キレイの理屈 時代の変化と手荒れ・肌荒れに寄り添い続けてきたクリーム。 — 『&Premium』No. 86 2021年2月号「&Beauty」より | From Magazine | & Premium (アンド プレミアム)

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『&Premium』No. 86 2021年2月号「&Beauty」より / December 29, 2020 キレイの理屈 時代の変化と手荒れ・肌荒れに寄り添い続けてきたクリーム。

Eisai | SAHNE CREAM
Eisai | SAHNE CREAM
昭和29年誕生の「ザーネ」は、日本発、製薬会社のブランド。右から、ザーネクリーム[医薬部外品](効能・効果:肌荒れ)チューブタイプ 48g ¥680、同 ジャータイプ 100g ¥1,100(エーザイhhcホットライン ☎︎0120−161−454)

〈エーザイ〉の「ザーネ」が誕生66周年を迎えた。ちなみに同社の「チョコラBB」は68周年、歴史ある製薬会社ということだ。「ザーネ」(=SAHNE)とはドイツ語でクリームという意味で、フワッとサラッとしたテクスチャーを目指して開発者がネーミングしたものだという。
欧米でビタミン配合のクリームが出始めていた時代、「肌へのビタミン」をコンセプトにしたらいいのではないかと考えた。当時は、洗濯機などの電化製品が家庭に導入される前で、とくに女性の手荒れの悩みが深刻だったこともあり、この悩みを改善したいという思いで製品を開発、医薬品として発売。そもそも〈エーザイ〉は、ビタミンE研究を日本で初めて手がけ、今でも多くの人に使われているビタミンE剤「ユベラ」の開発などでも知られる。ビタミンへの並々ならぬ思いを抱き、研究を進め、「ザーネクリーム」に反映。1973年には医薬部外品に、1987年には全身ケア製品、1999年には処方を一新するなど、手肌に寄り添いながらリニューアルしてきた。
「ザーネクリーム(販売名「ザーネクリームE」)」は、肌を健やかに整える有効成分、天然型ビタミンEと消炎成分グリチルリチン酸二カリウムを配合し、荒れた肌に効果的な製薬会社ならではの処方が光る。なんといっても、スーッとなじむのに、ベタつかない。これは保湿性の高いレシチン(添加物:乳化剤)を配合した〈エーザイ〉独自の処方の妙を投影した設計だ。
また、社の方針として、顧客との直接的なコミュニケーションの時間を持つという、独特のカルチャーが存在している点も特筆すべき点。単なるデータ分析にとどまらず、生の声を拾い上げる姿勢は、丁寧な開発の姿勢にもつながる。
2019年リニューアルした「ザーネクリームE」は、使いやすい感触はそのままに、日常を邪魔しないほんのりした香りにするなど、細部まで配慮して発売。未曾有のこのコロナ禍において、手洗いのしすぎで手荒れに悩む人が激増するなかで、手放せないと重宝されているというのも納得。
製薬会社発の効果感と、使いやすさの両立が長年ファンをとらえて離さない。時代の流れと、多面的なニーズに寄り添いながら、「ザーネクリーム」は次世代へ受け継がれていくのだろう。

文/久保直子
くぼ・なおこ/ウェルネス&ビューティジャーナリスト。植物療法(フィトテラピー)をツールに、ココロカラダハダケアについて独自発信。