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〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。October 04, 2025

「美しい」を見つめ直すためのヒントを探った、&Premium143号(2025年11月号)「美しい、ということ」より、〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんの暮らしに寄り添う"美しいもの"を特別に紹介します。

〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。
スイスのアルミトレー。スイスで購入したヴィンテージのアルミトレー。「シルバーやステンレスでなく、アルミなのが気に入っています。軽量なので扱いやすく、日本のオフィスでお客様へお茶を出すときなどに使っています」
〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。
スイスのガラスキャンドルプレート。スイスで見つけたもの。キャンドルを持ち運べるよう取っ手が付いている。「スイスではキャンドルを灯すのは日常。手作りなので一つ一つ表情が異なります。シンプルで味わい深いところに惹かれました」
〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。
籐編みの試作サンプルと糸見本。職人から譲り受けた籐編みのサンプルや、糸の見本は大切にしているものの一つ。「糸でもこんなのはどう?と提案してくれたり、私のデザインは職人さんと一緒に考えて形にするものが多いんです」

岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。

〈SIRI SIRI〉デザイナー・岡本菜穂さんにとって「美しいもの」とは。

 物心ついた頃から、建築資材などのカタログを見るのが大好きだったんです。図鑑を眺めるようにネジなどに見入っていました。現在はスイスに住んでいますが、今もホームセンターに行って資材を見ているとワクワクします。そういった工業製品に惹かれる一方で、大人になって手工芸を知ると、それもまたとてもきれいだと感じるようになりました。だからこそ、手業と工業が共存しているものに強く惹かれ、それは、私のジュエリーデザインにも影響を与えていると思います。例えばアルミのお盆。アルミという工業的な素材に、手による鎚目(つちめ)が施されています。ヴィンテージのガラスキャンドルプレートも、メーカーの製品でありながら、職人さんの手が生かされている。籐編みサンプルは、引退する職人さんからいただいたもので、とても美しく、こんな編み方があるのかと勉強になります。糸のサンプルもまた、デザインのインスピレーションの源になっています。

岡本菜穂〈SIRI SIRI〉デザイナー

ガラスや籐といった身近にある自然由来の素材を使って、工芸とコンテンポラリーなデザインを融合させたジュエリーブランド〈SIRI SIRI〉を2006年にスタート。

photo : Satoshi Yamaguchi edit & text : Wakako Miyake

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