MUSIC 心地よい音楽を。

「シティポップ」の歴史を紐解く書籍
『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』が刊行。February 25, 2022

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音楽と旅のライターで、選曲家でもある栗本斉さんが「シティポップ」をガイド。

2018年に竹内まりやの6thアルバム『VARIETY』(1984年リリース)に収録された「プラスティック・ラブ」が海外で爆発的にヒット。2021年にはインドネシアのアーティスト、レイニッチがスウィートな歌声で松原みきの「真夜中のドア/Stay With Me」をカヴァー。DJによって長年パワープッシュされてきた楽曲が世界中でも響き渡るようになり、じわじわとリバイバルを遂げた「シティポップ」。こうした発火点が幾重にも重なり、ここ数年はメディアで様々な言説を見かけるようにもなった。

音楽と旅のライターで、選曲家でもある栗本斉さんはその「都会的で洗練されたメロウな音楽」というイメージの中に漂っているものを自分なりに総括したい、という想いに駆られ本書を執筆。改めて「シティポップはいつ生まれたのか」という問いを立て、その大きなうねりとじっくり対峙している。

1970年生まれの著者が同時代に体験した1970年代後半から80年代にかけての作品に重きを置き、90年代以降の作品、歴史的な作品に影響を受けて作られたネオ・シティポップまでヴァラエティ豊かに深掘り。聞けば、100作品の選出にかけた時間は4カ月という。

吟味に吟味を重ねて選ばれた作品は、時代背景、楽曲から浮かび上がる情景やストーリー、参加ミュージシャンたちの演奏、サウンドプロダクション、アートワークなどさまざまな角度において聴きどころ、見どころがあり、味わい深いものばかり。

なかには“シティポップという文脈”で意識して聴いていなかった作品との出合いがあるかもしれない。そんな発見も楽しみながら、色彩豊かな音楽の世界に、そして、自身の心の奥深くにまで旅をしてみてほしい。

BOOK INFORMATION

「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!

著者: 栗本斉
出版社: 星海社
定価: ¥1,000(税別)
ISBN: 978-4-06-527086-8

<本書掲載アーティスト>
SUGAR BABE、荒井由実、鈴木茂、大貫妙子、加藤和彦、南佳孝、松原みき、大滝詠一、寺尾聰、山下達郎、伊藤銀次、佐藤博、吉田美奈子、杏里、稲垣潤一、杉真理、角松敏生、松田聖子、杉山清貴&オメガトライブ、竹内まりや、ティン・パン・アレー、Char、尾崎亜美、小坂忠、ラジ、笠井紀美子、やまがたすみこ、細野晴臣&イエロー・マジック・バンド、高橋ユキヒロ、サディスティックス、小林泉美&Flying Mimi Band、中原理恵、サーカス、郷ひろみ、広谷順子、五十嵐浩晃、岩崎宏美、EPO、伊勢正三、井上鑑、佐野元春、東北新幹線、濱田金吾、中原めいこ、AB'S、須藤薫、山本達彦、村田和人、国分友里恵、来生たかお、菊池桃子、1986オメガトライブ、飯島真理、鈴木雅之、今井美樹、Original Love、小沢健二、GREAT3、具島直子、古内東子、キリンジ、比屋定篤子、NONA REEVES、冨田ラボ、畠山美由紀、流線形、Lamp、土岐麻子、一十三十一、シンリズム、LUCKY TAPES、星野みちる、SPiCYSOL、never young beach、Yogee New Wavesなど

シティポップの基本

text:Seika Yajima

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