ベターライフが見つかる店。

アジアの食と文化の交差点『CASICA KABUTOCHO』が提案する、自由なもの選びの楽しみ方。September 13, 2025

 (仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。
アジアの路地にある荒物店をイメージした、店に入ってすぐのスペース。


『アンド プレミアム』が創刊以来大切にしてきた「ベターライフ=より良き日々」。その世界観を叶えるショップを巡る連載。第3回目は、2025年8月に東京・日本橋兜町にオープンした、インテリアショップ『CASICA KABUTOCHO』を訪ね、ベターライフを叶えてくれる3つのポイントを見つけました。

01 アジア各地から集まった多くの雑貨に囲まれて、好奇心のままにものを選ぶ。

かつて金融街として発展し、重厚なモダン建築がいまなお残る日本橋兜町。近年、銀行跡地を利用したホテルや飲食店が急増している中、新たに誕生したのが『CASICA KABUTOCHO』だ。

手がけるのは、2017年に新木場でスタートした『CASICA』。国籍や年代を問わず集められたインテリア、食器、植物などが並び、唯一無二なセレクトの視点が支持を集める。その世界観を受け継ぎつつ、新店では「アジアの中の東京」をテーマに、中国や台湾、タイ、インド、ベトナムなど各地から買い付けた品々を取り扱う。

店内に足を踏み入れると、まずはその物量に圧倒される。天井から吊るされた数々の籠や様々な国の茶器、静かに存在感を放つオブジェなどがジャンルレスに並び、一見すると雑然としているようで、どこか心地よい調和を感じさせる不思議な印象を持つ。

買い付けや内装のディレクションを担うのは、『CIRCUS』の鈴木善雄さん、引田舞さん。鈴木さんは「ひとつひとつ、どう見えたら面白いかを考えてレイアウトしています。バラバラのようでどこか共通点があるのは、売れる売れないではなく、純粋に自分の好きなものを基準にセレクトしているから。訪れた人にも、旅先で偶然に良いものと出合ったときの喜びや、自分で探し当てる楽しさを体感してもらいたい」と話す。

そのため、作家名や国ごとにカテゴライズすることなく、価格も手頃なものから高価なものまでをあえて並列に並べている。「そうすることでノイズが消え、純粋な好奇心と向き合うことができる」と鈴木さん。ものとの新しい出合い方を提示する場が、ここには広がっている。

(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | タイ・チェンマイのせいろの中に、日本の作家による茶器を陳列。元々の用途に縛られない、自由な使い方を提案する。
タイ・チェンマイのせいろの中に、日本の作家による茶器を陳列。元々の用途に縛られない、自由な使い方を提案する。
(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | グローサリーも併設。茶葉や調味料など、信頼する作り手からセレクト。
グローサリーも併設。茶葉や調味料など、信頼する作り手からセレクト。
(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | 店内奥のスペースは手前と雰囲気が変わり、博物館のように品物が設えられた棚が目を引く。
店内奥のスペースは手前と雰囲気が変わり、博物館のように品物が設えられた棚が目を引く。

02 点心からナチュールワインまで、自由なアジア料理を楽しめる。

店の中には、中華料理をベースにしたアジア料理を味わえる『可視化飯店』も併設。ランチ、喫茶、ディナーと時間帯ごとに異なる表情を見せる。

ランチは「野菜饅と点心」、「旬野菜の薬膳カレー」、「肉燥飯(ローザオファン)」の3種。ディナーでは、蒸し料理を中心に40種以上のメニューが並ぶほか、紹興酒やナチュールワインまで豊富に揃えているのも魅力のひとつ。円卓からボックス席、個室、テラス席まで揃えるため、幅広い用途で活躍しそう。

(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | 手前から、キャベツや切り干し大根などがたっぷり入っていた野菜饅。点心は、マッシュルーム入りの焼売と一口サイズのちまき。日替わりの副菜二種とスープも付く。
手前から、キャベツや切り干し大根などがたっぷり入っていた野菜饅。点心は、マッシュルーム入りの焼売と一口サイズのちまき。日替わりの副菜二種とスープも付く。
(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | 肉燥飯は、日本人が食べやすい味付けに。スパイスと一緒に醤油ダレに漬け込んだ黒い卵を添えて。
肉燥飯は、日本人が食べやすい味付けに。スパイスと一緒に醤油ダレに漬け込んだ黒い卵を添えて。
(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。 | テーブルはインド、椅子はイギリスから輸入。壁には台湾の風情を感じるミントグリーンのタイルを。
テーブルはインド、椅子はイギリスから輸入。壁には台湾の風情を感じるミントグリーンのタイルを。

03 台湾の茶人・小曼さん監修の茶芸を堪能する。

喫茶の時間は、4種の台湾茶から選ぶことができる。台湾を代表する茶人の謝小曼(シェ・シャオマン)さんによる監修のもと、一煎目はスタッフが目の前で丁寧に淹れ、二煎目以降は自ら茶器を手に取り、自由に淹れて楽しむスタイル。

この日供されたのは、茶どころとして知られる阿里山の山中に自生する茶葉を収穫した「野放茶」の白茶。まろやかな味わいが特徴で、淹れるごとに変化していく風味も楽しめる。

ゆったりとお茶を味わった後には、隣のショップで茶器を購入するのもいい。使っている食器やカトラリーは基本的に販売しているから、使い心地を体感したうえで買い物できるのが嬉しい。食とものが交差する体験が、この空間には待っている。

 (仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。
蓋碗の下に敷かれているのは、韓国の屋根瓦。手前にある翡翠色の器は、日本の古い花器を建水に見立てて使用。

『CASICA KABUTOCHO』でベターライフが見つかる3つの理由。

1.アジア各地から集まった多くの雑貨に囲まれて、好奇心のままにものを選ぶ。

2.点心からナチュールワインまで、自由なアジア料理を楽しめる。

3.台湾の茶人・小曼さん監修の茶芸を堪能する。

Shop InformationCASICA KABUTOCHO

(仮) アジアの食、モノと出合える、『CASICA KABUTOCHO』。

住所 : 東京都中央区日本橋兜町5-1兜町第1平和ビル
TEL : SHOP 03-6231-1127 可視化飯店 03-6231-1128
営業時間 :
CASICA KABUTOCHO 11:00〜19:00
可視化飯店 11:00〜14:00 (LO13:15)、14:00〜17:00 (LO15:30)、18:00〜22:00 (LO21:00 食事 21:30 ドリンク) ※日曜日・祝日は 21:00 閉店
定休日 : 月、第 2/4火 ※月曜日が祝日の場合は営業、翌火曜日が休業

→ casica.tokyo

photo : Yoichi Onoda

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