FOOD 食の楽しみ。
京都の人気店の鍋から、話題の肉寿司まで。フードライター・P (ぴい) さんが選んだ、おいしいお取り寄せガイド。February 21, 2026
今年もやってまいりました。恒例のプチ特集。紹介しても紹介してもまだまだあります、お取り寄せ。おいしくて楽しくてお手頃。家族や友達と楽しめるものばかり。こいつぁ、春から縁起がいいかも!?
根っからの食いしん坊、ベテランフードライターのP(ぴい)こと渡辺紀子さんがお贈りする厳選うまいものガイド。&Premium147号(2025年3月号)「部屋を心地よく、整える」より、お取り寄せをwebでも紹介します。
①『ototojet』 天然ハタの鍋セット

『ototojet』という店名、“おとと”がぴょんと跳んでいくイメージを勝手に描いて、何てかわいいと思っていた。京都・紫野の住宅街にある、完全予約制のその店に伺って驚いた。京町家をリノベした、店主のセンスの良さが光るシックな魚料理店だった。料理をいただいて、また驚いた。一品一品が魚介のアートだった。ともかく、斬新で美しい。店主・辻井智貴さんは天然魚を中心に扱い、そのおいしさを通して日本文化を発信中だ。オンラインショップには、彼の心意気と熱い思いがあふれている。今回ご紹介の鍋の主役は天然ハタ。「ハタって、クエをはじめ仲間が多いんです。なのにあまり知られていない。その時々で、一番いいハタをお届けしたくて、あえて限定しないで〝天然ハタ〟としました」と、辻井さん。今日は赤ハタ。アサリとハマグリの出汁も出色だが、添えのバターを落として、がらりと味変させても。

②『美々卯』 宅配うどんすき

東京から『美々卯』が消えて久しい。寒い日は時折、あのうどんすきを懐かしく思い出す人もいるに違いない。赤い漆の器や小さな貝の杓子(?)でいただく、お上品なうどんすきだったなぁ。聞けば、もう20年も前から通信販売をしているというではないか。そうだったか。じゃあ、はりきって取り寄せてみようじゃないかということで、〝おうち美々卯〟開店となった。具材も薬味もぬかりなく揃っているから、すぐに鍋を囲めてありがたい。黄金色のおいしい出汁、リッチな具材、そして、太打ちのうどんがたっぷり。ボリューム満点で大満足だ。最近では、うどんすきにぴったりの鍋も絶賛販売中である。鍋肌にうどんを添わせて取り出すと、スムーズにいくそうだ。つまり、つゆハネしない工夫がされている鍋だ。『美々卯』は、どこまでもうどんすきのおいしさを追求し続ける。それでこそ。

③『吉宗』 茶碗むしと蒸寿し

慶応2(1866)年、長崎発祥の『吉宗』の歴史は、茶碗蒸しから始まった。茶碗蒸しは子どもの頃から大好物だった。お行儀悪いが、途中まで食べたところで、ご飯を入れて混ぜ混ぜして食べるのが好物だった。『吉宗』のイチ押しは、茶碗蒸しと蒸し寿司がセットになった「夫婦蒸し」。同じ大きさの小丼にたっぷり入ったこのセットは、茶碗蒸し好きにも寿司好きにもたまらなく魅力的だ。冷凍庫にストックしておけば、パパッと作れる。どちらもホッとひと息、和める味。丁寧な職人仕事を心していただきたい。

④『京料理 たん熊北店』 小鍋詰合せ〈柊〉

『たん熊』といえば、京都が誇る名店中の名店。その名店の伝統を受け継ぎ、茶人や文人墨客をもてなしてきたのが『京料理 たん熊北店』だ。京都まではなかなか行けないし、ハードルが高すぎる。でも、その片鱗を味わってみたいという方におすすめなのがこの小鍋セットだ。魚介だしをきかせた鍋は3種。寄せ鍋が2、牛鍋1、蟹鍋1という内容。ひとり鍋にぴったりのサイズ。何なら2種類だっていっぺんにいけそうな量。日替わり鍋にしてもあきない。おつまみにしてもいいし、ご飯の友にもなる。こんな重宝なお鍋、アイデアですね。

⑤『カネ吉山本』 近江牛 肉寿司(特上)

肉好き、寿司好きにはたまらないのが肉寿司。その肉が日本3大ブランド和牛のひとつ、近江牛ともなれば、いうことなし(ちなみに、あとの2つは松阪牛と神戸牛)。寿司飯に、鈴鹿山系のふもとにある指定牧場で大切に育てられた『カネ吉山本』の近江牛を、自社の熟練の“近江肉師”が目利きし、捌き、切り出した牛肉がのっていると思えば、ありがたさも増すというもの。牛肉は一枚一枚、丁寧に包丁目が入れられ、おちょぼ口でも食べやすい。薬味とともに、また、添えられたとろっとした甘口醤油をたらせば、さらにおいしい。

⑥『中国飯店』
水餃子セット黒酢のすぶた 北京ダック2本と鴨肉入りたまり醤油の五目炒飯セット

普段は町中華でも、たまには贅沢に本格中華を食べてみたい。できればリーズナブルに。そんなときにおすすめしたいのが、老舗『中国飯店』グループのお取り寄せだ。黒酢のすぶたに中国たまり醤油の五目炒飯、北京ダックに水餃子、点心にスープそばなどなど、選りすぐりが多彩に揃っている。フルコースだって組めそうな内容だ。どれも、自分ちのキッチンでちゃちゃっと調理で、レストランにいるのと同じ気分でいただける。ひとりごはんというより、家族で集う日などに、あれこれ取り寄せて楽しみたい。


P(ぴい)
フードライター。『イタリアに行かなければ味わえない オルトレヴィーノが案内する極上のレストラン』という本が上梓された。すぐにでも行きたくなる、というか、著者夫妻について行きたい。
photo:Shinsaku Kato styling : Chizu cooking : Namie Omi text (data) : Yukiko Daigo






























