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26歳男子、紅茶に目覚める。編集後記「コーヒーとお茶と、わたしの時間」October 21, 2025

きっかけは、友人の家で振る舞ってもらったアイスティーでした。その一杯は香りが驚くほどに華やかで、ミルクを入れても風味が損なわれず、コクがある。ふだんペットボトルの紅茶ばかり飲んでいた私にとって、衝撃的に美味しかった。なにより、「お酒もコーヒーも自分は飲めないから、いろんなフレーバーのある紅茶が嗜好品として楽しい」と話す友人が楽しそうで、私もティーライフを始めてみたいと思ったのです。
自宅に帰ってさっそく同じもの、〈HARNEY&SONS〉のフレーバー「PARIS」を注文。届いた紅茶缶には、茶葉がそのまま入っていました。ティーバッグスタイルを想定した私は、「紅茶 淹れ方」で検索。ティーポットも茶こしも持っていないので、サシェと呼ばれる茶葉を入れる袋が必要であることを知りました。出汁パックなら家にあったので、これをサシェとすることに。小さじ一杯の茶葉を出汁パックに詰め、沸かしたお湯とマグに入れて待つこと2分......あの甘い香りに再会! そのとき、一年前に家でコーヒーを淹れるようになった頃を思い出しました。一つずつわかることが増えていく喜び。これは楽しい。以来、家に友人を招くたび、「コーヒーにする? 紅茶にする?」と半ば押し付けるように勧めています。ティーハラスメントです。ティーハラ。
今回、そんなタイミングで参加したこの特集。私は、『一杯がもっとおいしくなる読書案内』を担当しています。「珈琲」「紅茶」「日本茶」「中国茶・台湾茶」の4ジャンルで、それぞれの奥深い世界へと誘う本を専門家に教えていただきました。コーヒー&ティーライフの新たな扉を開いてくれる、読書の秋にぴったりなリーディングリストです。ぜひ!
(担当編集/出口晴臣)