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広大な自然と、豊かな文化を堪能する旅へ。ー 白神山地、弘前・青森県 ーTrip to Feel Nature & CultureJune 20, 2023 / 〔PR〕

日本で初めて世界遺産登録された白神山地のお膝元でもある弘前は
城下町として、名建築街として、学園都市として、重層な文化を擁してもいる。
森林浴にグルメ、建築巡りにアート鑑賞と、多欲を満たす包容力がある町へ。
33の湖沼群からなる十二湖のひとつ、青池 (西津軽郡深浦町松神下浜松) 。鮮やかなブルーの色合いが刻々と変化する荘厳な美しさに息を呑む。白神山地、弘前・青森県 旅行 宿泊 夏休み 世界遺産
33の湖沼群からなる十二湖のひとつ、青池(西津軽郡深浦町松神下浜松)。鮮やかなブルーの色合いが刻々と変化する荘厳な美しさに息を呑む。
白神山地に奥深く分け入らずとも、その周辺地域でも十分、散歩の気軽さでその恩恵にあずかることができる。所要時間20分ほどの小回りコース、約60分の大回りコースが設けられている「世界遺産の径・ブナ林散策道」にて。
白神山地に奥深く分け入らずとも、その周辺地域でも十分、散歩の気軽さでその恩恵にあずかることができる。所要時間20分ほどの小回りコース、約60分の大回りコースが設けられている「世界遺産の径・ブナ林散策道」にて。
散策道の入り口には「ブナ林の水飲み場」が。世界遺産がつくる貴重な天然水だ。
散策道の入り口には「ブナ林の水飲み場」が。世界遺産がつくる貴重な天然水だ。
『喫茶室baton』(弘前市下白銀町1-6 弘前市民会館管理棟 M2F)が入る弘前市民会館のステンドグラスは、弘前出身の洋画家、佐野ぬい作。
『喫茶室baton』(弘前市下白銀町1-6 弘前市民会館管理棟 M2F)が入る弘前市民会館のステンドグラスは、弘前出身の洋画家、佐野ぬい作。
弘前駅前という格好の立地にある『虹のマート』(弘前市駅前町12−1)。朝8時から営業しているので朝食の調達にも。
弘前駅前という格好の立地にある『虹のマート』(弘前市駅前町12−1)。朝8時から営業しているので朝食の調達にも。
土手町の商店街にある時計台は、明治時代に設置されたもの。
土手町の商店街にある時計台は、明治時代に設置されたもの。
こぎん刺しは、江戸時代、保温や補強を目的に農民たちが麻布に施した刺繍。『弘前こぎん研究所』(弘前市在府町61)では貴重な古布も多く保存している。
こぎん刺しは、江戸時代、保温や補強を目的に農民たちが麻布に施した刺繍。『弘前こぎん研究所』(弘前市在府町61)では貴重な古布も多く保存している。

古代の森林と、古い町並みと。弘前のふだんの顔。

 日本初の世界自然遺産に登録されてから、今年でちょうど30年。青森県南西部と秋田県北西部にまたがる白神山地は、約1万年も前の姿を現在に残すブナの原生林だ。世界遺産でありながら、その日の思いつきで出かけられるエリアもあるほどにカジュアルな面ももっている。”天然のダム”といわれる白神山地は水を蓄え育む機能が非常に高く、長い年月をかけて土中で濾過された水が再び地表に出てくるときには超軟水に。湧き水スポットや滝など清らかな水に触れられる場所はいくつもあるが、なかでも青池にはぜひ訪れておきたい。その透明度の高さゆえの鮮やかな水の色と輝く光は、気高く神秘的な美しさだ。
 毎夏盛大に催されるねぷたまつりから、強烈なエネルギーを放つ土地というイメージを抱く向きが多いかもしれない。だが日常の弘前はごく穏やかで素朴な地方都市といった趣で、そこには多彩な文化が根づいている。江戸時代に築かれた城下町であり、明治時代に建てられた洋風モダン建築の残る町であり、大正時代には現・弘前大学の母体が開校、現在では東北屈指の学園都市でもある。
 著名なモダニズム建築家、前川國男設計の、市内に点在する建築を巡るなら、『喫茶室baton』が入る弘前市民会館と、『弘前こぎん研究所』が入居する国の重要文化財、木村産業研究所のふたつは外せない。前者ではおやつ休憩、後者ではワークショップや買い物もできて一石二鳥だ。また日本初のシードル工場だった築100年の建物を”改築”でなく”延築”して2020年に開館した『弘前れんが倉庫美術館』は、新たな定番として建築好きにもアート好きにもすすめたい。国内外の新進気鋭の作家を招いて意欲的な企画展を行っている、要注目の現代アートの美術館だ。併設のライブラリーでは落ち着いた雰囲気のなか、青森やアートにまつわる書籍を誰でも自由に閲覧できるのが嬉しい。
 このように、町歩きを存分に楽しませてくれる都市でありながら、手つかずの大自然への距離も近く、世界遺産にも散歩の気軽さですぐにアプローチできる。弘前は多様な楽しみ方ができる、懐の深い町だ。

