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東京茶飯事ってなんですか? 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #1April 02, 2025
「東京茶飯事」って何ですか?とよく質問されます。そして、そのたびにどう答えたらいいのか自分でもよくわからない時があります。簡単にいうと私が東京で生活していた時に出合った東京の好きな町、お店、人、そして、これらが作っている「東京」という都市や時代のカルチャーを自由に紹介しようと思って、インスタグラムを通して発信したところから始まり、それが今の活動に繋がっています。
「東京+(日常)茶飯事」は造語でもあるので、東京生活のごくありふれたことを紹介する場という意味もあります。そもそも東京という町に出合ったのは、音楽と雑誌でした。
高校時代に出合った日本のジャズやフュージョンにのめり込んで、(当時は)CDに書いてあるライナーノートの内容が気になって、独学で日本語を学び、その音楽の周りの情報を調べながら、雑誌の世界に入る、その雑誌に登場したものを見て、視野が広がる、という流れで日本の様々な文化を知っていきました。
東京で生活したのは2006年から1年間です。そのあとは東京とソウルを行ったり来たりしていたので、その期間を合わせると4〜5年くらいです。長いといえば長いし、短いといえば短いですが、振り返ってみれば、自分の生活ってだいたい同じパターンの繰り返しだったと思います。
両サイドのポケットにそれぞれiPodと千円札2枚だけ入れて、手ぶらで気になる東京の町に行って、そこの雰囲気に合わせて聴きたい音楽を選曲しながら徘徊していただけですが、それが自分にとっては生活の楽しみでもありました。なので、東京という町の雰囲気を活字とか音楽の選曲で表現するのが「東京茶飯事」の原点ではないかと思います。
「東京茶飯事」をスタートする時に東京の友人に話したら、「ジノンくんと全く同じことをやっている方の新しい本が発売されたので、絶対読んでみたほうがいいよ」と紹介してもらったのが、編集者・岡本仁さんの『東京ひとり歩き ぼくの東京地図。』(京阪神Lマガジン)という本でした。
そして、『relax』という雑誌で描かれた風景は今まで自分が東京を眺めていた感覚の原点だったのがわかりました。当時は気づかなかったのですが、まさにそれが私の「東京の入り口」でした。
先月(3月16日)、その岡本さんが誘ってくださって、千駄ヶ谷の『Tas Yard』というカフェで「SUNDAY PROMISE(日曜日の約束)」という岡本さんの架空のラジオ番組のトークイベントに参加することになりました。テーマは「東京の入り口 ソウルの入り口」。お互い、東京とソウルで出合った音楽の話をしました。
20年ほど前に最初に東京の風景を見せてくれた音楽を改めて聴いて選びながら、時が経っても東京への自分の好みってあまり変わらなかったんだとわかりました。
最近の東京はどっちかというと仕事場のような感じですが、今でも好きな場所に行って、聴きたい音楽を選んで、ただただ歩くのは好きです。そして、たまにその結果をインスタグラムやSpotifyに公開しています。
最近公開したものは『TORAYA GINZA』のテラスから眺める銀座の風景とホテルのある四谷〜麹町〜半蔵門エリアの風景を背景にしながら聴きたい音楽です。
一曲目の「東京の屋根の下」の歌詞のように何もなくても、ただ口笛吹いて歩くだけでいい町、それが私の東京です。次回の「SUNDAY PROMISE」の時にはその話ができたら嬉しいです。

edit : Sayuri Otobe
東京茶飯事(TOKYO DABANSA) コンテンツディレクター キム・ジノン
