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家事の動線を一直線におさめる。会社員・佐古加奈子さんの台所。December 02, 2025

工夫とアイデアに溢れた台所を訪ねた&Premium145号(2026年1月号)「料理好きの台所」より、会社員・佐古 加奈子さんの台所を紹介します。

家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。
キッチンは素材にこだわり、オリジナルで造作。収納に扉がないので、フライパンや鍋なども料理をしながらすぐに取り出せる。
家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。
たわしなどと一緒に植物や髙橋漠のガラス作品、美大在学中にお世話になった教授の端材を使ったアートなどを飾っている。

家事の動線を一直線におさめる。

 神奈川・辻堂の山の中、赤い屋根の一軒家が見えてくる。絵本『ちいさいおうち』を連想させるかわいらしい外観に惹かれて、佐古加奈子さんが築45年のこの家に引っ越してきたのは約4年前。

「家と家の敷地の間隔が広く、自然に囲まれていて、庭もそれなりにあるところがいいと思って、ずっと戸建てを探していました。場所を限定せずにいろいろな物件を見た結果、ここに辿り着きました」

 2階建ての1階に台所、ガレージ、リビング、寝室とバスルームがあり、生活のほとんどは1階で完結。もともとの台所は現在、夫がガレージにしている土間にあったが、それを佐古さんの希望で、和室だった空間に移動。理由は、外の風景を見ながら料理をしたかったから。

「それは譲れないポイントでした。なので、アイランド型はまったく頭になかった。緑を感じながら料理することでリラックスもできます」

 そして、もう一つ印象的なのが、ガス台やシンクの延長線上に、洗濯機とガス乾燥機を設置したこと。水回りを一つの場所にまとめることで、家事の動線もスムーズになる。

「ビルトインにするとメンテナンスが大変になりそうだったので、どちらも置き型にして、それをコの字にタイルで囲いました。ここは、調理の作業台にもなります」

タイル台の上の壁づけ棚には食器を収納。佐古家の食器はこれですべてなので、何があるか一目でわかり、取り出しやすいのも特徴だ。

「扉のある収納がなく、食器や道具類のすき間にアートも置いているので、いろいろなものが目に入り、人によってはごちゃついているように見えるかもしれません。でも、それが私にとっては心地いいんです」

家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。 | 電子レンジやトースター、消耗品などを置いている棚は、学生時代に自作したもの。手作りやDIYも好き。
電子レンジやトースター、消耗品などを置いている棚は、学生時代に自作したもの。手作りやDIYも好き。
家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。 | 通勤に片道2 時間かかるので毎日はできないけれど、料理は大好き。せいろ蒸しは手軽でヘルシーなのでよく作る。
通勤に片道2 時間かかるので毎日はできないけれど、料理は大好き。せいろ蒸しは手軽でヘルシーなのでよく作る。
家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。 | 食器や調理道具を置いたときなど、ものが当たる音が柔らかくあってほしいと、天板には木を選んだ。キッチンの素材はほぼtoolboxで揃えた。
食器や調理道具を置いたときなど、ものが当たる音が柔らかくあってほしいと、天板には木を選んだ。キッチンの素材はほぼtoolboxで揃えた。
家事の動線を一直線におさめる。アートが彩る開放的なアイランドキッチン。
調理しながら外が見える場所に台所を移した。手前に置いた木のカウンターは、学生時代に自作したもの。今後、さらに整える予定。
佐古加奈子

佐古加奈子会社員

多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。現在、〈toolbox〉にて東京・目白ショールーム担当。夫と息子の3人暮らし。趣味でペイントも続けている。

photo : Masanori Kaneshita edit & text : Wakako Miyake

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