LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
山の澄んだ水と空気が発酵を促す。自家製酵母のパンづくり。コウボパン 小さじいち/西村公明さん・あゆみさんOctober 12, 2021 /〔PR〕
中国地方最高峰・大山(だいせん)山麓に工房を構え、果物や穀物、野菜から酵母をおこしてパンを仕込み、料理をつくる人がいます。それが西村公明さん・あゆみさん夫妻。理想の発酵環境のもとで自然に寄り添う二人のものづくりと暮らしぶりをご紹介します。
自然豊かな大山の懐に抱かれた、高原のパン工房。
日本海に向かって裳裾(もすそ)を引く姿が富士山に似ていることから”伯耆富士(ほうきふじ)”と呼ばれる大山。その裾野で二人がパンを焼き始めたのは16年前。あゆみさんの郷里・鳥取県米子市に帰省した折、ふと出かけたドライブで、この場所に出合いました。
「真正面に大山を見る広い畑の真ん中、真っ直ぐな一本道を幼い娘が素足で駆けていく。そんな絵本のような風景に惚れ惚れ。振り返ったら”売地”の看板が!」
当時、二人が兵庫で営んでいた食パン専門店は行列のできる人気店。しかしクリエイティブな喜びが感じられず他店で修業。そこで出合った天然酵母パンづくりを目指し、新たな拠点を探している矢先の出来事でした。「これは運命! ここでしか焼けないパンがつくれる」。あゆみさんは、そう直感したと言います。
水と空気に恵まれた暮らしが、人間にも酵母にも力をくれる。
水事情を調べたら、この土地に引かれているのは大山の伏流水。日本最大級のブナ林に降った雨や雪が20年ほどをかけて濾過され、ミネラル豊富な天然の名水に。
「生地に使うと理想の発酵加減になりました。空気がよいのは言わずもがな」
標高300mの澄んだ空気は、雑菌の繁殖を抑え発酵にはもってこい。あゆみさんも、移住前に悩まされていた喘息や胃痛などの体調不良と縁が切れたと言います。
「水や空気、自然の中での暮らしのおかげ。酵母の力も大きいで しょうね」
公明さんも自家製酵母でパンをつくるようになって、気持ちをゆったり構えるように。「粉と塩と酵母をこねて発酵に6~7時間。日によって発酵の加減は変わります。計算通りにはいかないところも、おもしろい。日々、知恵を絞っています」
自家製酵母だからこその、奥行きのある旨味と香り。
約20種類のパンに使う主な酵母はレーズン酵母とサワー種。季節によってはトマトやブルーベリーの酵母も登場します。自家製酵母の材料は果実や野菜、穀物と水だけ。含まれる糖分の量、気温など条件により発酵の速度は変わります。自家製酵母を始めた頃は、フタをひねった途端に酵母液が噴き出して厨房一面に飛び散ったこともあると公明さん。
「壁や天井に跡が残っています(笑)。そのおかげか16年間の積み重ねのおかげか、古い酒蔵のように蔵つき酵母が棲んでいるんでしょうね。よい塩梅で発酵します」
発酵は生地を膨らませる炭酸ガスを生み、独特の風味をパンにもたらします。鼻に抜けるふくよかな香り、噛むほどに湧き出す奥行きのある旨味は、工業生産された純粋培養のイースト菌にはない、自家製酵母ならではの魅力です。
お二人の心地よい暮らしについてはこちらから
「発酵」生まれの恵みを肌へ。〈アクアレーベル〉から生まれた#塗る発酵「アクアウエルネス」の期間限定サイト「HAKKO WELLNESS JOURNAL」にてご覧いただけます。
コウボパン 小さじいち
鳥取県西伯郡伯耆町金屋谷1713-1
☎ 0859-68-6110
11:00~16:00
日・月・火休、1〜3月は冬季休業
http://kosaji-1.com
photo : Mami Yamada text : Mutsumi Hidaka edit:Ai Sakamoto
Supported by アクアレーベル