BEAUTY 明日のキレイのために。
キレイの理屈 1000年の歴史を誇るモロッコ美容の忠実な再現。『&Premium』No. 82 2020年10月号「&Beauty」より / August 30, 2020
2004年5月、1年に2週間ほどしか咲かないバラのあるモロッコの”バラの谷”を訪れたことから、〈ローズ ド マラケシュ〉のストーリーは始まる。運命的に訪れたブランド創設者、板橋マサ江さんは、村全体を覆うように香る、かぐわしいバラの香りに感動し、日本へ持ち帰りたいと強く思ったそう。ダマスクローズだけでなく、その地で暮らす女性たちの髪や肌の美しさに感銘を受けた。その美しさの秘密は、モロッコでは当たり前のように使われていた「アルガンオイル」や「ガスール(クレイ)」の効果だったとか。そして、その地にある自然な素材で、自然な美しさを保つ「モロッコ美容」に魅せられ、これを日本でプロダクトとして再現できないかと考えた。
そこで、まず手がけたのがヘアケアだ。板橋さんの夫は美容室を経営しており、美容師が洗浄力の強いシャンプーを使うことで、ひどい手荒れで悩んでいたのを見てきたからだ。モロッコの村では、家ごとにオリジナルのハーブレシピがあるそうで、そのレシピをヒアリングし、モロッコで出合った原料と組み合わせ、ノンシリコンのシャンプーとコンディショナーを手作りした。
板橋さんが手作りした製品で手荒れは良くなり、髪はもちろん頭皮の状態も改善。その効果にスタッフも驚愕した。実際に製品化する際には、自然原料の取り扱いや、輸送法、そして充填にも苦労した。これは工場とのやりとりを丁寧に重ねて、「極力モロッコ素材だけを使う」というこだわりを伝え、一つ一つクリア。忠実にモロッコ美容を再現することが、日本女性を美しくすることだという信念がその原動力となった。
そんな熱い思いを持ち、1年近くかけて、理想的なシャンプー、コンディショナーを完成させた。継続して使うことで、土壌となる頭皮が驚くほど健康になり、新しく生えてくる髪のハリ、艶が蘇る。続いて、スタイリングとしてだけではなく、保湿ケアとしても使えるマルチワックスも開発。15年経った今もそれらの処方は全く変えずに、多くのファンがリピーターとなっている。
ブランドのこだわりは、ただ一点、「モロッコ美容そのまま」であること。余計なものは一切入れずに再現することで、髪や肌を美しくする。その誠実さこそが、大切なブランドポリシーなのだ。