TRAVEL あの町で。
広大な自然と、豊かな文化を堪能する旅へ。ー 白神山地、弘前・青森県 ーTrip to Feel Nature & CultureJune 20, 2023 /〔PR〕
城下町として、名建築街として、学園都市として、重層な文化を擁してもいる。
森林浴にグルメ、建築巡りにアート鑑賞と、多欲を満たす包容力がある町へ。
古代の森林と、古い町並みと。弘前のふだんの顔。
日本初の世界自然遺産に登録されてから、今年でちょうど30年。青森県南西部と秋田県北西部にまたがる白神山地は、約1万年も前の姿を現在に残すブナの原生林だ。世界遺産でありながら、その日の思いつきで出かけられるエリアもあるほどにカジュアルな面ももっている。”天然のダム”といわれる白神山地は水を蓄え育む機能が非常に高く、長い年月をかけて土中で濾過された水が再び地表に出てくるときには超軟水に。湧き水スポットや滝など清らかな水に触れられる場所はいくつもあるが、なかでも青池にはぜひ訪れておきたい。その透明度の高さゆえの鮮やかな水の色と輝く光は、気高く神秘的な美しさだ。
毎夏盛大に催されるねぷたまつりから、強烈なエネルギーを放つ土地というイメージを抱く向きが多いかもしれない。だが日常の弘前はごく穏やかで素朴な地方都市といった趣で、そこには多彩な文化が根づいている。江戸時代に築かれた城下町であり、明治時代に建てられた洋風モダン建築の残る町であり、大正時代には現・弘前大学の母体が開校、現在では東北屈指の学園都市でもある。
著名なモダニズム建築家、前川國男設計の、市内に点在する建築を巡るなら、『喫茶室baton』が入る弘前市民会館と、『弘前こぎん研究所』が入居する国の重要文化財、木村産業研究所のふたつは外せない。前者ではおやつ休憩、後者ではワークショップや買い物もできて一石二鳥だ。また日本初のシードル工場だった築100年の建物を”改築”でなく”延築”して2020年に開館した『弘前れんが倉庫美術館』は、新たな定番として建築好きにもアート好きにもすすめたい。国内外の新進気鋭の作家を招いて意欲的な企画展を行っている、要注目の現代アートの美術館だ。併設のライブラリーでは落ち着いた雰囲気のなか、青森やアートにまつわる書籍を誰でも自由に閲覧できるのが嬉しい。
このように、町歩きを存分に楽しませてくれる都市でありながら、手つかずの大自然への距離も近く、世界遺産にも散歩の気軽さですぐにアプローチできる。弘前は多様な楽しみ方ができる、懐の深い町だ。
弘前の市街地までは、東北新幹線の新青森駅から奥羽本線で約30分、弘前駅下車。青森空港からは車で約45分。弘前から白神山地へは直通バス(約40分)や車(約30分)で。散策可能時期は4~11月。十二湖へは、公共交通機関を利用する場合、JR十二湖駅からバスで約15分。車で行けるのは『森の物産館キョロロ』駐車場まで。青池の目の前にアクセスできるのは徒歩のみ、約10分。
photo : Sachie Abiko illustration : naohiga text : Mick Nomura (photopicnic)