FOOD 食の楽しみ。

「春豆のミネストローネ」。冷水希三子さんに聞いたゆっくり体を目覚めさせるスープのレシピ。その3May 04, 2023

2023年4月20日発売の特集「朝を楽しむための28のこと」。陽射しを浴びたり、深呼吸したり、散歩したり、ゆったりと朝食をとったり……。さまざまな視点から、朝を楽しむための28のことを特集しています。ここでは、料理家の冷水希三子さんに聞いたゆっくり体を目覚めさせるやさしいスープのレシピから、「春豆のミネストローネ」の作り方を紹介します。

春豆のミネストローネ

「春豆のミネストローネ」。 冷水希三子さんに聞いたゆっくり体を目覚めさせるスープのレシピ。
「具材が多いスープは、いろいろな素材の味を堪能できるので塩を少なめにしても味がぼやけません」

春に出揃う豆を入れた具だくさんスープ。グリーンピース、空豆、スナップエンドウという食感が異なる豆と新玉ネギをスープと一緒にゆっくりと咀嚼する。プチプチ、シャキシャキ、ホクホク  噛みしめるたびに、旨味が広がっていく。

【材料(3~4人分)】
グリーンピース…100g(正味) 空豆… 8 ~10さや スナップエンドウ… 5 さや 新玉ネギ…1/8個 水…350㎖ 塩…適量 エクストラバージンオリーブオイル…適量

【作り方】
1.新ジャガは半分に切って5 ㎜厚さに切る。新玉ネギは小さめに切る。グリーンピースをさやから出す。空豆のさやと薄皮をむく。スナップエンドウのがくと筋を取り1㎝幅に切る。新玉ネギは1㎝大に切る。

2.鍋にスナップエンドウ以外と水を入れ、火にかけ沸いたら弱火にして蓋を軽くずらす。15分ほど甘味が出るまで煮て、スナップエンドウを加え塩で味を調える。

3.皿に盛り、エクストラバージンオリーブオイルをたらす。

「春豆のミネストローネ」。 冷水希三子さんに聞いたゆっくり体を目覚めさせるスープのレシピ。
スナップエンドウの下処理は、先端が尖っている側面の太い筋を引っ張って取り除くのがコツ。
「春豆のミネストローネ」。 冷水希三子さんに聞いたゆっくり体を目覚めさせるスープのレシピ。
スナップエンドウは他の食材と異なり、時間をかけずさっと煮たほうが甘味や食感が豊かになる。

28 THINGS_SOUP

野菜の旨味、素材の色合いを楽しむ、
〝やさしいスープ〞がある生活を。

 朝、起きて、ゆっくりと体を目覚めさせるひととき——滋味深い、温かなスープがあれば、新しい一日が、軽やかで、穏やかなものになっていくものだ。たとえ、前日にハードなスケジュールをこなしたり、楽しい酒席で飲みすぎてしまったりしても。そのくらい、自分自身や大切な人を〝ケアする食べもの〞として、簡単に作れるスープという料理は頼もしい存在に思える。

 旬の食材のおいしさに向き合い、体にやさしいスープを作る冷水希三子さんに教えてもらったのは、野菜の旨味を真っすぐに感じることができる3つのスープ。

「私は〝おいしくて、気持ちいい〞ということを大切にしながら料理を作っています。特に朝は体が欲しているものを食べるようにしています。ふだんは、朝と昼を兼ねた食事にスープとパンをいただくことが多いかもしれません。いまの時季、心惹かれた食材は春キャベツ、新ジャガ、蕗薹(ふきのとう)、グリーンピースや空豆など。春の野菜は緑色のものが多く、それぞれのきれいな色を眺めているだけで気持ちよくなれるのが嬉しくて」

 調理する時間は、素材が持っている色の美しさに感じ入る豊かな時間でもあること——冷水さんのレシピは、そんなシンプルな気付きをもたらしてくれる奥行きがある。その上、アレンジして食す楽しさをも内包している。

「余ったときは冷蔵庫で保存を。2日間くらいは持つので、塩味を足して、素麺やパスタに絡めたり、茹でた餅を入れたりして好きに食べてみると新たなおいしさに出合えますよ」

冷水希三子 Kimiko Hiyamizu

料理家、フードコーディネーター。季節の素材を生かした料理を心がけ、雑誌や広告などで活動。食材の旨味を引き出した調理方法も支持を集める。著書に『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)などがある。

photo : Tetsuya Ito edit & text : Seika Yajima

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