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ごはん炊き土鍋の最適解。陶芸家・水谷智美さんの壺型土鍋。写真と文:高野水登 (脚本家) #2May 12, 2025
実家で炊飯器が壊れてから、ずっと土鍋ごはん。
一人暮らしになっても土鍋ごはんで、炊飯器を買ったことのない人生になりそうです。
ただ、土鍋は買います。
二人暮らしなのに、土鍋が合計4個。ここに鋳物鍋に羽釜まであるもんだから恐ろしい…。
土鍋ってフォルムがかわいいんですよね。だからついつい、出合いがあると集めたくなってしまうんです。
そんな私がたどり着いた、ご飯を炊くのに最適な土鍋があります。
それが、佐賀県多久市に工房を構える陶芸家・水谷智美さんの土鍋。

やや縦長で底が深く、口が狭い、丸い壺のような形状をしており、厚みもあるように感じます。
驚くことに、これで炊くと他の土鍋以上においしいのです。
なぜなのか考えてみると、丸型の形状が対流を生み、均一に火が通るんじゃないかとか、厚みがあることでゆっくり火が通るんじゃないかとか…どれも推論でしかありませんが、唯一確かな利便性は、縦長だとコンロに置いた時、隣のコンロに干渉しづらいということです。幅広の土鍋だとフライパンとか置けないんですよね……。
能書き垂れましたが、結局、気に入った道具で作ったごはんはおいしい。これに尽きると思います。
ちなみにしゃもじは、長野県松本市にある『大久保ハウス木工舎』の長めのものを使っています。
長めのしゃもじ、土鍋や炊飯器に関わらずおすすめです。地味に世界が変わりますよ!
edit : Sayuri Otobe
脚本家 高野水登

脚本家。1993年生まれ。神奈川県出身。2013年、日本大学芸術学部在学中に「劇団きのこの森」を旗揚げし、以降全作品の脚本、演出を担当する。代表作に『王様戦隊キングオージャー』(EX)、『真犯人フラグ』(NTV)、『賭ケグルイ』など。