LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
古さを物語る大きな窓が、この家の宝。暖かい日差しが差し込む、心地よい住まい。August 30, 2025
古い家には人を惹きつける不思議な味わいがあります。その“古さ”を楽しみつつ、自分たちの暮らしに合う部屋に整えたい。DIYで築70年超えの古民家を甦らせたり、築50年の集合住宅をすっきり改築するなど、温故知新を実践した住まいを、&Premium135号(2025年3月号)「部屋と心を、整える」より特別に公開します。
住んでいた人の温もりが、毎日を支える。
隣には森があり、目の前は畑。高台にあり、窓からは緑だけを望める。若松由貴子さんが住む千葉県市原市の築43年になる一軒家は、実は仮住まい。現在、近所に家を建てている最中だという。ただ、新築といっても基本はセルフビルド。DIYが得意な夫が自ら設計、施工もする予定だ。
「土地がようやく決まったので、着工はこれから。あと1年くらいはここに住む予定です」
長く住まないということもあり、最初はどんな家でもよかったが、予算の条件が合うところを何軒も内見しているうちに、だんだんと自分の好みがわかってきた。
「何もこだわっていなかったはずが、いろいろ見ていたら、私は光を大切にしているとわかったんです。そして、温かみがあってほっと安心できることも大事。家具もいただいたものや実家から持ってきたもの、夫が作ったものばかりで新品がない。家も同じで、古いほうが落ち着くというのを発見。この家と出合って、すぐにここだ!と確信しました」
特に気に入っているのは東に開けたたくさんの窓。東と南はほぼ窓になっていて、朝からふんだんに光が入ってくる。近年は断熱の効率性からあまり窓を大きく作らない傾向にあるが、これだけ開口部があるのは、昭和の家の特性でもある。
「この家に住んだことで、これから作る新築のプランも変わりました。同じように東側は全部窓にすることにしたほか、畳の部屋も欲しくなったし、それこそ新しいものが苦手なので、新しさが出ない工夫をしてほしいと夫にリクエストしました」
また、毎日を支えるのは家だと、改めて認識したのもここに引っ越してから。以前は2人の子どもとともに、住宅街に暮らしていた。
「ここは庭いじりが好きなおばあちゃんが住んでいたとのことで、季節ごとに花が咲くんです。前の人が大事にしてきたものが、次の私にまで幸せを届けてくれる。毎日を気持ちよく過ごせるのは家のおかげです。家は住む人とともに成長していくものなので、古い家にはそういった穏やかさがあるのだと、ここに移って初めて知ることができました」


若松由貴子 Yukiko Wakamatsuヨガインストラクター
日本でヨガインストラクターの資格を取得後、インドで「全米ヨガアライアンスRYT200」を取得。現在も年に1度はインドを訪れている。
photo : Masanori Kaneshita edit & text : Wakako Miyake