所のストックスペースに常備している愛用品を教えてもらいました。

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愛用の道具が並ぶ台所。消耗品のパッケージは処分して、使いやすくまとめる。

余裕を生むための、始末のいいもの。

「料理から派生するものにそれほど手間をかけたくないんです」という、長尾智子さん。消耗品もその理にそって選ぶことが多い。「料理を熱心にするのと同時に始末のいい感じがあったほうが余裕が生まれる。私は洗いものが大好きなのだけど、それすらちょっと楽になったら、ぼんやりする時間が増えてその分ゆっくりお酒を飲むとか、もう一品作ってみようとか、次につながる気がするんです」。料理をする過程に100%の力を注ぐのではなく、自分に余裕をもたせる。それを支えてくれるのが、使いやすい消耗品や道具の存在だ。

TO COOK 調理する

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クッキングシートがあると、蒸しあがった食材を皿に移すときも四隅を持って持ち上げるだけでOK。

25㎝の幅が、蒸籠の大きさにも合って使いやすい。

クッキングシートは22㎝の蒸籠で蒸すときなどに使います。直置きでもいいのだけど、前に食材の色がつきすぎて取れなくなったことがあるので、そういうのを気にしたくなくて何かしら敷くようにしています。このシートは幅がちょうどいいんです。小さめに切って冷凍したパンをオーブンで温めたり(150℃で約10分)、ラッピングする際にもよく活用しています。

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茶色い紙のクッキングシート

無漂白の耐油紙を素材としたクッキングシートは、耐油性に薬品を使用していないので、安心して料理に使える。落とし蓋やラッピングペーパー代わりにも適する。[25㎝× 5 m]¥398*参考価格(アルファミック ☎03‒3642‒1121)

TO WASH 洗う

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ザルはお湯を流しながらこれでこするだけできれいになる。コップの茶渋取りにもいい。

網目に詰まった細かい欠片もきれいにかき出せる。

京都の棕櫚箒(しゅろほうき)、棕櫚たわし専門の老舗『桔梗利 内藤商店』のもので、京都に行った際に買い物をしてきます。小さいタイプと大きいタイプを持っているのですが、こちらは小サイズ。手頃な値段で、デザインが気にならないというのが一番の良さ。この細いタイプは、ザルの目に詰まったものを取り除くのにとてもいいんです。ストレスなく洗い上がります。

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棕櫚の切りわら形たわし

京都三条大橋のそばにある、1818年創業の老舗。棕櫚の箒やたわしのほか、自然素材の日用品を扱っている。職人が一つ一つ手作りしているので、時期によっては在庫切れの場合もある。小¥1,180(桔梗利 内藤商店 ☎075‒221‒3018)

TO STORE 保存する

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余ったナッツやティーバッグは小さめのフリーザーバッグに。右の「お手軽バッグSS」は終売。

半端な食材を一時的に保存するのに使いやすい。

食材を一時保存するときにはこちらが登場します。特にSのサイズ感が半端に残ったものを短時間、しまっておくのに使いやすい。いいのは、まず中身が見えること。冷蔵庫に入れておいてもしまい込んで忘れることがない。あと、開口部が広いのでいろいろなものを入れやすい。ティーバッグも大きい袋に入れたままだと邪魔なので、ささっと移し替えてしまいます。

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ジップロック®フリーザーバッグ

冷凍から電子レンジ解凍までできるジッパーバッグの王道。小さいサイズは小分けにも便利で、残りものをちょっと保管しておくのにちょうどいい。S 20枚入り¥259*編集部調べ(旭化成ホームプロダクツお客様相談室 0120‒065‒402)

TO WIPE 拭く

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曇らないのでグラスを拭くのはこれが活躍。時間のあるときに畳んで置いておくのが長尾さん流。

消費が激しいだけに、何度も使えるのが嬉しい。

一枚を何度も使いまわしします。最初はグラスを拭いて、最後はフライパンの油を拭き取ったり、シンクを拭いて捨てます。3、4回は使うんじゃないかな。エンボスになっているのでくっつかなくて拭きやすいんです。ロールになっていますが、都度カットするより、私は時間をみて四つ折りに畳んで置いておきます。そうするとさっと使えるのでおすすめです。

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スコッティ ファイン 洗って使えるペーパータオル

布のような丈夫さと、紙の吸水性を併せ持つペーパータオル。使い捨てと思いがちなアイテムを繰り返し使えて経済的。〝拭く〞行為のすべてを請け負ってくれる。70カット1 ロール¥493*編集部調べ(日本製紙クレシア www.crecia.co.jp

TO PUT AWAY 片付ける

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耐久性があるうえ、コードが短くても長くても美しくまとめられるので重宝している。

調理家電のコードを気持ちよくまとめる。

小さい家電をけっこう持っていて、この〈クイジナート〉のグラインダーもすごく使い勝手がいいんです。なので登場することが多いのですが、片付けるときにコードが整っていないと嫌なんです。〈無印良品〉のバンドはコード類をまとめるのに機能的。くるくるっと巻いて輪っかに引っ掛けるだけ。シンプルで落ち着いた色なのも台所に馴染みます。

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シリコーン マルチバンド

コードのほか、食材の袋留めにも使える、シリコーン製の結束バンド。湯煎作業から冷凍庫まで対応する。4色入っているので、留めるものに合わせて分別するのにも適している。12本入り¥290(無印良品 銀座 ☎03‒3538‒1311)

TO CLEAN 掃除する

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適度な硬さと重さで持ちやすい。使っているうちにだんだん削れて小さくなっていく。

ひとつあれば、鍋の焦げつきもさっぱり。

もともとはサビを落とす用なのだけど、私はお鍋の焦げつきを落とすのに使っていて、スペアも用意しています。削るので柔らかい素材の鍋には適していないのですが、焦げを放置せず、すぐに掃除すれば水で濡らして軽くこするだけで、すぐにきれいになります。消しゴムのような感覚ですね。本体を傷つけないように優しく削り落としてください。

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サビトール(中目)

ドイツ生まれの安全で無害な弾性クリーナー。水につけてこするだけで、サビや焦げをすっきり落としてくれる。包丁やナイフ、ガスコンロまわりなどにも幅広く使える。日本製。¥600*編集部調べ(中京研磨 ckk@chukyokenma.jp

TO THROW AWAY 捨てる

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シンプルなデザインのものを選ぶと、キッチンがごちゃごちゃな印象にならない。

シンプルな水切り袋を探して行き着いた一品。

生ゴミを入れる水切り袋って野菜の絵などの柄がついていることが多いじゃないですか。何も描かれていない無地のものをさんざん探して、こちらになったという感じです。じゃがいもなどの皮剥きはもうこの上で直接、やってしまいます。野菜の皮やヘタなどいっぱいまで入れず、半分くらい溜まったら閉じて、防臭袋に入れてゴミ箱に捨てます。

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紙製水切り袋

水に濡れても破れにくい、長い繊維だけを使った紙で作られている。しっかりと自立するので、シンクの隅に立てて置いておける。パッケージの外袋も水切り袋として使える。20枚入り¥299(無印良品 銀座 ☎03‒3538‒1311)

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長尾智子Tomoko Nagao

フードコーディネーター。雑誌や広告を中心に活動。〈小石原ポタリー〉など器の開発やエッセイの執筆など、幅広く手がける。著書に『料理の時間』(朝日新聞出版)など。

photo : Kenya Abe edit & text : Wakako Miyake

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