EVENT いま訪れたい場所、見たいもの。
ベルリン郊外の小さな森をテーマにした、写真家・原田教正さんの個展「An Anticipation #2」が、鎌倉の『THEO KAMAKURA』にて開催。期間は3月14日 (金) から23日 (日) まで。March 13, 2025
ドイツを訪れ、自然と人工の関係性を見つめた作品群。
写真家・原田教正さんによる個展「An Anticipation #2」が、鎌倉の『THEO KAMAKURA』にて3月14日（金）〜23日（日）にわたって開催される。
2023年からベルリンでの滞在制作を重ねており、昨年発表された個展「時間の園丁」や写真集「My origin photographs」の作品群も同時期に撮影された。今回は、ベルリン郊外の小さな森を被写体にした作品となり、秋から冬へと移り変わる自然の姿を捉えた新作を展示。人の手によって失われゆく自然とそれを保持しようとする人間の矛盾、その中に感じられる密かな温もりが、原田さん独自の視点で表現されている。
“ドイツはベルリン郊外に、非常に小さく稀有な森がある。周囲を牧草地帯や人工林に囲われたブナの原生林・古代林とされる森だ。産業革命以降ヨーロッパ大陸から忽然と姿を消した古の森とその記憶は、散らばる点のように僅かに残存するのみだ。だがそれは、完全な原生の姿と言うより、保護地区として緩やかな人手の介入によって延命措置を施された半人工の森と呼ぶべきかもしれない。2023年のドイツでの滞在制作では、この森に幾度も足を運ぶことになった。
そこにある、失われゆく森の姿と保持を試みた不完全な景色。複雑で曖昧な原生と人工の境界線から覗く、人間の不穏と矛盾。気配という密かな温もり。それらを求め、秋から冬へと移ろう森をベルリンのアパートと往復しながら。”
森をテーマとした作品としては、2021年に発表した十和田湖や八甲田の美しい自然を収めた「An Anticipation」以来となる。本展は、その流れを汲み「An Anticipation #2」と題しながらも、森との向き合い方が変化した原田さんの新たな眼差しを感じることができる内容となっている。
展示作品のほか、購入者が選んだプリント3枚（各A5サイズ）を同封した写真集「An Anticipation #2」も20部限定で販売。また、3月20日（木）と3月22日（土）には、原田さんによるトークイベントも開催を予定している。
この貴重な機会に足を運んで、原田さんの視点を体感してみてほしい。