築80年の古民家をリノベーションした『高岡の森古民家カフェ 山の子』(弘前市高岡獅子沢2−2)。看板メニューは発酵食品を多用した「山の子けの汁ご膳」¥1,400。
築80年の古民家をリノベーションした『高岡の森古民家カフェ 山の子』(弘前市高岡獅子沢2−2)。看板メニューは発酵食品を多用した「山の子けの汁ご膳」¥1,400。
築80年の古民家をリノベーションした『高岡の森古民家カフェ 山の子』(弘前市高岡獅子沢2−2)。看板メニューは発酵食品を多用した「山の子けの汁ご膳」¥1,400。
築80年の古民家をリノベーションした『高岡の森古民家カフェ 山の子』(弘前市高岡獅子沢2−2)。看板メニューは発酵食品を多用した「山の子けの汁ご膳」¥1,400。
伝統工芸を受け継ぐ使命を担う『弘前こぎん研究所』。建物は1932年に竣工した前川國男のデビュー作。
伝統工芸を受け継ぐ使命を担う『弘前こぎん研究所』。建物は1932年に竣工した前川國男のデビュー作。
居酒屋『はすや』(上瓦ヶ町1−1)で地元食材と地酒を堪能。陸奥八仙URARAをはじめ、期間限定の珍しい地酒も豊富。
居酒屋『はすや』(上瓦ヶ町1−1)で地元食材と地酒を堪能。陸奥八仙URARAをはじめ、期間限定の珍しい地酒も豊富。
リンゴのタルトは弘前の代表的スイーツ。『喫茶室baton』のドリンクセット¥1,000。
リンゴのタルトは弘前の代表的スイーツ。『喫茶室baton』のドリンクセット¥1,000。
折々にその姿を現す津軽のシンボル、岩木山。
折々にその姿を現す津軽のシンボル、岩木山。
『弘前れんが倉庫美術館』(吉野町2−1)は1923年竣工の元酒造工場。
『弘前れんが倉庫美術館』(吉野町2−1)は1923年竣工の元酒造工場。
同館では10月9日まで『大巻伸嗣─地平線のゆくえ』を開催中。
同館では10月9日まで『大巻伸嗣─地平線のゆくえ』を開催中。
100年超の老舗『戸田うちわ餅店』(銅屋町21)の名物、胡麻だれのたっぷりかかったうちわ餅¥140は、歩き疲れた体にやさしく染みる。
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100年超の老舗『戸田うちわ餅店』(銅屋町21)の名物、胡麻だれのたっぷりかかったうちわ餅¥140は、歩き疲れた体にやさしく染みる。
100年超の老舗『戸田うちわ餅店』(銅屋町21)の名物、胡麻だれのたっぷりかかったうちわ餅¥140は、歩き疲れた体にやさしく染みる。
『虹のマート』は創立67年の市場。小規模ながら活気がある。
『虹のマート』は創立67年の市場。小規模ながら活気がある。
リンゴの名産地にあってシードルメーカー各社がしのぎを削るなか、100年超のリンゴ園、もりやま園の「テキカカシードル」¥660は、味のよさだけでなく、通常は廃棄される摘果を利用したエシカルな商品。『ハチドリ酒店』など弘前市内で購入可。お土産に最適。
リンゴの名産地にあってシードルメーカー各社がしのぎを削るなか、100年超のリンゴ園、もりやま園の「テキカカシードル」¥660は、味のよさだけでなく、通常は廃棄される摘果を利用したエシカルな商品。『ハチドリ酒店』など弘前市内で購入可。お土産に最適。
 
Access
 
Hirosaki Access Map 白神山地、弘前・青森県  旅行 宿泊 夏休み 世界遺産

弘前の市街地までは、東北新幹線の新青森駅から奥羽本線で約30分、弘前駅下車。青森空港からは車で約45分。弘前から白神山地へは直通バス(約40分)や車(約30分)で。散策可能時期は4~11月。十二湖へは、公共交通機関を利用する場合、JR十二湖駅からバスで約15分。車で行けるのは『森の物産館キョロロ』駐車場まで。青池の目の前にアクセスできるのは徒歩のみ、約10分。

photo : Sachie Abiko illustration : naohiga text : Mick Nomura (photopicnic)

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